エゾモモンガの・・・

 通い慣れた場所なのに、雪の下の笹がバネのように跳ね上がり、思うように進めません。そんな苦労をしても訪ねたのはエゾモモンガの棲む森です。夏の間は笹藪に阻まれ、到底訪ねることはできません。今回は8ヶ月ぶりの訪問です。エゾモモンガは今年もここに棲んでいるだろうか?ドキドキしながらトドマツの樹の下を探すと、糸のこぎりのような細かい齧り痕の付いた葉がたくさん落ちていました。エゾモモンガ特有の食痕です。居た居た・・・。思わず顔に笑みが浮かびます。
 積雪期はエゾモモンガの存在を知るにはうってつけの季節です。雪の上に、樹の芽やトドマツの葉が不自然なほどに沢山落ちていたら、それはエゾモモンガの食事痕かもしれません。また、樹の幹や周りに残された米粒のような彼等の糞は、白い雪の上でよく目立ちます。たとえ姿が見えなくても、痕跡を見つけただけで喜びは十分です。想像する楽しさがあるからです。

 1月から冬の観察会、スノーシュートレッキングが始まります。観察会ではこうした動物たちの痕跡も探します。皆様のご参加お待ちしております。

 写真:エゾモモンガのトドマツの食痕(層雲峡 12/16)

氷瀑

氷点下20℃にシバレた朝、層雲峡の名瀑布、流星の滝と銀河の滝もシバレていました。
 どれが滝?と思われるかもしれませんが、右のV字から流れ落ちているのが流星の滝、左のV字から流れ落ちているの銀河の滝です。銀河の滝はほぼ結氷。流星の滝は水量が多い為、真冬でも全面結氷することはなく、その周りだけが凍ります。売店の後ろから双瀑台へ上がる遊歩道があり、ここから両方の滝を一緒に望むことができ、なかなか迫力があります。
 ふたつの滝は大雪山に源を発します。真冬の大雪山は時に氷点下30℃を超えるほどの寒さになります。全てが凍りつくような雪と氷の世界の中で、川は生き物のようにとうとうと流れ続けます。そして、それが一滴の雪解け水から始まると思うと、私にとっては気が遠くなるようなことで、またひとつ自然の仕事に感嘆するのでした。

写真:銀河、流星の滝(後ろに黒岳)12/11

テンが来た

時々、閉館後のセンターを訪ねてくるお客様がいます。昨晩は裏山からエゾクロテンが遊びにやって来ました。足跡は建物をぐるっと周り、表玄関の前で行ったり来たり。パカッと開いた5本の指跡、軽いフットワークはテンに間違いありません。
 ただ残念なことに、主に夜行性のテンは、日の明るい間はめったに人前に顔を出してくれません。出会えたらラッキー!でも、どうしても会いたいというならば方法はあります。単純なことです。眠らずに一晩中窓の外をにらんでいればいいのです。ただ少しばかりの根気が必要ですが・・・。

写真:エゾクロテンの走行足跡(12/10)

雨 降る

朝から町は雨。たぶん層雲峡も雪は積もっていないだろうと甘く見たのが大間違いでした。出勤してびっくり。玄関が激しい吹き溜まりですっかり埋まっているではありませんか。しかも投げるにも難儀なべとべと雪です。除雪に1時間を要してしまいました。ただスキー場にとってはいい降雪となったようです。ロープウェイの駐車場は満車。今日も朝から大勢のスキーヤー達が新雪を楽しんでいました。
 午後は気温が上がり、層雲峡でも一時雨になりました。昨日の冷え込みが嘘のようです。19℃の温度差に体が追いつきません。凍り付いていたツルウメモドキの実も、今日は滴をぽたぽたと落としていました。

写真:ツルウメモドキの実(層雲峡 12/6)

霜凪

しんと冷たく静まり返った昨日の月夜は、絶好の霜日和を想像させてくれました。こんな日は霜凪(しもなぎ)という言葉がぴったりです。まるでおとぎの国にいるみたい~とロマンチックな気分にどっぷり浸かりつつも、流れる鼻水は凍りそう。寒い寒い。今朝はマイナス19℃まで下がりました。

写真:ススキの穂についた霜の華(12/5)