大函トレッキング地質観察会の巻

今日は大函へスノーシュートレッキングに行ってきました。今回の講座では、大雪山の生い立ちと柱状節理の成因に迫りました。
 話は今から約3万年前のお鉢平大噴火に遡ります。層雲峡一帯には、噴火の際に大量の火山灰や軽石が降り積もり、その自らの自重により内部は溶岩のように溶けていき、やがて冷え固まっていきました。その際、内部に向かって収縮が起こり亀裂が入り、高さ200mもあろうかという、ちょうど六角形の鉛筆のような柱が出来上がりました。それを石狩川が約1万年の時をかけて削り上げ、今の大峡谷ができました・・・。
 と、駆け足で簡単に述べましたが、大函はその柱状節理の突端部に当り、石狩川が決壊する前の約3万年前以降には、大函の上流部には、滔々と水を湛えた古大雪湖があったそうです。それはいったいどんな姿だったのでしょうか!また、大函周辺の絶壁には、柱状節理の上部をかつて石狩川が流れていたという証である段丘砂礫層を見ることができます。
 さて、今回の観察会が遥か古(いにしえ)に思いを馳せ、想像力溢れる講座となったならば万々歳であります。(報告終わり)

写真:溶結凝灰岩にぶら下がる巨大つららに圧倒
                (2/14)

イイズナの穴?

立春が過ぎても雪は相変わらず容赦なく振り続き、少々悩みの種となっておりますが、陽が長くなってきたなあと感じる今日この頃です。特に夕方ですが、ちょっと前までは4時といえばもう薄暗くなってきたのに、最近は5時でもまだ視界が利きます。変わらないようでいても季節はゆっくりすすんでいるんだなぁ~と一筋の光が見えてくるような思いです。
 一瞬雪が止んだ隙に歩きに出かけました。道に沿うようにして、何か小動物の跳ねたような足跡がてんてんと続いていました。大きさとシャクトリムシの足運びのような特徴から、オコジョかイイズナかと思います。時々雪の穴の中に潜っては、また出てきてと繰り返しながら進んでいました。穴の大きさと農耕地という環境からイイズナ?のようです。
 イイズナはノネズミくらいの大きさで夏毛は下顎下面から胸腹部全面が白色で、そのほかは茶色になりますが、冬毛は全身真っ白になります。主として肉食で、ときには自分より大きなノウサギやカモなどを殺すこともあり、可愛い顔に似つかわずけっこうキカナイ動物なのです。

写真:イイズナの足跡と穴?(2/10)

冬のカワガラス

今日は節分です。暦の上では季節の変わり目で、冬と春の境目ということになります。でも現実は冬のいちばん盛んなとき。厳しい冷え込みが続いています。
 ところがこの寒さにもかかわらず、涼しい顔で石狩川で潜水している鳥がいます。それはカワガラス。ビッビビッと鳴きながら水面すれすれに低空飛行。岩の上に着地したかと思うとザブンと飛び込み、川底を歩きながら餌となる水生昆虫や小魚などを探します。尾羽の根元に油つぼがあり、それをくちばしでとって全身になすりつけているので、羽がぬれることはありません。
 この寒いのに・・・と見ているこちらが寒くなってしまいます。アイヌでは「ウォルン・カッケウ・カムイ」=「水中にいる・カッコウ・神」や「トシリ・ポクン・カムイ」=「川岸の下にいる神」などと呼ばれているそうです。

 写真:カワガラス(大函 2/3)

雪に埋もれる

さあ今日はどれくらい積もったか、朝起きてまず外を確認するのが日課となってしまいました。雪雪雪、そしてまた雪。天気予報は雪だるまばかりです。
 半ば雪に埋もれ、立派なエゾシカの角がありました。寿命か事故かそれとも餓死か?森の動物たちにとっても、こう毎日新雪がドッカリ降っては餌探しに歩き回るのも大変です。身軽なテンやウサギはまだしも、体の大きなエゾシカは大雪が命取りになってしまいます。冬の間の貴重な食糧となるササも雪の下に深く埋まってしまうし、そもそも深雪の中を歩き回ること自体が体力を消耗させます。大雪の年は餓死してしまうエゾシカも多いのです。

写真:雪に埋もれるエゾシカの角
           (1/30)

紅葉谷スノーシュートレッキング

温泉街に雨を降らせた先日の気まぐれ暖気はササッと過ぎ去り、後に残るはツルツル路面と重たくなった屋根の雪。層雲峡にはまたいつもの寒さが戻ってきました。
 今日は紅葉谷へスノーシュートレッキングに行ってきました。冷たい風がつむじを巻いて雪煙を蹴散らしていきます。コース入り口、エゾシカたちの休息の場となっている紅葉谷源泉地にはすでにエゾシカの姿はなく、寒さも甘んじ傾斜70度はあろうかという法面に立ち、わずかな枯れ草をむしるように食んでいました。そうそう、暖気のおかげでいい事もありました。雪が落ち着き締まってくれたので、スノーシューでも歩きやすくなりました。(若干?)
 さて温泉街では今日から層雲峡氷瀑祭りが開催されます。紅葉谷でも赤石川にレースのような芸術的な氷が張り、紅葉滝も氷瀑に変身しました。

写真:紅葉滝にできた飛沫氷柱(1/23)