ミヤママタタビの宣伝効果


 黒岳ロープウェイに乗っていると、「あれは花ですか?」とよく質問されます。指差す先には、緑の中で一際目立つ大輪の白い花・・ではなく白い葉っぱ。ミヤママタタビです。
 花をつけるこの季節、枝先の葉に白い斑が入り、遠くからでもとても目立つようになります。もちろん本当の花もちゃんと咲いています。でも葉陰になって目立たない。これでは受粉を手伝ってくれる虫たちが来てくれないかも。そこで樹は考えた。葉っぱを白くして宣伝しよう・・・。
 花が終わる頃には、白かった葉っぱは綺麗なピンクに染まり、またこれを見て「あれは花ですか?」と質問されること度々。虫だけでなく人も見間違えてしまうのだから、宣伝効果は大成功?

 写真:ミヤママタタビ(雄花)
       層雲峡 6/24

山麓トレッキング


 昨日は天気予報が良いほうに外れ、時おり日がさす登山日和のなか、高原温泉沼巡りコースでビジターセンター講座「山麓トレッキング」を行いました。講師は健康運動指導士で温泉入浴指導員のMさん。水分補給の仕方やストレッチング、行動食や食事のとり方、温泉を利用した整理運動まで、「目からウロコ」の半日でした。
 沼のコースはまだ大半が雪に覆われているので、トレッキングを楽しむには、長靴や登山靴+スパッツなど、足回りに注意が必要です。土俵沼下のショウコノ沢には急な雪渓が残っているので、ストックもお持ちになった方がいいかもしれません。コースを一周するばあい、最後の沼・空沼からの下りで沢の徒渉があります。水深は膝下くらいですが、自身のない方は、途中で引き返した方が無難でしょう。

写真:緑沼をバックにストレッチをする参加者

ミネズオウ満開


 黒岳も春です。
 黒岳山頂からポン黒岳に向かう稜線、ミネズオウが満開になっていました。この苺ミルク色、ちょっとおいしそう。そして目を引いたのがウラシマツツジ。もう稜線の奥までウラシマ、ウラシマ、ウラシマ・・・。一見地味目な花ですが、今年は花数が多く当たり年かも。
 とはいえ、山腹はまだまだ雪に覆われています。山頂直下の急斜面には130mの雪渓があり、雨で堅く締まっています。ここは滑落注意。(今日、パトロールの方が雪切り作業をしていました)9合目はそれ以外は登山道が出ています。7合目から8合目までは、ほぼ全面雪。ルートがわかりづらい時期です。装備はきちんと備えてください。

【開花状況】
(9合目)ショウジョウバカマ○、エゾイワハタザオ○、ジンヨウキスミレ↑、エゾノハクサンイチゲ↑/(山頂~ポン黒)コメバツガザクラ○、キバナシャクナゲ○、ウラシマツツジ○、ミネズオウ○、メアカンキンバイ↑、ミヤマキンバイ↑、イワウメ1つ2つ開花

写真:ミネズオウ/後ろは北鎮岳
     (ポン黒岳にて 6/15)

キバナシャクナゲも

(その2)

 

 
 雫が重そう。
 キバナシャクナゲも開花です。

 写真:(雲ノ平にて) 6/15

コウライテンナンショウ


 子供の頃は、親しみを込めて‘蛇の花’と呼んでいました。
 ヌゥ~っと鎌首を持ち上げたようなその姿は、林床の薄暗さも手伝ってかなり怪しいカンジ。いったいどこが花なのかよくわからないところや、頭の縦縞と偽茎の斑模様なんかも、好奇心をくすぐる存在だったわけです。
 そして自分にとってこの植物が再び脚光を浴びるようになったのは、栄養状態によって性転換を成し遂げるという衝撃的な事実を知ってから。そう、球根が太ると雌株に、やせると雄株になってしまうのです。
 センターの裏にも、こそっとコウライテンナンショウが育っています。まだまだ小さな雄株です。転換する日が楽しみです。

 写真:コウライテンナンショウ 6/13