黒岳の山開き

 今日は黒岳の山開きです。昨日まで降り続いていた長雨の景色とは打って変わって登山日和の快晴。早朝から日差しも強く、ちょっと眩し過ぎるぐらいです。けれども、生育期間の限られた高山の植物にとっては待ちに待った太陽の光です。
 8合目から9合目の登山道沿いでは、少しずつ少しずつ小さな花たちが咲き始め、まだ雪の残る山頂直下ではエゾノハクサンイチゲが谷間を見下ろすように咲いています。この白い花を見ると登山の季節が始まるのだなあと毎年のように思うのです。
 写真:エゾノハクサンイチゲ(黒岳9合目)
 
 【登山道の様子】早朝からのカンカン照りと20℃を越す気温に雪渓から雪解け水が流れ、道はドロンコ状態。足元装備万全に。8合目までは雪渓多し。8合目から山頂は残雪少ないが雪解け水で歩きづらく滑りやすいので注意。

 【黒岳開花状況】
(山頂)イワウメ、メアカンキンバイ、ミヤマキンバイ、エゾコザクラ、ミネズオウ/(9合目)エゾノハクサンイチゲ、キバナノコマノツメ、ジンヨウキスミレ、エゾイワハタザオ

春のユキウサギは

 雲ノ平でエゾユキウサギに出会いました。ユキウサギは冬は保護色で雪のように真っ白なのですが、夏は雪がないので地面のように茶色く毛変りします。
 ではその中間の春、ユキウサギは何色?
こたえ・まだらの灰色をしています。そして困ったことに、白から茶への移行途中の今頃は、雪面でも地面でも中途半端に目立ってしまい、外敵に襲われやすくなってしまいます。
 ピンと耳を立ててじ~っとしているウサギに、そ~っとカメラを向けて一枚カシャッ。途端、走り去るウサギ。これがホント「脱兎の如く」なのでした。
 (写真:6/20雲ノ平にて)

緑岳の恒例

 今日は緑岳へ。高原温泉から急登の続く樹林帯は、ところどころ雪が残る程度で随分とけていました。急登を抜ければ、第一花畑。第一花畑から第二花畑の先まで延々と続く広大な雪渓は毎年恒例の風景です。この雪がとけるまでは花畑にはなりません。今年はそんなに雪の量は多くないようですが・・。
 山頂はミヤマキンバイやエゾコザクラ、エゾオヤマノエンドウが咲いてだんだん賑やかになってきました。
 そしてもうひとつ、ガレ場から伸びる沢筋をまっすぐ下るヒグマの足跡がありました。これも恒例の風景?

イワウメ開花

 黒岳の山頂や雲ノ平でイワウメが開花しました。といっても最初の花が咲き始めたばかりで、ほとんどが蕾です。もう少し咲きそろうのは週の後半ごろでしょうか。
 雲ノ平のハイマツの裾を飾るキバナシャクナゲは今年はひかえめな感じがします。それぞれの花には主役の年とそうでない年があって、それはキバナシャクナゲだったり、イワヒゲだったりいろいろです。ちなみに昨年はイワウメが大当たり。地味な花にだって主役の年がやってきます。はて今年は何がくるのか楽しみです。
 今日は大雪山で高山蝶パトロールが行われました。コマクサ平では羽化したばかりのウスバキチョウがひらりひらり。成虫は3年目のこの時期、ミネズオウやイワウメが咲くのを待つかのように羽化します。早く羽化しても花が咲いていなかったらお腹がすいてしまいますからね。

 【黒岳周辺開花状況】
(9合目)ジンヨウキスミレ開花、エゾイワハタザオ、ショウジョウバカマ/(山頂~雲ノ平)キバナシャクナゲ、ミネズオウ、ウラシマツツジ、コメバツガザクラ、ミヤマキンバイ、イワウメ(花と蕾)

白雲小屋のようす

 写真の真ん中あたり、小高い丘の上の小さな四角が白雲小屋です。後ろに遥かなる高根ヶ原が続いています。
 小屋の管理人さんが先日1.5m(!)も掘って水脈を出してくれたので水が取れるようになりました。(煮沸利用ですが)トイレも2つ使用できます。使用済みペーパーは各自持ち帰るようお願いします。テント場はまだ雪の下で出ていませんでした。白雲分岐から白雲小屋への下りの雪渓は視界が利かないときは要注意。
 5月、白雲岳の噴火口に現れた幻の湖は跡形もなく消え、雪をこんもり抱えた白雲岳だけが静かに鎮座しているのでありました。そして「カッコウ~カッコウ~」の声がなんとものんきな一日。