エゾトリカブト

 雨の合間に森の散策路を歩いていると、道沿いに覆いかぶさるようにエゾトリカブトが群生していました。花に興味のない人でも、トリカブトは知っているのではないでしょうか。
そうあの花です。トリカブトについては毒草という認識ばかりが強調されていますが、近付いてみると何と清楚な花なのでしょう。気持ちがすーっと抜けるような感覚になり、前かがみのまま近づきすぎてしまいました。それにしても本当にきれいな花だなーと感じながらも、少し後ずさりしている自分がいました。花の為にも自分の為にも、くれぐれも近づき過ぎないよう適度な距離で楽しむ事をオススメします。

写真:エゾトリカブト(8/29 層雲峡・紅葉谷)

黒岳のウラシマツツジは見頃です

 黒岳山頂から石室周辺では、ウラシマツツジの草紅葉が見頃となりました。全体的には、まだ4~6割の色づき程度ですが、今週末ぐらいには、赤岳、緑岳の稜線でもウラシマツツジの草紅葉が見頃になると思われます。(黒岳周辺のウラジロナナカマドの紅葉は1割ほどです。)

写真:ウラシマツツジと黒岳石室(ポン黒岳から)

日本一早い紅葉始まりました

 山ではここ数日間、寒気の影響で最低気温が0℃近くまで下がり、水場周辺では初氷や霜柱が記録されました。気温の低下にともない緑岳周辺の沢筋ではウラジロナナカマドがうっすらと色づいてきました。今のところ1~2割程度の色づきですが、今後の気温しだいではずいぶんと進むこともありますので8月とはいえ気が抜けなくなってきました。

*白雲岳避難小屋の水は日中でも流れが少なくなり、今後は水の確保が困難になると思われます。

写真:色づき始めたウラジロナナカマド(緑岳中腹部)

山の水場

 山から下山してきて最初に受けた電話の問い合わせが「黒岳石室では、まだ水は取れますか」でした。例年だと、黒岳周辺で8月中旬から水の心配をする必要などあまりなかったのですが、今年に関して言えば8月17日の現時点で、昨年の9月上旬よりも雪渓の量が少ないという状況ですので心配にもなります。
 今のところ黒岳石室、白雲岳避難小屋の水場は問題なく確保できますが、9月になるとかなり厳しくなると思われますので、これから縦走や小屋利用を予定されている方は、事前に各関係機関等に問い合わせしてから登山されるようにしてください。

*白雲岳避難小屋周辺の水場では、特に早朝の水の確保が厳しくなっているので、水はできるだけ前日に確保するようにしてください。

写真:黒岳石室の水場雪渓(8/17)

秋深まる

 立秋を過ぎて山ではいちだんと秋が深まってきています。緑岳の稜線ではイワギキョウやミヤマリンドウなどの青い花が勢いを弱め、クモイリンドウが咲いてきました。白雲小屋ではきのうの最低気温が4℃、裏旭キャンプ指定地では薄氷が張ったようです。下界はまだまだ夏ですが、山へ入るときには防寒対策もシッカリと!

[開花状況]
(緑岳稜線)
イワギキョウ↓、ミヤマリンドウ↓
(白雲小屋周辺)
クモイリンドウ◯、イブキトラノオ◯
ダイセツトリカブト◯

写真:岩陰で羽をひろげるカラフトルリシジミ(緑岳斜面)。