大樹

 観察講座「上川十六景を歩く」で大雪原生林へ行ってきました。ここは、とくに石狩川源流地域の森林に壊滅的被害を与えた昭和29年の洞爺丸台風(なんと2本に1本が倒れる割合!)をまぬがれて、いまも原始の姿をとどめる貴重な森です。
 みんなで樹の大きさを測ってみました。周囲は大人2人で抱えても手が届きません。高さは37メートル(おおよその数字ですが)!みんながこびとになった素晴らしい一日でした。

季節はずれの。

 朝、寝ぼけまなこの枕元にカサコソ歩くカメムシと目が合いました。「クサイ臭い攻撃」をされないように丁重に指ではじき、顔を上げれば小さな蛾がハタハタと鱗粉をばらまいていました。そうか、もう啓蟄も過ぎたんだなあと春を感じた朝。
 紅葉谷に季節はずれのセミの抜け殻がありました。夏から一冬越えてしがみ付いていた相当粘り強い抜け殻です。

ヒメネズミ

 ちょっとの間、縁あってビジターセンターに保護されることとなりました。ヒメネズミ(命名・ガンバ)です。
 ドブネズミなどの家ネズミではなく、野に暮らす野ネズミです。野ネズミの分類でポイントになるのが尻尾の長さ。かの有名なミッキーマウスは尻尾の長い仲間のアカネズミ類、そして尻尾の短いハタネズミ類があります。ガンバは尻尾の長いアカネズミ類。特に小型で木登りも得意。
 一般的世間のイメージとはかけ離れ、とても可愛いネズミです。

大荒れの一日

 日曜日夜半より上川では初雨が降りました。明けて翌朝、雨は氷になり、おかげで町中いたるところに天然スケート場が出現。車も人も犬もツルツル路面にみんなおそるおそる。
 森の中にいても風の唸る音が鳴り止まず、ああ今日はもう帰ろうかと踵を返した顔先に触れたのは、枝先でぶんぶん揺れる黄緑色のウスタビガの繭。抜け殻でも美しい、その色、そのフォルムは一匹の蛾が作った芸術品。見つけると、ちょっと、いえいえかなり嬉しい気持ちになるのです。

 「顔」を見つけました。羊の顔風。
これはオニグルミの冬芽です。葉が落ちた痕(葉痕)が顔に見えます。他の植物の冬芽や葉痕にもいろんな表情があるので、ぜひ観察してみてください。