キムン・カムイの目覚め

 昨日の黒岳です。
 9合目に山を下るヒグマの足跡がありました。写真左側の帯状の影は人間の足跡ですが、写真中央(やや下より)から右下隅に丸く2つあるのがクマの足跡です。(小さくて非常にわかりにくいと思いますが)
 冬眠から覚めたキムン・カムイ(山の神)はあちこち偵察して黒岳の様子を見に来たようです。山はまだ雪の支配下。いきものの営みも眠ったように静かです。

雪さくら

 昨日の雨が層雲峡では夕方から雪になり、一夜明けて今朝、見渡す限り桜のような雪の花が咲きました。けれど命の短い雪のこと、はかなく陽光に消えゆくは諸行無常の定めなり。
 雪の桜に春を想ったのかどうか、層雲峡ではホオジロが初鳴きをしました。耳を傾けてみて下さい。「一筆啓上仕り候~」と聞こえてきませんか?

ミズバショウ前線

 雨が降って湿った土のにおいがします。色彩のなかった地面にもフキノトウの優しい黄緑色がぽんぽんと顔を出しています。
 町の市街地のはずれにある39号線沿いの湿地には、ようやくミズバショウの白い頭がツンと伸びてきました。清川の水芭蕉園はまだまだ雪に覆われていて、例年4月下旬から連休頃にちょうど見頃を迎えます

とり事情

 昨日、デデポポが来ました。
「デ~デ~・ポッポ~」と抑揚をつけて鳴くはキジバトです。
 徐々に夏の鳥たちが戻ってきて、また野山は賑やかになっていきます。
 いつものように「固雪だかららくちん散歩」をしていると、喉を転がすようなキョロキョロキョロ~という鳴き声、黒い大きな影がシューッと横切りました。クマゲラだ!
 繁殖活動が始まりちょうどパートナーを探している頃です。甘えるようなクイ~ンという鳴き声は、何だか心がキュンと切なくなるよな感じ。クマゲラの雌ならきっと効果抜群に違いない。鳥たちの恋の戦略もなかなかどうして。
 写真はクマゲラが食事をしたあとの様子です。剥ぎ取った樹皮のパーツがさすがに大きい!こうやって中にいる昆虫を食べています。
 ところで昨日の北海道新聞に気になる記事が載っていました。旭川でスズメの謎の大量死が3件見つかったそうです。数十羽から100羽近くの単位で死んでいて、寄生虫以外にも各種感染症や化学物質中毒などの可能性も含めた幅広い死因解明を行うとのことです。ぜひ原因を突き止めて欲しいものです。
 ちなみに層雲峡温泉街ではほとんどスズメを見ることができません。スズメは人間とともに生活しています。それだけ層雲峡は人が少ないということ?!正しい理由はまたの機会に解明したいと思います。層雲峡にはスズメではなくニュウナイスズメが5~6月頃にやってきます。(スズメとニュウナイスズメは種が違います。後者はより森に近いスズメ)

春のしたく

 今日は、桜吹雪ではなく本当の吹雪の中の層雲峡小学校の入学式です。それが層雲峡らしいと。
 春の「虫出しの雷」ならずとも、春の陽射しの前にヒトも誘われるように外に出て活動したくなるのは自然の摂理。摂理に従い昨日、上川町旭ヶ丘のアンガス牧場までスノーシューで出かけました。
 ここからは、天気さえ良ければ大雪やニセイカウシュッペ、天塩岳までどーんと一望できます。のんびりするにはぴったりの場所です。夏は牧草地となる広大な雪原には、墨を流したように融雪材が撒かれ、どんどん春の支度が始まっています。
 春は近づいては後戻り。今日はその墨絵の大地もまた白く染め直されてしまいました。