緑岳雪渓状況


 樹林帯を登り花畑の台地へ出ると、そこから先は広大な一枚雪渓。第2花畑の先、エイコの沢崖付近まで、途切れなく続いています。平坦な雪渓なので滑落の心配はありませんが、同じような景色が続く為、視界が利かなくなると方向を見失いやすくなります。所々紅ガラの目印があるものの、真っ白なガスに巻かれれば、その目印さえも接近しないとわからないということもあります。
 先発の登山者のトレースをただ何気なく辿るのではなく、要所において自身が地図とコンパスで確認しながら歩くということは、万が一の窮地に陥らないための基本。せっかくの地図とコンパス、「ザックの肥やし」はナシです。
 登山口から花畑までの樹林帯は、3mの小さな雪渓が1箇所残るのみ。これもじきに消えそうで、特に問題はないでしょう。

【開花状況】(ガレ場下)ミヤマキンバイ○、コケモモ↑、エゾイソツツジ↑/(ガレ場)イワウメ○、ミネズオウ○、エゾオヤマノエンドウ○/(山頂)ホソバウルップソウ○、イワウメ○、ミヤマキンバイ○、エゾオヤマノエンドウ○

写真:第一花畑 7/2

ヒメウスバシロチョウ

大雪山であこがれの高山蝶といえば、まず浮かぶのはウスバキチョウ。この時季は、コマクサ平や稜線上で、羽化したばかりの成虫をしばしば見かけるようになります。
 一方、山麓部では、ウスバキチョウと同じアゲハ蝶の仲間の「ヒメウスバシロチョウ」の成虫が6月頃から出現しています。ウスバ‘黄’に対して、ウスバ‘白’。清楚なイメージの蝶です。日本では北海道だけに分布しています。

 写真:ヒメウスバシロチョウ
      (層雲峡 7/1)

フキ!

 


 ← 「今日の大物」
           
  高さ    180cm
  葉の最大幅 140cm
  茎の直径    6cm


 写真:アキタブキ 6/29
  (因みに左手に持っているのが普通サイズのフキ)

開花状況

(その2)赤岳~白雲小屋~黒岳の開花状況


 6月、晴れた日が少なく気温も上がらなかった為か、全体的に思ったほど開花が進んでいない印象を受けました。赤岳山頂のイワウメもまだぱらぱら。今後の行方は天候と雪解け次第。これからです!

 
 【赤岳】(コマクサ平)ミヤマキンバイ○、ミネズオウ○、イワウメ○、メアカンキンバイ↑、コマクサ蕾/(第4雪渓下)キバナシャクナゲ○、ミネズオウ ○、イワウメ↑、ミヤマキンバイ↑、コメバツガザクラ↓/(山頂~小泉平)ミヤマキンバイ○、ミネズオウ○、ウラシマツツジ○、チシマアマナ○、エゾオヤマノエンドウ↑、エゾコザクラ↑、ホソバウルップソウ蕾

【白雲小屋周辺】キバナシャクナゲ○、ミヤマキンバイ○、チシマアマナ○、エゾオヤマノエンドウ↑

【北海平】ミネズオウ○、キバナシャクナゲ○、エゾオヤマノエンドウ↑、イワウメ↑

【黒岳】(山頂~ポン黒岳)ミネズオウ○、コメバツガザクラ○、メアカンキンバイ○、ミヤマキンバイ○、イワウメ○、キバナシャクナゲ↓/(9合目)エゾノハクサンイチゲ○、ハクサンチドリ○、キバナノコマノツメ○、ミヤマキンポウゲ○、エゾイワハタザオ○、ジンヨウキスミレ


 写真:キバナシャクナゲ群落/北海平
              (6/25)

赤岳~白雲小屋~黒岳の雪渓状況


 昨日、銀泉台から黒岳へ縦走しました。
 まず迎えるは、銀泉台第一花園の300m以上の雪渓トラバース。この時期は毎度のことです。雪切りはされていますが、だから安心安全ということはありません。踏み外せば滑落の危険十分にあり。この日も、こっちが心配になるくらいおそるおそる歩いている登山者の姿が・・。その先も、第2花園、奥の平、第3雪渓、第4雪渓と雪渓箇所は続き、山頂までのルートはまだ半分以上が雪渓歩きとなります。雪渓はいずれも斜面(緩~急)についているので下山時は特に注意が必要です。
 白雲小屋周辺も積雪が多く、テントサイト・水場ともに雪の下。水場は管理人が掘り出してくれたので(2m近くも!)、水を採ることは可能です。白雲分岐先の花の沢周辺にも250mほどの雪渓があります。現在のところ、ルート旗等の目印はないので視界不良時は道迷いに注意を。
 黒岳は、いつもコワイ9合目の雪渓が消え、一安心。けれど7合目から8合目には、堅く締まった雪渓がまだ多く、実際歩いてみると、登山口からの見た感じ以上に、ほとんどが「雪」です。転倒して怪我する方も毎年います。装備と心構えはしっかりと。

 写真:白雲岳避難小屋水場/2m頑張りました!
                 (6/25)