エゾオヤマリンドウ

 エゾオヤマリンドウ咲く裾合平。トンボの一陣空を行き、しばし暑さも止息の竜胆紫。チングルマ綿毛の中で、キツネがうろうろ物色中。

 写真:エゾオヤマリンドウ(裾合平・8/21)

草紅葉は・・

 「いやあ~暑いですねえ。」が近頃のあいさつ。例年お盆を過ぎれば涼しい秋風が吹くところ、台風の影響で気圧配置が変わりムシムシと暑い日々。
 さて、暑い暑いとはいえ8月も下旬に突入し、そろそろ草紅葉の具合が気になる頃。8月末、大雪山の紅葉はウラシマツツジやヒメイワタデなどの草紅葉から始まります。そして今年の様子はどうかというと・・。
 今日も山の上、涼しいとは言い難く。けれど台風が離れてしまえば、追いやられていた秋が戻ってきます。そう、今暑いからといって今年の紅葉は遅いとは限らず。まだまだと思っていたのに何日かの冷え込みの後、急に色づき、あたふた山の上を東奔西走、これまで数知れず。
 現在、ポン黒岳や赤岳では、紅葉に向かって少し色変わり始めたウラシマツツジもあります(まだ一部ですが)。お鉢平の北鎮分岐から中岳の間ではヒメイワタデの草紅葉が始まってきたようです。
 8月末まであと一週間。コレバカリハ自然マカセ。

 写真:ちょっとだけ赤くウラシマツツジ(赤岳山頂)

虫こぶ

 林道にまだ青いヤマブドウの実がたくさんぶらさがっていました。今年は豊作のようです。そしてそのブドウの葉っぱの上に乗っていた紅い不思議なモノ。コレハナニ?
 これは「虫こぶ」といいます。細胞分裂中の植物の葉や芽を昆虫が食べることで、唾液中の化学物質が植物を刺激し、細胞が異常に増え過ぎたり肥大して虫こぶができます。またメスが植物に産卵するときに出す化学物質の刺激で虫こぶができる場合もあります。虫こぶは住居兼食糧庫で、中にはそれらの幼虫が棲んでいます。
 ちなみに、このヤマブドウに紅い虫こぶを作らせたのは「ブドウトックリタマバエ」というタマバエ。そして出来上がった作品(虫こぶ)名は「ヤマブドウハトックリフシ」といいます。
 不思議で綺麗でオモシロイ「虫こぶ観察」のススメ・です。

コエゾゼミ

 小雨の降る中、黒岳山頂に登り着くとジイーン、ジイーンとうるさいぐらいにコエゾゼミの鳴き響く声が聞こえてきました。
 コエゾゼミは平野部のセミなので本来は高山には生息していないのですが、上昇気流にでも乗って運ばれてきたのかもしれません。

 写真:コエゾゼミ(黒岳山頂)

【黒岳開花状況】
(八合目~山頂)コガネギク、ダイセツトリカブト、ウメバチソウ、ミヤマホツツジ

綿毛の頃

 夏と秋をわける秋雨前線が北海道に近づいて、今週はぐずついた空模様になりそうです。台風の行方も気になります。
 緑岳の花畑、チングルマは咲いたその花の数だけすっかり綿毛になり、さわさわと揺れる今時季の山の風景。第二花畑周辺のワタスゲも真っ白な綿毛をぽんぽんと広げています。風になでられちっともじっとしていません。チングルマの綿毛同様、実が熟すとふわふわと抜けて風にのって旅立ちます。
 出会い頭の花畑、エゾシカがぴょんと飛び出しました。夏毛の今は、背中にワタスゲのような白い斑紋があります。これがいわゆる鹿の子模様。夏の木漏れ日にうまく隠れる美しい保護色です。
 
 写真:ワタスゲ(第二花畑・8/15)

【緑岳開花状況】
(第一・第二花畑)エゾコザクラまだ群落で咲いています。ミヤマリンドウ、コガネギク、ハクサンボウフウ、チングルマ綿毛/(山頂)クモイリンドウ

*第一花畑の雪渓も歩道に残るのは4mくらいになりました。