赤岳雪渓・開花状況/コマクサ

(その2)


 長い第一花園の雪渓は4つに分断され、雪解けが進んだことがわかります。それでも斜面のトラバースには気を使う。ここでは絶対転倒したくない!「転倒→滑落」の図式が容易に想像できるから。
 見晴台から第2花園入り口までは、雪解け水がジャブジャブと流れ込み、泥んこ状態。ぬかるみを避けて植物帯を踏みつけるような事はしないで下さい。靴が汚れたら洗えばいいのですから。第2花園、奥の平にはそれぞれ100m位の雪渓があります。花はもう少し雪解けが進んでから。
 コマクサ平では、コマクサの開花が始まりました。まだ大半が蕾ですが、来週10日前後には群落が見れそうです。
 第3、第4雪渓にも雪渓が大きく残り、登山道を覆います。雪質は「カチカチ」まではいきませんが、堅く締まり足跡が残らないくらい。特に下りは要注意。
 高山植物の種類数では大雪一。山頂から小泉平周辺にかけては、満開のイワウメに加えてホソバウルップソウやタカネスミレが咲き始め、稜線は麗しの季節に突入した模様・・。

【開花状況】
 (コマクサ平)コマクサ蕾~開花、イワウメ○、ミネズオウ○/(第4雪渓)キバナシャクナゲ○/(山頂~小泉平)ホソバウルップソウ○、メアカンキンバイ○、イワウメ○、エゾオヤマノエンドウ○、タカネスミレ蕾~開花、エゾタカネツメクサ↑、 

白雲小屋幕営地

(その3)

白雲小屋幕営地の様子です。
 まだ雪渓に覆われています。淵のベンチが現れましたが、地表面は雪解け水でぬかるみ、現在幕営は不可。テントを張る場合は、写真のように雪渓の上に設営することになります。詳細は白雲小屋にてお尋ねください。

 写真:白雲岳避難小屋幕営地 (7/2)

ホソバウルップソウ

(その4)

誰もいない広い広い高根ヶ原。そこに立ったとき、思わず「おお~!」と唸っていました。
 ホソバウルップソウが満開になりました。

 【開花状況】(高根ヶ原分岐)ホソバウルップソウ○、エゾノハクサンイチゲ○、チングルマ○、キバナシオガマ○、メアカンキンバイ○、ミヤマキンバイ○、イワウメ○

 写真:ホソバウルップソウ
   (高根ヶ原分岐 7/2)

緑岳雪渓状況


 樹林帯を登り花畑の台地へ出ると、そこから先は広大な一枚雪渓。第2花畑の先、エイコの沢崖付近まで、途切れなく続いています。平坦な雪渓なので滑落の心配はありませんが、同じような景色が続く為、視界が利かなくなると方向を見失いやすくなります。所々紅ガラの目印があるものの、真っ白なガスに巻かれれば、その目印さえも接近しないとわからないということもあります。
 先発の登山者のトレースをただ何気なく辿るのではなく、要所において自身が地図とコンパスで確認しながら歩くということは、万が一の窮地に陥らないための基本。せっかくの地図とコンパス、「ザックの肥やし」はナシです。
 登山口から花畑までの樹林帯は、3mの小さな雪渓が1箇所残るのみ。これもじきに消えそうで、特に問題はないでしょう。

【開花状況】(ガレ場下)ミヤマキンバイ○、コケモモ↑、エゾイソツツジ↑/(ガレ場)イワウメ○、ミネズオウ○、エゾオヤマノエンドウ○/(山頂)ホソバウルップソウ○、イワウメ○、ミヤマキンバイ○、エゾオヤマノエンドウ○

写真:第一花畑 7/2

ヒメウスバシロチョウ

大雪山であこがれの高山蝶といえば、まず浮かぶのはウスバキチョウ。この時季は、コマクサ平や稜線上で、羽化したばかりの成虫をしばしば見かけるようになります。
 一方、山麓部では、ウスバキチョウと同じアゲハ蝶の仲間の「ヒメウスバシロチョウ」の成虫が6月頃から出現しています。ウスバ‘黄’に対して、ウスバ‘白’。清楚なイメージの蝶です。日本では北海道だけに分布しています。

 写真:ヒメウスバシロチョウ
      (層雲峡 7/1)