タカネシオガマ観察会

 昨日は、自然観察講座「花講座(2)タカネシオガマ」で平山を訪れました。
 タカネシオガマは忠別岳の周辺などで生育していますが、高根ヶ原から北部の表大雪山では見られない花です。そして、高山植物にはめずらしく一年草です。大雪山では生育可能な期間はたった3ヶ月程度。その短い間に種から発芽して、咲いて実を結んですべて枯れてしまうのです。翌年はまた新しい種からスタート。いちから始めるのはとても大変なことだと思うのですが!
 じつはカヤツリグサの仲間の根から栄養をもらう半寄生植物。高山で一年草というすごわざもそのおかげかも?と一同感心。植物のしくみには本当に、オソレイリマス。

緑岳の花畑

 *訂正とお詫び
 すみません!「赤岳のようす」の日付を間違えました。写真撮影日は21日でした。お詫びいたします。

 今日は花畑まで雪渓と開花状況の偵察に。第一花畑の緩い斜面にはまだ雪渓が大きくのっていて、歩道にも50m以上かかっています。(目検討ですが)第二花畑はもうすっかり雪渓がとけていました。そしてその先の崖周辺はまだ雪渓が多いのですが、分断されて、雪渓・歩道・雪渓・歩道・雪渓・・という状態。
 花は第一花畑でエゾコザクラとチングルマが遠めに小さな群落をつくっています。第二花畑でもエゾコザクラが咲き始め、小さな蕾のこどもたちが水滴をたくさんつけていました。チングルマはまだこれからです。今は静かな「はじまり」のエネルギーでいっぱい。
 
 写真:エゾコザクラ(第二花畑)

キバナシオガマ

 今日も雨!降ったり止んだりの思わせぶりな天気です。雨に疲れて、山頂の花もすすけたように元気がありませんでした。黒岳のエゾツツジは、例年ならちょうど綺麗に咲いている頃なのですが・・。
 北海岳の直下の雪解けの遅い雪田地帯はようやく春を迎え、チングルマやツガザクラなど様々な花が咲き始めていました。山の上ではいつもいろんな季節が混在しています。
 なだらかに続く北海平、今日のような雨降りにはキバナシオガマの黄色が鮮やかに見えます。日本では大雪山のみに生育している花です。

【黒岳開花状況】
(9合目)チシマノキンバイソウ○、ウコンウツギ○、トカチフウロ○、ハクサンチドリ↓/(山頂)エゾツツジ(↓・蕾もある)、コマクサ、イワブクロ、チシマキンレイカ○/(赤石川~北海沢周辺)アオノツガザクラ○、エゾコザクラ、エゾノツガザクラ、チングルマ↓

赤岳のようす

 写真は20日の第三雪渓です。登山道は、ここ数日間の雨で第一花園~第二花園の間が雪解け水と雨水でぬかるんでいます。

【雪渓状況】
 第一花園 3m程度
 第二花園 100m程度
 奥の平 30m程度
 第三雪渓・第四雪渓の登山道上にはありません。

【開花状況】
(第二花園)エゾコザクラ○、チングルマ○、エゾイソツツジ/(コマクサ平)コマクサ○、イワブクロ○、エゾツツジ、チシマノキンレイカ○/(第三~第四雪渓)キバナシャクナゲ○、エゾコサクラ○、ヨツバシオガマ○、エゾヒメクワガタ○、チングルマ○、エゾノツガザクラ○、アオノツガザクラ↑/(山頂~小泉岳周辺)チシマキンレイカ、キバナシオガマ↓、エゾタカネツメクサ、エゾイワツメクサ、エゾツツジ、リシリリンドウ(開花、蕾)
 花はこれからの第一花園、第二花園とは対照的に、稜線の花はすでに夏も終盤。ちょうど移行期で、ちょっと間が抜けた感じです。しばらくするとリンドウなど青い花の季節がやってきます。

ギンリョウソウ

 雨は今日も一日中降ったり止んだり。紅葉谷を歩いていると、樹も草もみんな、ぽたんぽたんと雨垂れを落としています。
 薄暗い林床で、落ち葉の陰に隠れるようにひっそり咲く白い小さな花を見つけました。
 名前はギンリョウソウといいます。白いのは葉緑素を持たないから。自分で養分をつくらず、菌類を介して栄養をとる腐生植物です。漢名は銀竜草。銀色の竜の姿に見えるところから名づけられたそうです。別名は他にもあって、薄暗い場所というシチュエーション、透き通ったその白い姿から幽霊茸とも呼ばれています。けれど、雨に濡れた姿は緑の森に映え、銀色に輝くドレスを着た貴婦人のようでした。