黒岳のようす

 数日ぶりに天気が回復しました。昨日までの冷たい雨は山ではうっすら雪になり黒岳は樹氷に覆われました。
 10日前、頭だけ出ていた9合目の標識が全部出ました。1mほど雪解けがすすんだことになります。雪解けが遅れているという印象はリセットして、例年並に追いついてきたようです。山頂直下の登山道のカーブも出始めました。とはいえ、7合目からずっと雪渓です。特に下りはちょっと足がすくむような雪渓がはるか下の谷間に続いています。
 山頂・稜線ではガンコウランやコメバツガザクラが少し咲き始めています。例年5月末ぐらいから咲く花たちですが、今年は低温だった影響のせいか、まだほとんどがつぼみでした。これから天気が良ければ2、3日で開花がすすむかもしれませんが。
 今日は黒岳でナキウサギが鳴いていました。
 
 (写真は黒岳9合目)

春のセミ

 昨日の早朝、羽化したばかりのセミがいました。左側に抜け殻、右側に成虫がとまっています。セミといえば夏のイメージですが、じつはこの季節から現れるセミもいます。北海道ではエゾハルゼミが6月頃から鳴き始めます。ミョーキン・ミョーキン・ケケケケ・・・と風情のある鳴き方をします。
 幼虫時代の長い地中生活を経て成虫になり、地上に出てからはその命を次世代につなげると役目を終えてしまいます。何年も地面の中にいたのに、空を飛べるセミになったらわずかな間しかいられないセミですが、長い幼虫の時代こそが生活環の中心と考えれば、成虫の姿は繁殖のためのかたちにすぎなく、繁殖が成功すればそれでよいという生き方をセミは選んだということでしょうか。考えてみれば植物にもそんな生き方をするものがたくさんありますね。

幻の湖

 新緑の層雲峡です。山の方でもそれなりに雪解けがすすんでいるようです。
 写真は昨日の白雲岳です。そこには湖が広がっていました。5月の中旬頃、山の雪解けがすすむと白雲岳の旧噴火口に一時的に「幻の湖」が出現します。期間限定なので「まぼろし」です。なぜ突然現れるのか?そしてなぜ消えてしまうのかというと・・。
 白雲岳旧噴火口は冬の間、地中深くまで凍結しています。(深いところで20数mまで!)春先になり、周りからの雪解け水が流れ込んできますが、凍結した地面はちょうど器の役目になり、そこに水が溜まり湖が出来ます。しかししばらくすると凍結していた地面がとけ始め、自然に水も地下へと吸い込まれ湖は姿を消してしまいます。その年によっても多少時期がずれるので、苦労して行ってもないかもしれない、そいう意味でも幻なのかもしれません。
 黒岳は9合目の標識の頭が出てきました。5月の気温の上昇のせいか、ここに関しては例年並のようです。ただ、風向きによって積もり方も違うのでまだ一概にいうのは難しいです。今後の気温によってどんどん変わっていくので開花もそれ次第ということになります。また新しい情報を載せていきますのでどうぞご覧ください。

カッコウのお告げ

  おとといカッコウが鳴きました。「もう畑に種をまいてもいいよ」とやっとカッコウのお許しが出て、上川公園のエゾヤマザクラも見頃になりました。

三国山へ

 センターの温度計がついに20℃を指すようになり、おお~っ!と感心。カツラの樹が赤く萌え始め、遠くからでも目立つようになりました。カツラやカエデなどは新緑のほんの始まりの頃はまるで紅葉するかのように赤みを帯びていますが、それは若いうちは葉緑体がまだ十分に発達していないからだそうです。層雲峡の谷間ももうしばらくすると山全体が赤く萌えるようになります。
 先日、三国山方面へ行ってきました。今はまだ登山道は出ていませんが雪が締まっていたのでつぼ足で歩くことが出来ました。三国山の名の由来は石狩、十勝、北見の3つの国を分けることによります。そして日本海、太平洋、オホーツクを分ける分水嶺があることで知られています。
 写真は三国山近くの稜線から分水嶺の尾根(左端)と三国山(その隣)を撮影したものです。天気がよければ大雪山、石狩連峰、ニペソツ山などパノラマで眺めることが出来ます。