緑岳のようす

 緑岳山頂から白雲岳避難小屋コース上では、チシマギキョウの大きな株が道沿いの至る所で見ることができ、花の少なくなったこの時期としては数少ないおすすめの花コースのひとつとなっています。

【開花状況】
(緑岳第1花畑)ミヤマリンドウ○、ヨツバシオガマ○、チングルマ(雪解けの遅いところでは一部群生)/(第2花畑)アオノツガザクラ↑、エゾコザクラ ○、ミヤマキンバイ○、チングルマ○/(緑岳山頂)タカネツメクサ↓、エゾツツジ↓、チシマギキョウ○、イワブクロ↓/(白雲小屋)ウサギギク○、ヨツバシオガマ↓、ダイセツトリカブト↑、チシマギキョウ○、クモイリンドウ蕾

【雪渓状況】
緑岳第1花畑に約20mほどが残るのみとなりました。

写真:緑岳山頂稜線に咲くチシマギキョウ(7/28)

“季節は””青””へ”

“ 黒岳へむかう途中のリフトから空一面に広がったウロコ雲が目に入りました。空気は爽やかで空は高く、山には一足先に秋が来ているようです。歩いていて目に留まるのはやはり青い花。ダイセツトリカブト・イワギキョウ・ミヤマリンドウはそろそろ見頃です。””青””が主役になるのは、季節が夏から秋へとむかっている証拠。空の青と花の青、空模様と花模様がみごとにシンクロしている今日の大雪山でした。

[開花状況]
(北海平)イワギキョウ↑、ミヤマリンドウ◯、ヒメイワタデ◯、エゾヒメクワガタ◯、イワブクロ↓、チシマツガザクラ↓、ハクサンボウフウ↓
(小泉平~赤岳)ヒメイワタデ◯、エゾツツジ◯、ミヤマリンドウ↑、リシリリンドウ↑、チシマギキョウ↑、イワギキョウ↑チシマツガザクラ◯
(第三・第四雪渓)ミヤマリンドウ↑、イワギキョウ↑、ヨツバシオガマ↓、エゾヒメクワガタ↓、ハクサンボウフウ↓

写真:早咲きの大スター・チョウノスケソウと遅咲きの貴婦人・リシリリンドウのツーショット。両方いっしょに見れるのはこの時期のみ(小泉平・7/29)。”

“最後の””春”””

“ ほとんどのコースで登山道上の残雪がなくなったこの時期、最後まで残っているのが赤岳第二雪渓。のこりわずか20メートル弱とはいえ、下りで疲れた足では踏ん張りも利かず、転倒することも……。気をつけるにこしたことはありません。雪解けの遅い雪渓周辺にはまだ春の花が咲いています。最後の””春””を楽しみたい方はお早めに。

[開花状況]
(コマクサ平)ウメバチソウ↑、イワブクロ↓、コマクサ↓、チシマツガザクラ◯
(第二雪渓)ウサギギク◯、ジムカデ◯、アオノツガザクラ↑、コガネギク↑、エゾコザクラ↓、エゾヒメクワガタ↓、チングルマ↓、ハクサンボウフウ↓
(第一花園)ウサギギク↑、コガネギク↑、アオノツガザクラ↓、エゾヒメクワガタ↓、カラマツソウ◯、チングルマ↓、ハクサンボウフウ↓

写真:赤岳第二雪渓(7/29)”

花もまばらに・・・

 下界はまだまだ夏景色ですが、山の上ではそろそろ秋の気配がしてきました。日差しは強くても吹く風はひんやりと乾き、足元の花もミヤマリンドウやイワギキョウなどが多くなり夏から秋の花への移行期となってきました。

【開花状況】
(黒岳9合目)ダイセツトリカブト↑、チシマノキンバイソウ↓/(黒岳山頂)イワギキョウ○、コマクサ↓、エゾツツジ↓、チシマツガザクラ↓、イワブクロ↓/(黒岳石室)ミヤマリンドウ○、コガネギク○

写真:羽毛状になったチングルマ(黒岳石室周辺・7/28)

エゾツツジ満開

 山の上で、今もっとも旬な花のひとつはエゾツツジです。黒岳山頂や小泉平の風衝地の斜面で群生して咲いています。特に黒岳周辺のエゾツツジは去年よりも数が多く、見ごたえがありますが、少し花の痛みが目立つようになってきています。

 写真:黒岳山頂(7/20)