観天望気

 昨日の北海道新聞に羊蹄山に現れた見事な笠雲が紹介されていましたが、今朝負けじと(?)大雪山にも美しい笠雲が現れました。ただ写真の腕前未熟なためその見事ぶりが十分に収められなく非常に残念です。
ではここで雲のかんたん解説コーナー。
 笠雲はレンズ雲という雲の一種で、山頂付近に笠のようにかかる雲です。山裾からの風に吹き上げられた湿った空気が斜面にそって上昇し、山頂付近で含まれていた水蒸気が雲粒となって現れます。富士山に笠雲がかかれば雨」ということわざがあるように悪天を告げる雲です。実際4時間も経たないうちに層雲峡に雨が降り出しました。さすが的中率80%!
 (参考文献「雲・空」山と渓谷社)

ミズバショウ前線その2

 ミズバショウ前線もやっと層雲峡に近づいてきました。清川のミズバショウ園はまだ雪が多く散策路(木道)が出ていませんが、雪解け水が流れているところではミズバショウの小さな頭が出始めています。しかし!昨日はなかったはずのチョキの足跡が現場に。そして食べられた無残な痕が!さては脱兎の如くピョンピョン走り去ったあのシカのご一行が・・。リュウキンカに続き、またもやシカに先を越されてしまいました。
 ところでミズバショウには有毒な成分が含まれているのですがシカにとってはどうやらナンノソノのようです。

リュウキンカ

 あまりにも用心深い層雲峡の春!降り積もった雪の除雪作業から始まる一日です。春の先っぽを捕まえたと思っても、するりとかわされてしまう。フキノトウの芽吹きも遅れている層雲峡です。
 町のほうではリュウキンカの花が咲きました。別の場所で、花が咲くのを今か今かと楽しみにしていたらシカに食べられてしまいました。今年は道路沿いや周辺の山に出てきているシカが多いようです。厳冬からの体力の消耗は今がピークで、わずかな樹皮を食べて飢えをしのんでいます。シカたちにとっては緑の芽吹きを遅らせる春の雪はまさに最期の試練です。春を待ちわびる人間の想いとは何と隔たりがあることでしょう。

キムン・カムイの目覚め

 昨日の黒岳です。
 9合目に山を下るヒグマの足跡がありました。写真左側の帯状の影は人間の足跡ですが、写真中央(やや下より)から右下隅に丸く2つあるのがクマの足跡です。(小さくて非常にわかりにくいと思いますが)
 冬眠から覚めたキムン・カムイ(山の神)はあちこち偵察して黒岳の様子を見に来たようです。山はまだ雪の支配下。いきものの営みも眠ったように静かです。

雪さくら

 昨日の雨が層雲峡では夕方から雪になり、一夜明けて今朝、見渡す限り桜のような雪の花が咲きました。けれど命の短い雪のこと、はかなく陽光に消えゆくは諸行無常の定めなり。
 雪の桜に春を想ったのかどうか、層雲峡ではホオジロが初鳴きをしました。耳を傾けてみて下さい。「一筆啓上仕り候~」と聞こえてきませんか?