知床連山

昨日、晴れ間を縫って黒岳へ上がりました。すでに先発隊の足跡が付けられていたので、その分稼ぐことが出来たとはいえ、膝上までの吹き溜まりラッセル当たり前、アイスバーンの斜面ありで、慎重に進みました。
 山頂からは羅臼岳を始めとする知床連山がはっきり見えました。条件が良ければ望むことはできるのですが、こんなに近くに見えたのは初めてです。よほど空気が澄んでいたのでしょう。
 ところで、遠くのものが近くに見えるときは天気は下り坂といいます。気圧の谷が接近してくると、大気の状態が不安定になって大気の対流が起こります。その為、溜まっていた靄などが拡散されて薄くなり、視界が利くようになるからです。
 ポン黒岳からのっぺりと雪を被った北鎮岳を見渡すと、眼下に石室の屋根が小さく見えました。山頂から稜線一帯はアイスバーン状態でガッチガチ。北鎮岳まで一気に行けそうな錯覚を起こします。けれど、天候の悪化は証明済み。頭上にはいかにも怪しい高層雲が広がり始めました。知床連峰をお土産に、雲ノ平で引き返すことにしました。

 写真:知床連山(右端が羅臼岳、左端が硫黄山)
                 12/26

続・テンが来た

夕方仕事から帰り、家の除雪を済ませくつろいでいると、ガサゴソと何かが壁を伝うような音が聞こえてきました。屋根の雪が落ちてきたのか、それともノネズミかと別に気にも留めなかったのですが、翌日その正体が明らかになり思いがけず興奮しました。
 やはり同じような時間帯でした。今度はガリガリと玄関のドアを引っ掻くような音がするので、不思議に思い灯りを点けるとそこにいたのはエゾクロテン。 「!!!」 窓の外と内で目が合い、テンはちょこんと後肢で立ち上がると素早く走り去ってしまいました。
 エゾクロテンは樹に依存した生活をし、北海道の森林に広く生息しますが、用心深く滅多に人前に姿を見せることはありません。その為、生態や行動についてまだわからないことが多く、謎めいた動物です。足跡は森を縫うようにしてそこかしこに見つけられるのに、姿は見えない。だから余計に会いたい。そう、テンはそんないきものなのです。
 おまけがもうひとつ。夜中、布団に入り眠りこけていると、またもやガサゴソ動き回る音がします。寝ぼけ眼で目をやると、窓枠にテンが座っているではありませんか。でもここは2階。垂直な壁をどうやって登ってこれたものかとびっくりしましたが、木登りの得意なテンのことですからこれくらいはお手の物なのでしょう。翌朝庭はテンの足跡でいっぱいでした。

写真:エゾクロテン(12/22)

キャンドル作り

今日は層雲峡子供会のクリスマスパーティーが開かれ、センターでクリスマスキャンドル作りを行いました。今回はパラフィンをお菓子の型に流し込んで作ったものと、蜜蝋を使ったものと2種類を作成しました。蜜蝋のほうは、溶かした蜜蝋に芯となる紐を繰り返し浸し、好みの太さにしていくのですが、十人十色、それぞれ個性があってとても味わいがあります。なかにはまるでエビフライのようなものも・・・。蜜蝋の甘い匂いが漂う賑やかなひとときでした。

写真:蜜蝋キャンドル(12/19)

エゾモモンガの・・・

 通い慣れた場所なのに、雪の下の笹がバネのように跳ね上がり、思うように進めません。そんな苦労をしても訪ねたのはエゾモモンガの棲む森です。夏の間は笹藪に阻まれ、到底訪ねることはできません。今回は8ヶ月ぶりの訪問です。エゾモモンガは今年もここに棲んでいるだろうか?ドキドキしながらトドマツの樹の下を探すと、糸のこぎりのような細かい齧り痕の付いた葉がたくさん落ちていました。エゾモモンガ特有の食痕です。居た居た・・・。思わず顔に笑みが浮かびます。
 積雪期はエゾモモンガの存在を知るにはうってつけの季節です。雪の上に、樹の芽やトドマツの葉が不自然なほどに沢山落ちていたら、それはエゾモモンガの食事痕かもしれません。また、樹の幹や周りに残された米粒のような彼等の糞は、白い雪の上でよく目立ちます。たとえ姿が見えなくても、痕跡を見つけただけで喜びは十分です。想像する楽しさがあるからです。

 1月から冬の観察会、スノーシュートレッキングが始まります。観察会ではこうした動物たちの痕跡も探します。皆様のご参加お待ちしております。

 写真:エゾモモンガのトドマツの食痕(層雲峡 12/16)

氷瀑

氷点下20℃にシバレた朝、層雲峡の名瀑布、流星の滝と銀河の滝もシバレていました。
 どれが滝?と思われるかもしれませんが、右のV字から流れ落ちているのが流星の滝、左のV字から流れ落ちているの銀河の滝です。銀河の滝はほぼ結氷。流星の滝は水量が多い為、真冬でも全面結氷することはなく、その周りだけが凍ります。売店の後ろから双瀑台へ上がる遊歩道があり、ここから両方の滝を一緒に望むことができ、なかなか迫力があります。
 ふたつの滝は大雪山に源を発します。真冬の大雪山は時に氷点下30℃を超えるほどの寒さになります。全てが凍りつくような雪と氷の世界の中で、川は生き物のようにとうとうと流れ続けます。そして、それが一滴の雪解け水から始まると思うと、私にとっては気が遠くなるようなことで、またひとつ自然の仕事に感嘆するのでした。

写真:銀河、流星の滝(後ろに黒岳)12/11