紅葉谷スノーシュートレッキング

温泉街に雨を降らせた先日の気まぐれ暖気はササッと過ぎ去り、後に残るはツルツル路面と重たくなった屋根の雪。層雲峡にはまたいつもの寒さが戻ってきました。
 今日は紅葉谷へスノーシュートレッキングに行ってきました。冷たい風がつむじを巻いて雪煙を蹴散らしていきます。コース入り口、エゾシカたちの休息の場となっている紅葉谷源泉地にはすでにエゾシカの姿はなく、寒さも甘んじ傾斜70度はあろうかという法面に立ち、わずかな枯れ草をむしるように食んでいました。そうそう、暖気のおかげでいい事もありました。雪が落ち着き締まってくれたので、スノーシューでも歩きやすくなりました。(若干?)
 さて温泉街では今日から層雲峡氷瀑祭りが開催されます。紅葉谷でも赤石川にレースのような芸術的な氷が張り、紅葉滝も氷瀑に変身しました。

写真:紅葉滝にできた飛沫氷柱(1/23)

南風のいたずら

樹々がぐわ~んぐわ~んと音を立てて揺れています。
 今朝は南風が強く入り込んだ為に気温が上がりました。最低気温も2℃とプラスに転じ、現在は雨が降っています。ただ近頃は1月2月の厳冬期でも雨が降ったりすることがあるのでそうびっくりもしなくなってしまいました。
 さてこの南風で雪が緩んだおかげで、面白いものを見つけました。平地にたくさん小さな雪まくりが転がっていました。雪まくりについては以前も何度か紹介しましたが、斜面や枝などから雪隗が落下し、それが芯となって転がりながら雪を集めて大きくなっていった雪球のことです。ちょうど雪だるまを作るときに雪を転がしながら作るのを想像して下さい。
 雪まくりは、大抵は斜面を転がりながら出来るので、崖下などで春先に目にしますが、ときに斜度のない平地でも出来ることがあります。強い風が雪面の表層部を剥ぎ取り、剥がれた雪片が風に押されて転がりながら大きくなっていくのです。なんと斜面を上っている雪まくりもありました。南風のちょっとしたいたずらです。

写真:平地に出来た雪まくり(上川 1/20)

タヌキ寝入り

仕事帰りに車を走らせていると、細い脇道から突然何か茶色い丸っこいものが飛び出してきました。よくよく見ればそれはタヌキで、むこうも相当驚いた様子で、くるっと振り返ると一目散に逃げ出しました。しかも車と同じ方向に道路を走る走る走る。追いかけるつもりはなくても必然的に追いかける形になってしまいます。早く道を反れて林に逃げ込んでくれればいいのに。でも足の短いタヌキは雪の中を歩くのが得意ではありません。林に逃げて雪を漕ぐよりも、走りやすい道路をとっさに選んだのでしょう。結局1キロほど全力疾走したタヌキは、観念したように道路に蹲(うずく)まり動かなくなってしまいました。もしやこれが、かのタヌキ寝入り?
 しばらくすると、ハッと我に返ったタヌキは猛ダッシュで逃げていったのですが、相当体力を消耗したに違いありません。あとで大丈夫だろうかと心配になってしまいました。

写真:エゾタヌキ (1/16 上川)
 北海道にいるのはエゾタヌキ。冬眠はしないが、冬は活動が低下し巣穴で眠っていることが多くなる。

オオアカゲラ

キツツキに軒下の壁に穴を開けられてしまいました。穴を開けられるのは困るなあと呟きながらも、あの赤い頭を見たらどうしたって怒れないのです・・・。

写真:オオアカゲラ 1/13

空に現る二重大雪

 昨日の午後2時過ぎに珍しい現象を観察しました。
 黒岳のシルエットが上空の雲に映し出され、黒岳の上に重なるようにして巨大な影が浮かんで見えます。富士山ではこの現象を二重富士と呼んでいますから、ここでは二重大雪とでも言いましょうか。
 これは、夕日と山と観測者の3つが一直線に並ぶ時に見られる珍しい現象です。夕日というには早かったものの、ちょうど黒岳の後ろ側に太陽が沈み、薄くかかった雲がスクリーンの役目を果たすという条件が揃い観測することが出来ました。影は30分ほどすると雲の流れと共に、徐々に形を崩し消えていきました。

写真:中央奥が黒岳、右隣が桂月岳。
  上空には黒岳と桂月岳の巨大な影が並んで見える。
          (1/8 層雲峡園地より撮影)