黒岳は花のピーク

 20日は朝からどんよりと低い雲が空全体を覆い、今にも雨が降りそうな天気でした。しかしどんよりとした空模様とは対照的に山の上では高山植物の花々がピークを迎えています。黒岳周辺で特に大きな群落が見られたのは、黒岳山頂のエゾツツジ・チシマツガザクラ、石室周辺はエゾノツガザクラ、赤石川周辺はチングルマ・ミネズオウ・コザクラ、北海沢周辺はイワヒゲ、北海岳中腹はイワブクロなどが見られました。

【雪渓情報】
登山道上に残る雪渓は赤石川周辺で3m、北海沢周辺で8mです。北鎮岳分岐下の雪渓は解けてなくなりました。

 写真:黒岳石室周辺のエゾノツガザクラ群落(7/20)

コマクサ平のコマクサ

 ここ数日の雨でコマクサ平のコマクサも、そろそろ終わりかなと思いながら赤岳まで行ってみると、意外にまだまだ花に勢いがあって形も色合いもしっかりしているではありませんか。多少の花の痛みはあってもまだまだ見頃。だけど来週まで持つかな?

【雪渓状況】登山道上に残る雪渓は、残すところ第2花園の約40mのみになりました。第1花園の雪渓は20日午前中でなくなりました。

【開花状況】
(第1花園)ウサギギク○、チングルマ○、ウコンウツギ○(第2花園)エゾコザクラ○、チングルマ↓(奥の平)チングルマ○、アオノツガザクラ○、エゾノツガザクラ↓(コマクサ平)コマクサ○、チシマツガザクラ○、イワブクロ○(第3雪渓)エゾヒメクワガタ○、ミヤマリンドウ○、イワギキョウ○(第4雪渓上部)チングルマ○、エゾヒメクワガタ○、アオノツガザクラ○

写真:コマクサ平(7/20)

晴れ・雨・晴れ・雨・・・

 ここ数日間の層雲峡は7月9日から1日おきに雨が降るような天候なので、縦走を予定している登山者からは日程が組みづらいくて困っているとの問い合わせをよく耳にします。しかし今までの好天でしおれかけていた植物にとっては恵み雨。山の花々の為、登山者の方々にはしばしの我慢をお願いします。
 
【雪渓情報】(緑岳・第1花畑)上部に約80mほどの雪渓が残っています。(緑岳・第2花畑)上部に約30m、40m、30mと雪渓があり3つに分断されています。

【花情報】(第1、第2花畑)エゾコザクラ○、チングルマ○、ミヤマリンドウ○、エゾノツガザクラ○、アオノツガザクラ○(緑岳上部ガレ場)イワブクロ○、ミヤマキンバイ○、(緑岳山頂)エゾツツジ↑、エゾタカネツメクサ○

 写真:緑岳第2花畑上部の雪渓・7/15

黒岳のウコンウツギ群落

 層雲峡は昨日の集中豪雨の影響で一時、麓の沢は増水し川の水も濁っていたので登山道も随分とぬかるんでいるだろうと思い、今日の登山は長靴で登る事に。
 しかし、登り始めると予想に反して道は随分と乾いていた為、難なく9合目まで登りきることができました。雨にも当らず一息ついていると山頂付近から「すごい、すごい」と連呼する声が聞こえてくるで、休憩もそこそこにして少し開けた所まで登って行くと、マネキ岩周辺の斜面一帯がウコンウツギの花で埋め尽くされていました。「う~ん、すごい」と相づちを打ちながら横に居た人と花の観察。9合目標柱から山頂直下にかけては開花したばかりとあって花は全体的に痛みも少ないので、今週いっぱいは楽しめると思います。

 【開花状況】
(黒岳9合目)ウコンウツギ○、チシマノキンバイソウ○、トカチフウロ↓、ハクサンチドリ↓、ミヤマキンポウゲ↓、ヤマブキショウマ○/(黒岳山頂)コマクサ○、イワヒゲ○、タカネオミナエシ○、エゾツツジ↑、イワブクロ↑、メアカンキンバイ↓

 【赤石川】
 昨日の集中豪雨の影響はなく、水位も大きな変化はありませんでした。

 写真:マネキ岩周辺のウコンウツギ群落

赤岳のようす

 赤岳コースでは雪解けが随分と進み、登山道上を覆っている雪渓は第2花園(約60m)と奥の平(約6m、7m)を残すのみとなってきました。そして雪解けが進んだ雪渓の縁沿いからは鮮やかな高山植物の花々が咲いてきています。コース上で登山者の目を特に惹いていた花は第2花園のチングルマ、コマクサ平のコマクサ、第3雪渓のエゾヒメクワガタなどの群落でした。そして赤岳山頂周辺ではホソバウルップソウに変わりタカネスミレの群落が広がりを見せてきています。

 【開花状況】
(第一花園)エゾイソツツジ○、ウコンウツギ○/(第二花園)チングルマ○、エゾノツガザクラ○/(コマクサ平)コマクサ○、イワブクロ↑/(第三雪渓)エゾヒメクワガタ○、アオノツガザクラ○/(第四雪渓)エゾノツガザクラ○、アオノツガザクラ○、エゾノハクサンイチゲ↓/(赤岳山頂)イワウメ↓、ホソバウルップソウ↓、チョウノスケソウ○、タカネスミレ○、キバナシオガマ○、イワヒゲ○

 写真:第四雪渓(7/1)