山みちで

 葉っぱの上のアマガエルをちょいちょいとつつきながら木陰涼しい山道を歩いていると、前方にてんこ盛りのヒグマのフンが。いちおう辺りをそろりと見回し、糞ウォッチング。中にはフキのような太い繊維質の草がびっしり詰まっています。色は、したてのフンは食べた草の緑色をしていますが、時間が経つと黒くなります。くさいにおいはしません。これから秋になってヒグマの大好きなヤマブドウやコクワが実ると、それを食べたフンはジャムのような甘酸っぱいにおいがします。フンにはそれら未消化の種がたくさん詰まっていて、食べた分は必然的にちゃんと種まきされるしくみに。
 すでにフンの上ではにおいを嗅ぎつけたアリや甲虫たちが格闘中。やはり自然のことに無駄のナシ。

クモイリンドウは

2006年8月6日(その2)

花がどんどん少なくなって種になりつつあるこの季節、山の夏を締めくくる花はクモイリンドウ。白雲小屋の前、もう咲いたかなと思ったら、昨日はまだ蕾でした。(昨年の開花は8月6日頃)
 いちばん最初に咲きそうな蕾に、予定日は明日あたりでしょうか?とお伺いをたてたところ、そのぷっくりとした膨らみ加減から明日もしくは間近と予想。全体としては今度の週末頃からかと。追ってまたご報告イタシマス。
 
 写真:白雲小屋前にて(8/5)

花畑のケキョ

 さて遅ればせながら、緑岳の第二花畑がチングルマの花畑になりました。ちょうどいい具合にウグイスがケキョケキョと鳴いて教えてくれました。

 写真:第二花畑(8/5)

【開花状況】
(第一~第二花畑)チングルマ○、エゾコザクラ、ミヤマキンバイ、ミヤマリンドウ、アオノツガザクラ↑(エイコの沢付近のアオノツガザクラ群落はまだ固く蕾)/(山頂~板垣分岐)チシマギキョウ、シロサマニヨモギ、チシマツガザクラ、ウスユキトウヒレン、クモマユキノシタ↓/(白雲小屋周辺)クモイリンドウ蕾、トカチフウロ、エゾタカネツメクサ↓、チシマノキンバイソウ↓、ミヤマリンドウ、チシマギキョウ

 【雪渓】
(第一花畑)40~50m
(板垣新道)中州で2つに分かれ、あわせて150m前後(ロープの目印あり)

雲井ヶ原湿原

 「雲海であってくれ~」の願い叶わず、やっぱり雨降り愛山渓。沼ノ平の予定を変更して雲井ヶ原湿原へ。
 ヒュッテからゆっくり歩いても20分くらいのところに雲井ヶ原湿原はあります。ひっそり小さな湿原ですが愛別岳の眺めは抜群で、湿原の植物に囲まれながらお茶なぞ飲んでのんびり。(注:蚊さえいなければ!)
 湿原はちょうど今タチギボウシが見頃です。トキソウも咲いていました。トキソウの名前はその美しい朱鷺色にちなんで。「朱鷺色」とは日本古来からの色の名前で、トキの風切羽の色のようなピンク色をいいます。なんとも優雅で気品ある呼び名です。
 
 写真:トキソウ

 【開花状況】
タチギボウシ○、トキソウ、オトギリソウ↓、ワタスゲ、ウメバチソウ↑、アリドオシラン、ヤマハハコ、コガネギク、チシマアザミ

チングルマの綿毛

 チングルマの花のあとに綿毛ができました。風車のように巻いた絹毛の根元には種があります。綿毛は、花のときのめしべが伸びたものです。種が熟す頃綿毛はもっとふわふわになって、ある日、風をつかんで飛んでいきます。

 写真:雲ノ平(8/1)