山のいきものたち

6、7月の日照不足で下界の作物は、ずいぶんと被害が出ているようですが山の上はどうでしょうか。今のところナナカマドなどの実成りが悪いという話は出ていないので、例年並みという所でしょうか。
 しかし山の動物達の動きは、いつもと違うようで特にヒグマの目撃情報は黒岳、白雲岳、裾合平周辺など毎日のように聞かれます。元々山にいるのだから別に珍しいことではないのですが、やはり今年は例年よりも多く確認されています。ヒグマに限らず、今日は黒岳でもキタキツネ、シマリス、ナキウサギ、エゾライチョウなど、確かにいつもの時期よりも多くの動物が早くから活発に採餌行動をしているように見えました。単純ではありますが、このような行動から動物達は冬が早く訪れると感じているのではと勘ぐりたくなる程、本当によく見かけるようになりました。

写真:エゾシマリス (黒岳8合目 8/21)

山は秋の気配

小雨の降る中、黒岳に登って見ると周辺の花は、コガネギク、ウサギギク、チシマアザミ、ナガバキタアザミとキクとアザミが大半を占めるようになり、もはや秋の花一色。見れば花だけでなくハイオトギリ,ウラシマツツジなども葉が赤く色づき始め秋の気配。山頂~石室ではイワギキョウ以外はあまり見当たらず、花はほぼ終わり大雪山にもそろそろ紅葉の季節が感じられるようになってきました。

写真:ウラシマツツジ (黒岳石室周辺 8/15)

クモイリンドウ


 小泉平~白雲岳避難小屋周辺ではクモイリンドウの花が咲いてきました。まだ蕾も多く当分の間は楽しめそうです。稜線の花は、ほぼ終わってきましたが小屋周辺の湿地ではチシマノキンバイソウ、トカチフウロ、アオノツガザクラ、ヨツバシオガマなど小規模ですが群生していました。白雲岳避難小屋周辺では、まだ花のシーズンといえるぐらいの群生と種類があり、今日のコース中で一番見ごたえのあるポイントでした。

【ヒグマ情報】
 8月10、11日に白雲岳避難小屋周辺の登山道沿いで、親子グマが目撃されました。見通しのきかないところでは十分注意しながら通行してください。

写真:クモイリンドウ(白雲岳避難小屋 8/12)

高原温泉沼巡りコース一時閉鎖

8月7日高原温泉沼コースの大学沼周辺で登山者がヒグマと遭遇。音を出すなどしてヒグマを遠ざけようとしましたが無反応だった為、同町の関係機関は危険と判断し高原沼コースの一時閉鎖を決めました。
 大学沼周辺では7月下旬からヒグマの目撃情報が頻繁にあり、晴れていれば常に2~3頭が活動しています。今後の沼コース開放についてはヒグマの活動状況を十分検討して判断いたします。(問い合わせは上川町役場 01658-2-1211)

写真:ヒグマ出没注意の看板

浮島湿原

浮島湿原はアカエゾマツなどの針葉樹林に囲まれた標高約870mにある湿原で、周囲約3km、大小70以上の沼が点在する山地湿原です。花の時期としては6月~7月下旬という事もあり、この日の湿原コースで見られる花は随分と限られていましたが、長雨の影響なのかエゾノヒツジグサを見るには丁度良いタイミングでした。中にはまだ蕾のものも多かったので、ここ数日はまだ楽しめそうです。

【開花状況】
エゾノヒツジグサ○、トキソウ○、コガネギク○、タチキボウシ○~↓、ホソバノキソチドリ↓、モウセンゴケ、ツルリンドウ

写真:水面に映る雲とタチキボウシ(東大沼周辺の沼 8/8)