赤岳のようす

 雪解けが随分すすんだ黒岳と比べると、赤岳はコースの3分の1ほどがまだ雪に覆われています。第一花園、第二花園、奥の平、第三雪渓、第四雪渓の主な斜面はすべて雪渓!第一花園は歩きやすいように雪切りされていますが、斜めの雪渓を長く横切って行かなければならないので注意が必要です。じつは雪渓の縁が氷のようにツルツル固くなって滑りやすくなるのは、雪解けがすすむこれからです。
 雪渓と雪渓のあいだの登山道沿いではキバナシャクナゲやイワウメなど咲いていますが、全体としては花はまだ準備中です。コマクサ平のコマクサもピンク色の蕾をにゅ~っと持ち上げているところ。山頂、ブルブル風に揺さぶられるウルップソウが3日前よりちょっと大きくなって咲いていました。
 (写真:赤岳第一花園)
 
 *赤岳登山バスが今日から運行されます。(7/1~9/30)昨年と時刻が変わっていますのでご注意ください。時刻表はホームページ、トップ画面の「アクセス」から検索できます。

ホソバウルップソウ

 小泉平でホソバウルップソウが咲き始めました。
 今はまだ背も小さくて、やっと下から花びらが開き始めたところですが、7月初旬頃にはニョキニョキと稜線から伸びる青い花が見られそうです。
 ホソバウルップソウが咲く頃は、小泉平の荒涼とした砂礫地がいちばん多彩に華やぐときです。堰を切ったように花が咲き始め、白、黄色、紫・・それは正真正銘天上の花畑に。
 そして、石と砂ばかりの大地から、こんなにもたくさんの色彩といのちが生まれるということが、本当に不思議でならないのです。

 【開花状況】
(緑岳山頂)イワウメ見頃、ミヤマキンバイ、エゾオヤマノエンドウ/(小泉岳周辺)イワウメ、エゾオヤマノエンドウ、ミヤマキンバイ、チシマアマナ、ホソバウルップソウ蕾・開花始め/(白雲岳周辺)キバナシャクナゲ、イワウメ、エゾコザクラ、ジムカデ

黒岳の山開き

 今日は黒岳の山開きです。昨日まで降り続いていた長雨の景色とは打って変わって登山日和の快晴。早朝から日差しも強く、ちょっと眩し過ぎるぐらいです。けれども、生育期間の限られた高山の植物にとっては待ちに待った太陽の光です。
 8合目から9合目の登山道沿いでは、少しずつ少しずつ小さな花たちが咲き始め、まだ雪の残る山頂直下ではエゾノハクサンイチゲが谷間を見下ろすように咲いています。この白い花を見ると登山の季節が始まるのだなあと毎年のように思うのです。
 写真:エゾノハクサンイチゲ(黒岳9合目)
 
 【登山道の様子】早朝からのカンカン照りと20℃を越す気温に雪渓から雪解け水が流れ、道はドロンコ状態。足元装備万全に。8合目までは雪渓多し。8合目から山頂は残雪少ないが雪解け水で歩きづらく滑りやすいので注意。

 【黒岳開花状況】
(山頂)イワウメ、メアカンキンバイ、ミヤマキンバイ、エゾコザクラ、ミネズオウ/(9合目)エゾノハクサンイチゲ、キバナノコマノツメ、ジンヨウキスミレ、エゾイワハタザオ

春のユキウサギは

 雲ノ平でエゾユキウサギに出会いました。ユキウサギは冬は保護色で雪のように真っ白なのですが、夏は雪がないので地面のように茶色く毛変りします。
 ではその中間の春、ユキウサギは何色?
こたえ・まだらの灰色をしています。そして困ったことに、白から茶への移行途中の今頃は、雪面でも地面でも中途半端に目立ってしまい、外敵に襲われやすくなってしまいます。
 ピンと耳を立ててじ~っとしているウサギに、そ~っとカメラを向けて一枚カシャッ。途端、走り去るウサギ。これがホント「脱兎の如く」なのでした。
 (写真:6/20雲ノ平にて)

緑岳の恒例

 今日は緑岳へ。高原温泉から急登の続く樹林帯は、ところどころ雪が残る程度で随分とけていました。急登を抜ければ、第一花畑。第一花畑から第二花畑の先まで延々と続く広大な雪渓は毎年恒例の風景です。この雪がとけるまでは花畑にはなりません。今年はそんなに雪の量は多くないようですが・・。
 山頂はミヤマキンバイやエゾコザクラ、エゾオヤマノエンドウが咲いてだんだん賑やかになってきました。
 そしてもうひとつ、ガレ場から伸びる沢筋をまっすぐ下るヒグマの足跡がありました。これも恒例の風景?