北海沢

北海岳や北鎮岳の窪地にはまだ先日の雪が残っています。雪が降って、山頂部の紅葉はさすがにくすんで来たと思っていましたが、北海岳側の紅葉はなかなか鮮やかなものでした。例年風向きの影響か、雲ノ平方面よりもやや遅れて色づいてきます。チングルマも風車の綿毛を付けて草紅葉。足下に濃密な紅が広がります。
 紅葉は黒岳4合目までおりてきました。登山道から見下ろす7・8合目、今見頃です。

秋を感じるものといえば?

それは、大胆に林道の真ん中を占拠していたのでした。
 コクワの実がいっぱいにちりばめられたそれは、ちょっと手前からもヒグマの糞とすぐわかります。キツネもコクワを食べますが、この大容量です。ヒグマ以外にありえません。
 ヒグマは雑食性で、食べ物はコクワ、ドングリ、ヤマブドウ、セリ科植物の根、フキ、蟻、蜂、鮭、エゾシカなど多岐に渡ります。めぐる季節に糞の内容も変わり、コクワやドングリ、ヤマブドウなどが混じるようになると、嗚呼秋だなあとヒグマの糞を突付いている自分。私にとって、これが秋を知らせる暦のひとつです。

写真:コクワの実が未消化のままのヒグマの糞
  (ヒグマは腸が短い為、植物の消化率が悪いのです)

                層雲峡 9/16

紅葉狩り日和

雨上がりの朝、始発のバスで銀泉台へ。昨日の雨のおかげで林道は砂埃も立たず、心地よく揺れる車内。終点に近づくと、見上げる斜面には紅く色づいたナナカマドが広がり、乗客からは「おオッー」と歓声があがります。
 バスを降りて一段高い台地に立つと、緑の地に紅く色づいた木々が映え、青く澄んだ秋の空。一足先に色づいた箇所では、若干葉が落ちてきているように見えますが、全体としては見頃といっていいでしょう。
 ここのところ、朝晩はかなり冷え込んできているので、紅葉狩りにお出かけの際には温かい服装で!

写真:銀泉台第一花園(9月14日)

雨のち雪

今日の層雲峡は朝から雨で、山の上もみぞれ交じりの雨でした。
これからの時期、平野部は雨でも山は雪の可能性があるので気象予報を十分確認の上、登山されるようにしてください。

写真:黒岳石室周辺の紅葉と冠雪した北鎮岳 9/12

初冠雪

雪化粧した山肌が麓からもはっきりと見え、本日初冠雪が観測されました。参考までに昨年は9月24日でした。
 ところで今年の初雪は9日でしたが、必ずしも初雪イコール初冠雪となるわけではありません。まず冠雪とは、麓から見て、山頂が積雪で白く見えることをいい、寒候期に初めて見えた冠雪が初冠雪となります。ですから、初雪が降っても、その後天気が悪くて麓から山が観測できなければ初冠雪とはなりません。(参考/気象科学事典)

 今日は北鎮岳まで足を延ばしました。雲ノ平から北鎮岳にかけては場所によって20cmの積雪がありましたが、驚いたのは、えっ!?そんな格好でここまで着たの?とあきれるくらいの軽装登山者が多かった事。夏山ではありません。山はそうそう優しい顔を見せてはくれません。
 北鎮岳の山頂からお鉢平を見渡しました。紅葉一変。ありったけの紅や橙を振りまいていた稜線が、わずか二夜にしてこの雪景色です。

写真:北鎮岳山頂よりお鉢平方面を望む
   (中央奥は白雲岳 9/12)