ギンリョウソウ

 雨は今日も一日中降ったり止んだり。紅葉谷を歩いていると、樹も草もみんな、ぽたんぽたんと雨垂れを落としています。
 薄暗い林床で、落ち葉の陰に隠れるようにひっそり咲く白い小さな花を見つけました。
 名前はギンリョウソウといいます。白いのは葉緑素を持たないから。自分で養分をつくらず、菌類を介して栄養をとる腐生植物です。漢名は銀竜草。銀色の竜の姿に見えるところから名づけられたそうです。別名は他にもあって、薄暗い場所というシチュエーション、透き通ったその白い姿から幽霊茸とも呼ばれています。けれど、雨に濡れた姿は緑の森に映え、銀色に輝くドレスを着た貴婦人のようでした。

平山へ

 一昨日の日曜日。天気は晴れ。平山登山口の駐車場にはすでに20台ほどの車の列。山頂までの登山道はずっと沢沿いに樹林帯を登って行きます。途中、滝は美しく気持ちよいのですが、そこは水辺の常、何せヤブ蚊が多く難儀。やがて第一雪渓に着きますが、雪渓はだいぶ後退していて登山道にかかるのは30mくらい。左斜め前方に登山道の入り口があるので見失わないように注意です。第二雪渓はもう登山道が出ていました。そこを上がれば高山帯に入り、イワブクロなどの高山植物が多くなってきます。
 稜線に出ると、ニセイカウシュッペ山や表大雪山系が一望できます。残念ながらこの日は大雪山は暗雲の中。けれど深く刻まれた渓谷は間近、迫力の景色でした。
 じつは平山は、生育する植物の種類が豊富な山です。写真は鋭峰を背に咲くコマクサです。ちょうど見頃でした。 

緑岳花畑の雪解け比較(15日)

 そして、これが昨日7月15日の第二花畑のようす。(撮影場所はほぼ同じ)雪渓がかなり後退しています。たった4日でこんなに変わってしまいました。あらためて自然の力に感嘆。
 気になったのは、雪解けでぬかるんだ歩道をさけて、植物帯の淵を歩いた踏み跡。これから芽吹こうとしていたチングルマやエゾコザクラが痛々しく踏まれてつぶれていました。山や花の美しさに触れたいと思ってここを訪れたはずが、自らそれを壊してしまっては矛盾していると思いませんか?

緑岳花畑の雪解け比較(11日)

 緑岳第二花畑の雪解けのすすみに驚きました。比べてみてください!
 これは7月11日の第二花畑のようす。

チシマノキンバイソウ

 安定しない空模様が続いています。今日も時折晴れ間が出るものの、上空には暗い雲が。
 連休初日です。本日満員御礼の黒岳。登山道、山頂までの雪はすっかり消えました。そして9合目のチシマノキンバイソウが見頃です。白い霧のなかにぼんやり映るウコンウツギも幻想的です。
 コマクサが見頃になった山頂は、エゾツツジが少し咲き始めています。全体的に咲いてくるのは来週中頃でしょうか。(お天気が肝心かなめ)
 赤石川は、蛇カゴ(組んだ石のこと)の下流側の雪渓の上を歩いて渡っていましたが、その雪渓も中心が窪んできて、ちょっと歩くには怖い感じです。蛇カゴの対岸にはまだ80cmほどの雪の段差がありましたが、巡視員の方の話しによると渡れるように雪切りをしてくださるとのことです。
 
 写真:チシマノキンバイソウ(9合目マネキ岩)

 【開花状況】
(9合目)チシマノキンバイソウ○、ウコンウツギ○、カラマツソウ、ハクサンチドリ、トカチフウロ(開花・蕾)、チシマヒョウタンボク↑、クロユリ↓/(山頂)コマクサ○、イワブクロ↑、エゾツツジ(開花・蕾)、イワヒゲ/(赤石川~北海沢)エゾノツガザクラ○、エゾコザクラ○、アオノツガザクラ開花はじめ、チングルマ、ジムカデ