季節はずれの。

 朝、寝ぼけまなこの枕元にカサコソ歩くカメムシと目が合いました。「クサイ臭い攻撃」をされないように丁重に指ではじき、顔を上げれば小さな蛾がハタハタと鱗粉をばらまいていました。そうか、もう啓蟄も過ぎたんだなあと春を感じた朝。
 紅葉谷に季節はずれのセミの抜け殻がありました。夏から一冬越えてしがみ付いていた相当粘り強い抜け殻です。

ヒメネズミ

 ちょっとの間、縁あってビジターセンターに保護されることとなりました。ヒメネズミ(命名・ガンバ)です。
 ドブネズミなどの家ネズミではなく、野に暮らす野ネズミです。野ネズミの分類でポイントになるのが尻尾の長さ。かの有名なミッキーマウスは尻尾の長い仲間のアカネズミ類、そして尻尾の短いハタネズミ類があります。ガンバは尻尾の長いアカネズミ類。特に小型で木登りも得意。
 一般的世間のイメージとはかけ離れ、とても可愛いネズミです。

大荒れの一日

 日曜日夜半より上川では初雨が降りました。明けて翌朝、雨は氷になり、おかげで町中いたるところに天然スケート場が出現。車も人も犬もツルツル路面にみんなおそるおそる。
 森の中にいても風の唸る音が鳴り止まず、ああ今日はもう帰ろうかと踵を返した顔先に触れたのは、枝先でぶんぶん揺れる黄緑色のウスタビガの繭。抜け殻でも美しい、その色、そのフォルムは一匹の蛾が作った芸術品。見つけると、ちょっと、いえいえかなり嬉しい気持ちになるのです。

 「顔」を見つけました。羊の顔風。
これはオニグルミの冬芽です。葉が落ちた痕(葉痕)が顔に見えます。他の植物の冬芽や葉痕にもいろんな表情があるので、ぜひ観察してみてください。

黒曜石の道

 本日、観察講座「上川十六景を歩く」の第2回で、清川双雲別林道を歩いてきました。本当なら大雪山連峰が一望できる!・・はずだったのですがあいにくの雪となってしまいました。代わりに、どっかりと積もった雪の斜面を全身雪まみれになった大人が11人、転がるように尻滑り。またそれも楽しきかな。
 この林道に沿って流れる沢の約500メートル隣にメノコ沢という小さな沢があります。じつは近くの台地からは先土器時代の黒曜石の遺跡が見つかっています。(清川メノコ沢遺跡)
 黒曜石の産地としては白滝が有名で、遺跡もたくさん発掘されていますが、ここ上川町でもいくつか遺跡が見つかっています。なんと驚くことに大雪山の白雲岳でも見つかっているのです!マンモスが歩いていた頃の北海道を想像するロマン溢れる(?)今日の観察会。次回は3月5日「熊の沢」です。
 参加お待ちしています。