小屋閉め

山の頂がまた白くなりました。黒岳石室は今日で小屋閉めです。明日からは無人の避難小屋になります。6月初め、屋根の下まで雪に埋もれていたのが、ついこの間のような気もするし、随分前だったような気もします。
 紅葉も山麓部へと下りて来ました。5合目展望台から望む黒岳は気持ち良いくらい葉を落とし、樹木の褐色の枝が複雑に伸びている様も面白いものです。見頃は3合目から4合目付近。ロープウェイの車窓から見下ろすと、ダケカンバで埋め尽くされた森林に黄葉が広がります。嗚呼、その奥行きに吸い込まれてしまいそう。

写真:黒岳5合目下(9/27)

雪虫

仕事を終え、センターを出ると雪虫が飛んでいました。
 おしりに白い綿のような分泌物を付け、飛んでいるというよりも、ゆるゆると上下に移動しながら浮遊しているという感じです。秋は何かとしみじみするような事象も多く、紅葉見てはしみじみ、山に初雪降ってしみじみ、そして雪虫を見てはまたしみじみ。でも雪虫にしみじみしてしまうのは、冬の長い北国ならではかもしれません。雪虫が舞うようになると、「いよいよ雪も近いのかしらねぇ」とご近所さんと井戸端話が始まります。
 「雪虫」はアブラムシの一種で、正式名称「トドノネオオワタムシ」など複数種があります。ヤチダモとトドマツを季節的に行き来しながら世代交代をし、晩秋に見られるのは産卵の為にトドマツからヤチダモを目指し結婚飛行する成虫たちの姿です。そして「雪虫が飛ぶと初雪が近い」とも言われます。さて冬の使者様、今年の初雪はいつごろになるでしょう?

写真:雪虫(層雲峡 9/24)

緑岳第2花畑

今朝の層雲峡の最低気温は0℃。麓の路草にも真っ白な霜が降りました。この冷え込みの影響で葉の離層が随分すすんだようです。袖が触れたとたん、カサコソと音を立てて葉が舞い落ちます。落葉樹たちには、来る冬に備え、身を守るために葉を落とすという目的があります。紅葉はその過程にひとつに過ぎません。それがわかっていても、名残惜しいとつい思ってしまう。
 緑岳。ガレ場のたすきは色をなくし、代わりにダケカンバの黄色が裾野に向かって広がります。花畑を縁取るナナカマドはまだ見頃で、チングルマは紅い絨毯をいっぱいに広げていました。

 写真:緑岳第2花畑のチングルマ紅葉(9/21)

高原温泉沼めぐり

行列の末、辿り着いた滝見沼。
 目の前に広がる景色に周囲の歓声が止みません。すっかり見頃になりました。昨年より紅が出て、今年はなかなか華やかです。
 樹林帯のミネカエデも黄色く色づき、「あれよあれよという間に」という印象なのでした。

写真:滝見沼(9/20)

第1花園

昨日もテレビのニュースで大雪山の紅葉が放送されていたと登山者がバスの中で話していたので聞いていると、「層雲峡の紅葉もいいみたいよ」というガセネタを聞いてしまったので、眠たい目を擦りながら「層雲峡はまだですよ」と話しに割って入るはめに・・・
 大雪山の2000m付近の山頂稜線は、先日の降雪で落葉も目立つようになりましたが、部分的にはまだ多くの紅葉ポイントがあり楽しむことが出来ます。層雲峡周辺では赤岳第1花園、黒岳7合目などは、いま最も見頃な紅葉ポイントといえます。紅葉は毎日の天候や気温で随分と左右されますので今現在見頃の場所には早めに行かれることをオススメします。

写真:銀泉台第1花園 (9月18日)