ナキウサギ

 山でピチッ・ピチッとナキウサギが鳴いています。近くで鳴き声がしたらしばらく足を止めて、気長に気長に待っていれば、姿を見つけるのはそんなに難しいことではありません。
 大雪山では、そろそろナキウサギの保存食づくりの仕込みが始まっています。ナキウサギの保存食?
 ナキウサギは冬眠をしませんから、冬の間は夏から秋に貯えた植物の葉っぱなどを食べて過ごしています。そのため、今からせっせと葉っぱを集め、日の当たらない風通しのよい岩の隙間に運びます。それから乾燥させて干草にするのです。
 もし、岩の下に押し込むように葉っぱが積まれていたら、働き者のナキウサギの姿を想像してみてください。

クモイリンドウ咲きました

2006年8月10日(その2) 午後は雷雨に 

 立秋過ぎ、されどジリジリ暑い日が続いています。白雲小屋周辺や小泉平ではクモイリンドウが咲きました(8/6開花)。
 広大な大雪山の中でも小泉岳周辺は高山植物の種類がいちばん多いコース。クモイリンドウはその代表的な花のひとつで、姿清らか高嶺の花。まだ蕾も多く、今週末頃見頃になりそうです。

【開花状況】
(白雲岳避難小屋周辺)クモイリンドウ↑、チシマギキョウ↓、イワギキョウ○、ダイセツトリカブト↑、コガネギク↓、トカチフウロ

山みちで

 葉っぱの上のアマガエルをちょいちょいとつつきながら木陰涼しい山道を歩いていると、前方にてんこ盛りのヒグマのフンが。いちおう辺りをそろりと見回し、糞ウォッチング。中にはフキのような太い繊維質の草がびっしり詰まっています。色は、したてのフンは食べた草の緑色をしていますが、時間が経つと黒くなります。くさいにおいはしません。これから秋になってヒグマの大好きなヤマブドウやコクワが実ると、それを食べたフンはジャムのような甘酸っぱいにおいがします。フンにはそれら未消化の種がたくさん詰まっていて、食べた分は必然的にちゃんと種まきされるしくみに。
 すでにフンの上ではにおいを嗅ぎつけたアリや甲虫たちが格闘中。やはり自然のことに無駄のナシ。

クモイリンドウは

2006年8月6日(その2)

花がどんどん少なくなって種になりつつあるこの季節、山の夏を締めくくる花はクモイリンドウ。白雲小屋の前、もう咲いたかなと思ったら、昨日はまだ蕾でした。(昨年の開花は8月6日頃)
 いちばん最初に咲きそうな蕾に、予定日は明日あたりでしょうか?とお伺いをたてたところ、そのぷっくりとした膨らみ加減から明日もしくは間近と予想。全体としては今度の週末頃からかと。追ってまたご報告イタシマス。
 
 写真:白雲小屋前にて(8/5)

花畑のケキョ

 さて遅ればせながら、緑岳の第二花畑がチングルマの花畑になりました。ちょうどいい具合にウグイスがケキョケキョと鳴いて教えてくれました。

 写真:第二花畑(8/5)

【開花状況】
(第一~第二花畑)チングルマ○、エゾコザクラ、ミヤマキンバイ、ミヤマリンドウ、アオノツガザクラ↑(エイコの沢付近のアオノツガザクラ群落はまだ固く蕾)/(山頂~板垣分岐)チシマギキョウ、シロサマニヨモギ、チシマツガザクラ、ウスユキトウヒレン、クモマユキノシタ↓/(白雲小屋周辺)クモイリンドウ蕾、トカチフウロ、エゾタカネツメクサ↓、チシマノキンバイソウ↓、ミヤマリンドウ、チシマギキョウ

 【雪渓】
(第一花畑)40~50m
(板垣新道)中州で2つに分かれ、あわせて150m前後(ロープの目印あり)