春のユキウサギは

 雲ノ平でエゾユキウサギに出会いました。ユキウサギは冬は保護色で雪のように真っ白なのですが、夏は雪がないので地面のように茶色く毛変りします。
 ではその中間の春、ユキウサギは何色?
こたえ・まだらの灰色をしています。そして困ったことに、白から茶への移行途中の今頃は、雪面でも地面でも中途半端に目立ってしまい、外敵に襲われやすくなってしまいます。
 ピンと耳を立ててじ~っとしているウサギに、そ~っとカメラを向けて一枚カシャッ。途端、走り去るウサギ。これがホント「脱兎の如く」なのでした。
 (写真:6/20雲ノ平にて)

緑岳の恒例

 今日は緑岳へ。高原温泉から急登の続く樹林帯は、ところどころ雪が残る程度で随分とけていました。急登を抜ければ、第一花畑。第一花畑から第二花畑の先まで延々と続く広大な雪渓は毎年恒例の風景です。この雪がとけるまでは花畑にはなりません。今年はそんなに雪の量は多くないようですが・・。
 山頂はミヤマキンバイやエゾコザクラ、エゾオヤマノエンドウが咲いてだんだん賑やかになってきました。
 そしてもうひとつ、ガレ場から伸びる沢筋をまっすぐ下るヒグマの足跡がありました。これも恒例の風景?

イワウメ開花

 黒岳の山頂や雲ノ平でイワウメが開花しました。といっても最初の花が咲き始めたばかりで、ほとんどが蕾です。もう少し咲きそろうのは週の後半ごろでしょうか。
 雲ノ平のハイマツの裾を飾るキバナシャクナゲは今年はひかえめな感じがします。それぞれの花には主役の年とそうでない年があって、それはキバナシャクナゲだったり、イワヒゲだったりいろいろです。ちなみに昨年はイワウメが大当たり。地味な花にだって主役の年がやってきます。はて今年は何がくるのか楽しみです。
 今日は大雪山で高山蝶パトロールが行われました。コマクサ平では羽化したばかりのウスバキチョウがひらりひらり。成虫は3年目のこの時期、ミネズオウやイワウメが咲くのを待つかのように羽化します。早く羽化しても花が咲いていなかったらお腹がすいてしまいますからね。

 【黒岳周辺開花状況】
(9合目)ジンヨウキスミレ開花、エゾイワハタザオ、ショウジョウバカマ/(山頂~雲ノ平)キバナシャクナゲ、ミネズオウ、ウラシマツツジ、コメバツガザクラ、ミヤマキンバイ、イワウメ(花と蕾)

白雲小屋のようす

 写真の真ん中あたり、小高い丘の上の小さな四角が白雲小屋です。後ろに遥かなる高根ヶ原が続いています。
 小屋の管理人さんが先日1.5m(!)も掘って水脈を出してくれたので水が取れるようになりました。(煮沸利用ですが)トイレも2つ使用できます。使用済みペーパーは各自持ち帰るようお願いします。テント場はまだ雪の下で出ていませんでした。白雲分岐から白雲小屋への下りの雪渓は視界が利かないときは要注意。
 5月、白雲岳の噴火口に現れた幻の湖は跡形もなく消え、雪をこんもり抱えた白雲岳だけが静かに鎮座しているのでありました。そして「カッコウ~カッコウ~」の声がなんとものんきな一日。

雲ノ平へ

 5合目のロープウェイ駅舎に降り立つと、新緑のミヤマハンノキからシナモンを薄くしたような香りがふわ~っと漂ってきます。山の春のにおいです。
 とうとう黒岳7合目の標柱も頭を出しました。7合目から9合目までの登山道はまだ全部雪ですが、登山道の道筋が部分的に見えるようになってきました。山頂直下は相変わらずの雪の急斜面です。
 さて山の開花状況は・・。山頂はキバナシャクナゲとミネズオウが開花しました。雲ノ平でもキバナシャクナゲがいくつか咲き始めています。来週あたりは、もう少し全体的に咲きそうです。
 お鉢平の展望台で「今日は3時から雨の予報だよ」と話していたら、数分後に雨がポツポツ。うわ~とカッパを取り出しました。土曜日は山では雪になりました。この季節、まだまだ安心はできないのです。
 写真・ミネズオウ(雲ノ平)