黒岳石室~雲の平

雲の平周辺の状況です。全体的にはお花のピークは過ぎてきました。但し、石室から向かう周辺では、写真の通りまだまだ群落が形成されている場所もあります。
 キバナシャクナゲ、エゾコザクラ、ミヤマキンバイ、ミネズオウウ、エゾノツガザクラ、チングルマなどが所狭しと競いあって咲いていました。お早目の山行をオススメします。

写真:黒岳石室から雲の平へ 7/14

ユニ石狩岳

登り約3時間程度で、途中、巣穴が多く残っている「鳴兎園」で、ナキウサギの姿を観賞しながら、岩や樹木が堆積している「大崩れ」「小崩れ」、ここを通過後、登山道に出る。

 お花も、ミヤマハンショウヅル、ヒメイソツツジ、ハクサンチドリなどが咲いており、飽きのないコース。やがて、円形の丘が見えてきますが、この丘が十石峠。ここからは、ニペソツ山をはじめ、ウペペサンケ山、クマネシリ山群などが望め、眼下には、樹海の広がりが素晴らしいです。

 さらに、十石峠から急登を、コマクサやエゾツツジ、イワブクロの小群落を楽しみながら、約1時間でユニ石狩岳へと到着になります。このコースは、お花も30種類以上あり、またナキウサギも時折みられ、十石峠・ユニ石狩岳からの山容も見ごたえがあります。

 途中、雪渓が中小に分断されて4箇所あり、雪渓の始まりと終わりは、若干凍りついているところもあり、要注意です。

【開花状況】
エゾノレイジンソウ、ギンリョウソウ、ヒメイチゲ、ウコンウツギ、ハクサンチドリ、イワブクロ、コマクサ、エゾツツジ等々

 写真:ユニ石狩岳へ 7/11

稜線の花は後半戦

 山の稜線では、花の種類が増え全体的に見ても最盛期を迎えているものが多くなっています。そんな中、黒岳山頂周辺で今もっとも旬の花がイワブクロです。エゾツツジやコマクサなども咲いていますが、両者ともイワブクロより早くから開花しているので、ここ数日前からは少しお疲れ気味になってきています。
 その稜線の花も、そろそろ後半戦ですのでまだお目当ての花を見ていないのであれば、早めの登山をオススメします。(前回も記載しましたが、黒岳、赤岳、緑岳の稜線に咲く花は例年より10日ほど開花が早いです。雪の多いところに咲くチングルマなどはこれから咲き始めます)

【開花状況・黒岳】チシマノキンバイソウ○、ウコンウツギ○、イワブクロ○、エゾツツジ○、チングルマ○、メアカンキンバイ○、キバナシャクナゲ○、コマクサ↓

【雪渓状況・黒岳】黒岳7合目~8合目に数ヶ所の雪渓が残る。特に8合目周辺に多く残り、いちばん長い雪渓で約35m程。どの雪渓も下山時は注意が必要です。

 写真:黒岳稜線に咲くイワブクロ 7/7

栄枯盛衰

“ コマクサ平を歩いていたときのこと。足下でパタパタと動くものに気がつきました。見ると””黒山の””蟻(ツヤクロヤマアリ?)にたかられ、振りほどこうと必死にあがいているウスバキチョウ。羽はすでにかなりすり切れていて、どうみても勝ち目はなさそうです。だけど、ときには体を反転させて、蟻の攻撃から逃れようと、最後の力を振り絞っています。やがて動かなくなり、蟻のエサになるのだろうけど、それでも生きようとするその姿に熱いものを感じました。小さな小さな、だけど、素晴らしい自然のドラマでした。

 写真:ウスバキチョウにたかる蟻(7月5日 コマクサ平)”

コマクサ はじめました

 やはり早いです。例年ならまだパセリのような葉っぱがポツリポツリと目立つだけのコマクサ平ですが、ことしはすでに見頃に入っています。薄紫のイワブクロ、黄色い花のキバナシオガマ、と、三色揃い踏みの様相を呈してきました。コマクサ平の花は七月初旬にしてすでに最盛期を迎えつつあります。

 【雪渓状況】
 登山口~第一花園~見晴し台:植物帯によって数個に分断されつつあるが、斜面の大半が雪で覆われる。長いトラバース四カ所あり。雪面の状況によっては滑落に注意が必要。
 第二花園・奥の平:全面雪で覆われる。
 第三雪渓・第四雪渓:上部で夏道が出はじめているが、ほぼ全面雪で覆われる。

 【開花状況】
 奥の平上:ジンヨウキスミレ↑
 コマクサ平:コマクサ↑ チシマキンレイカ○ イワブクロ○ キバナシオガマ○
 赤岳山頂付近:イワブクロ↑ チシマキンレイカ○ タカネスミレ↓ キバナシオガマ○ チョウノスケソウ↓

 写真:コマクサ(コマクサ平)