五色ヶ原

 沼の原から五色ヶ原へ。沼の原湿原に上がるまでの登山道は侵食がすすんで浮いた樹の根や大きな段差が目立ちます。とくに急登は足場が悪いので注意。湿原は白いふわふわのワタスゲの季節。大沼の水は随分引いていて本日幕営可。(*降雨で大沼が満水になると幕営不可になります)
 五色の水場から難儀な急登を登って五色ヶ原の入り口、沢沿いに行くと雪渓が一ヶ所だけ歩道に残っていました。20mくらい。エゾコザクラが並ぶように咲いています。その先、高度を上げてトムラウシが見え始める五色ヶ原の中間部ではチングルマの群落がきれいでした。エゾノツガザクラもちょうどこれから良くなるところ。
 長い道のり、やっと五色岳の頭が見える上部のチングルマはもう花が散っていて綿毛になっているものも。チシマノキンバイソウも近くに遠くに咲いていますがそろそろ下り坂。
 さっぱりとした広い広い草原風景が何より五色ヶ原らしく美しいと思うのですが、チシマザサが年々進出しつつ。

 写真:五色ヶ原・後方はトムラウシ山(7/28)

山のおとしもの

 緑岳から板垣新道分岐へ向かう稜線にヒグマの糞が平べったくつぶれて落ちていました。8日前のものと推定。大雪山ではどこでもヒグマは歩き回っていますが、ここもクマの通り道。じつは結構「知らぬが仏」。
 ところで3日ほど前、白雲小屋では最低気温が3℃くらいまで下がったそうです!
 写真:白雲小屋(7/27)
 
【開花状況】
(白雲小屋周辺)チシマクモマグサ↑、チングルマ、エゾノツガザクラ、アオノツガザクラ、チシマノキンバイソウ、ミヤマリンドウ、チシマギキョウ開花、エゾタカネツメクサ、チシマキンレイカ↓、トカチフウロ/(白雲岳周辺)チングルマ、ミヤマリンドウ、エゾヒメクワガタ/(小泉岳周辺)リシリリンドウ↑、ミヤマリンドウ、エゾツツジ↓、エゾイワツメクサ、クモマユキノシタ

続いて、昨日(27日)の赤岳のようすです。登山道に雪渓が残っているのは第二花園だけです。100~150mくらい。固くなっているので注意。

【赤岳開花状況】
(第一花園)チングルマ↑/(第二花園)エゾコザクラ、チングルマ/(コマクサ平)コマクサ↓、チシマツガザクラ↑/(第3~第四雪渓)チングルマ、アオノツガザクラ↑、エゾノツガザクラ、イワギキョウ↑、ミヤマリンドウ、ヨツバシオガマ/(山頂)エゾツツジ↓、エゾイワツメクサ、イワブクロ↓

雲の平

 昨日の冷たい風が今までのぐずついた雲を吹き飛ばしてしまったのか、今日はとにかく日差しの強い一日。降りてきてもまだ目がしばしばします。けれど山の上には乾いた冷たい風が吹いていて、早くも秋の先っぽのニオイを嗅ぎ取ってしまいました。

 写真:チシマツガザクラ(雲ノ平)
 
【開花情報】
(9合目)/チシマノキンバイソウ、トカチフウロ↓、ヤマブキショウマ、ダイセツトリカブト蕾(数輪開花)
(黒岳山頂~雲の平)/イワギキョウ○、チシマツガザグラ○、ミヤマリンドウ○、エゾコザクラ○、コマクサ、エゾイワツメクサ、エゾノツガザクラ、アオノツガザクラ、ヨツバシオガマ、チシマキンレイカ↓、エゾツツジ↓、チングルマ↓、イワブクロ↓

タカネシオガマ観察会

 昨日は、自然観察講座「花講座(2)タカネシオガマ」で平山を訪れました。
 タカネシオガマは忠別岳の周辺などで生育していますが、高根ヶ原から北部の表大雪山では見られない花です。そして、高山植物にはめずらしく一年草です。大雪山では生育可能な期間はたった3ヶ月程度。その短い間に種から発芽して、咲いて実を結んですべて枯れてしまうのです。翌年はまた新しい種からスタート。いちから始めるのはとても大変なことだと思うのですが!
 じつはカヤツリグサの仲間の根から栄養をもらう半寄生植物。高山で一年草というすごわざもそのおかげかも?と一同感心。植物のしくみには本当に、オソレイリマス。

緑岳の花畑

 *訂正とお詫び
 すみません!「赤岳のようす」の日付を間違えました。写真撮影日は21日でした。お詫びいたします。

 今日は花畑まで雪渓と開花状況の偵察に。第一花畑の緩い斜面にはまだ雪渓が大きくのっていて、歩道にも50m以上かかっています。(目検討ですが)第二花畑はもうすっかり雪渓がとけていました。そしてその先の崖周辺はまだ雪渓が多いのですが、分断されて、雪渓・歩道・雪渓・歩道・雪渓・・という状態。
 花は第一花畑でエゾコザクラとチングルマが遠めに小さな群落をつくっています。第二花畑でもエゾコザクラが咲き始め、小さな蕾のこどもたちが水滴をたくさんつけていました。チングルマはまだこれからです。今は静かな「はじまり」のエネルギーでいっぱい。
 
 写真:エゾコザクラ(第二花畑)