イワウメ開花

 黒岳の山頂や雲ノ平でイワウメが開花しました。といっても最初の花が咲き始めたばかりで、ほとんどが蕾です。もう少し咲きそろうのは週の後半ごろでしょうか。
 雲ノ平のハイマツの裾を飾るキバナシャクナゲは今年はひかえめな感じがします。それぞれの花には主役の年とそうでない年があって、それはキバナシャクナゲだったり、イワヒゲだったりいろいろです。ちなみに昨年はイワウメが大当たり。地味な花にだって主役の年がやってきます。はて今年は何がくるのか楽しみです。
 今日は大雪山で高山蝶パトロールが行われました。コマクサ平では羽化したばかりのウスバキチョウがひらりひらり。成虫は3年目のこの時期、ミネズオウやイワウメが咲くのを待つかのように羽化します。早く羽化しても花が咲いていなかったらお腹がすいてしまいますからね。

 【黒岳周辺開花状況】
(9合目)ジンヨウキスミレ開花、エゾイワハタザオ、ショウジョウバカマ/(山頂~雲ノ平)キバナシャクナゲ、ミネズオウ、ウラシマツツジ、コメバツガザクラ、ミヤマキンバイ、イワウメ(花と蕾)

白雲小屋のようす

 写真の真ん中あたり、小高い丘の上の小さな四角が白雲小屋です。後ろに遥かなる高根ヶ原が続いています。
 小屋の管理人さんが先日1.5m(!)も掘って水脈を出してくれたので水が取れるようになりました。(煮沸利用ですが)トイレも2つ使用できます。使用済みペーパーは各自持ち帰るようお願いします。テント場はまだ雪の下で出ていませんでした。白雲分岐から白雲小屋への下りの雪渓は視界が利かないときは要注意。
 5月、白雲岳の噴火口に現れた幻の湖は跡形もなく消え、雪をこんもり抱えた白雲岳だけが静かに鎮座しているのでありました。そして「カッコウ~カッコウ~」の声がなんとものんきな一日。

雲ノ平へ

 5合目のロープウェイ駅舎に降り立つと、新緑のミヤマハンノキからシナモンを薄くしたような香りがふわ~っと漂ってきます。山の春のにおいです。
 とうとう黒岳7合目の標柱も頭を出しました。7合目から9合目までの登山道はまだ全部雪ですが、登山道の道筋が部分的に見えるようになってきました。山頂直下は相変わらずの雪の急斜面です。
 さて山の開花状況は・・。山頂はキバナシャクナゲとミネズオウが開花しました。雲ノ平でもキバナシャクナゲがいくつか咲き始めています。来週あたりは、もう少し全体的に咲きそうです。
 お鉢平の展望台で「今日は3時から雨の予報だよ」と話していたら、数分後に雨がポツポツ。うわ~とカッパを取り出しました。土曜日は山では雪になりました。この季節、まだまだ安心はできないのです。
 写真・ミネズオウ(雲ノ平)

山のスケジュール

 6月6日に黒岳5合目高松台のチシマザクラが開花しました。今はまだほとんどが蕾ですが、来週ぐらいには身頃になりそうとのことです。ちなみに昨年は6月7日の開花でした。昨年・今年と、例年に比べると少し遅れ気味のようです。
 黒岳は9合目の登山道の淵にショウジョウバカマが咲いています。山頂直下の登山道も雪が随分薄くなってきました。山頂ではコメバツガザクラが咲きそろい、ウラシマツツジも咲き出しました。(昨年は6/12ウラシツツジ開花)
 今のところ、山頂の開花状況は全体的に昨年よりやや早めか、同じくらいです。
 
 【山のスケジュール】
 *6月9日 高原温泉林道オープン
 *6月17日 白雲岳避難小屋有人管理(予定)
 *6月20日 銀泉台林道オープン
 *6月21日 黒岳石室・黒岳トイレ有人管理
 *6月25日 黒岳山開き 

浮島湿原へ

 昨日、講座「山麓トレッキング」で浮島湿原に行きました。登山シーズンを前に、基礎体力づくりと健康を考えての山の歩き方を学びました。途中の林道はちょうど新緑を迎え、清清しい一日。雪がようやくとけたばかりの枯れ色の湿原にはワタスゲの花が咲いていました。圧巻だったのはバケツをひっくりかえしたようなエゾアカガエルの卵隗。ゼリー状の卵には、ひとつずつ幼生が収まっていて細胞分裂の真っ最中。他にもヒメシャクナゲのピンクのつぼみやチングルマの小さな新芽など出ていて、浮島湿原はこれから季節おりおり花の季節を迎えます。