黒岳定点観測登山

毎年、7月の三連休中日は紅葉期を除けばいちばん登山客で賑わう日。ロープウェイには長蛇の列ができて、山頂は満員御礼・・のはずなのですが・・・。こう雨続きでは、春蝉からバトンタッチしたはずのコエゾゼミも鳴けず、6月以来出番の増えた合羽は濡れっぱなしです。昨日は観察講座「黒岳定点観測登山」の第2回目を実施しました。稜線の高山植物たちも随分と雨に叩かれたのでしょう。傷んだ花弁が多く、見ていてちょっと痛々しい。けれど、多雨による開花時期への影響はあまり見られず、今のところ例年との大きなずれはないようです。開花期の次は受粉・結実期を迎えて行きますが、高山植物には受粉を虫に頼っているタイプのものが多く、天候不順により訪虫率が下がると受粉・結実への影響も考えられます。今後も第3回・4回と観測登山を実施し、観察していく予定です。観察会に興味のある方は、どうぞお気軽にセンターまでお問合せ下さい。【黒岳登山道状況】(7合目)10m弱の雪渓一ヶ所残る。堅く転倒注意(赤石川)雨の為増水。ふくらはぎまで水が被る(7/18)【開花状況】(8~9合目)ウコンウツギ○、カラマツソウ○、チシマノキンバイソウ○、トカチフウロ○、ハクサンチドリ○、ミヤマキンポウゲ○/(山頂~ポン黒岳)コマクサ○、エゾツツジ咲き初め↑、イワブクロ↑/(石室周辺)チングルマ○、エゾノツガザクラ○、ヨツバシオガマ↑

ハート、ハート、ハート・・・

目下‘ハート’溢れるコマクサ平。
 コマクサが満開です。

 (コマクサの花って、ピンクのハートに見えませんか?)

【赤岳コース 雪渓状況】(第1花園)20~30mの雪渓3ヶ所トラバース(第2花園)緩斜面に110m(奥の平) 緩斜面に10mと20m(第3雪渓)下部緩斜面に75m、上部斜面に60m(第4雪渓)緩斜面に30m、2ヶ所

【赤岳コース 開花状況】(第1花園)エゾコザクラ↑/(第2花園)キバナシャクナゲ↑、エゾコザクラ↑/(コマクサ平)コマクサ見頃○、イワブクロ○、タカネオミナエシ ○/(第3雪渓)ジンヨウキスミレ○/(第4雪渓)キバナシャクナゲ○、エゾノハクサンイチゲ○、エゾコザクラ○、エゾノツガザクラ○、チングルマ ○/(山頂)タカネスミレ○、メアカンキンバイ○、エゾタカネツメクサ○、キバナシオガマ○、チョウノスケソウ↓

写真:満開のコマクサ(コマクサ平 7/17)

黒岳9合目の花状況

小雨が降る中、雪解けが随分と進んだ黒岳9合目まで登るとウコンウツギの花が斜面を覆うように咲き、その足元にはミヤマキンポウゲやチシマノキンバイソウが添うように咲いていました。そろそろこの辺りも花の最盛期を迎えそうです。

【開花状況】(黒岳9合目)ウコンウツギ○、チシマノキンバイソウ○、ミヤマキンポウゲ○、カラマツソウ○、トカチフウロ○、ハクサンチドリ○/(黒岳山頂~ポン黒)コマクサ○、イワヒゲ○、タカネスミレ○、メアカンキンバイ↓、ヒメイソツツジ○/(石室)エゾノツガザクラ○、チングルマ○、エゾコザクラ ○、キバナシャクナゲ↓

【登山道上の雪渓状況】(黒岳7合目)約9、21、4mが残っています。(黒岳8合目)登山道上は消失。(石室~赤石川)約40m。赤石川の石組みの橋は出てきましたが、川の水量が多いので渡渉の際は慎重に渡ってください。(赤石川~北海岳登山口)約40、36、124mが残っています。

写真:黒岳山頂直下 (7/11)

赤石川

北海沢の徒渉点は今日現在、雪渓に覆われており、雪の上を歩いて対岸に渡るようにルートが付けられています。一方、赤石川にはスノーブリッジが架かっており、上流側からブリッジが崩壊ししつつあり、崩落部の縁を回って歩くようにルートがつけられています。天候によってはここ数日で崩落する可能性がありますので、ご注意を。

写真:赤石川徒渉点に架かるスノーブリッジ

キバナシャクナゲ群生

黒岳石室周辺では、雪解けしたばかりの草地でキバナシャクナゲが群生していました。これから徐々に雪解けが進んだところでは、このような光景が至るところで見られるようになりそうです。

【開花状況】(黒岳9合目)カラマツソウ○、ハクサンチドリ○、ミヤマキンポウゲ○、クロユリ○、ウコンウツギ○/(山頂~ポン黒)メアカンキンバイ ○、イワウメ○、コマクサ○、ミヤマキンバイ↓、エゾツツジ蕾/(石室)キバナシャクナゲ○、エゾコザクラ○、エゾツガザクラ○、チングルマ○

【登山道上の雪渓状況】(黒岳7合目)約12、73、20、3mと4つに分断されて残っています。(黒岳8合目)約3、7、6mと3つに分断され残っています。*雪質はかたく縁側が氷になっているので、かなり滑りやすい状態です。

写真:黒岳石室周辺のキバナシャクナゲ (7/6)