どうぶつ歳時記~ラッティング・コール

 ピィーヨゥー・・今朝も遠くの空から、鋭く高く、木枯らしのようなエゾシカの鳴き声が聞こえてきます。
 この独特の鳴き声は「ラッティング・コール」といって、発情期を迎えたオス鹿が、他の固体に自分をアピールするために発します。一声で数百m先まで届くそうです。発情期に入る10月から11月にかけては、宵に暁にさかんに聞こえてきます。強いオスは、数頭のメスを連れてハーレムをつくりますが、やはり、たゆまぬ努力が必要なのです。メスが他のオスに誘惑されないよう始終目を光らせ、食事もそこそこ。体重は見る見る落ちて・・。そんな事情ゆえ、そこはかとなく悲壮漂う鳴き声も、もっともなのかもしれません。

 写真:薄雪とエゾシカの頭骨
  (ニセイカウシュッペ山旧登山口・11/20)
 

そろそろ冬ごもりですか?

 うっすら雪の積もった紅葉谷散策路に、大きな足跡がありました。大きなといえば、それはもちろんヒグマの足跡に相違なく。
 北海道では、ヒグマが冬ごもりに入る時季は、早いものでは11月20日頃から。そして冬至を迎える12月20日頃までには、ほとんどのヒグマが冬ごもりに入るそうです。期間は、翌年の3月中旬~5月上旬までの約3~6ヵ月間。この間、一切の活動を停止して、ただひたすら眠り続ける・・のかというと、そうではないのです。なんと雌は冬眠中に出産、哺育します。冬眠と出産、対極の生理を同時に行うとは驚きです。
 さてさて、そろそろ冬ごもりにはいい時季のようです。この紅葉谷の主も、どこかいい寝場所はないかと探していたのか、それとも冬眠前の旺盛な食欲を満たすべく歩き回っていたのか・・。
 【注】散策の際は鈴など鳴り物をお持ちください。

 写真:ヒグマの足跡(紅葉谷・11/16撮影)
   (写真の左側、下方から上方に向かって)
   

つもっています

 只今層雲峡、どんどん白くなっています。道路はシャーベト状です。車もおそるおそる。冬タイヤでのお越し、お待ちしております!

 写真:ビジターセンター前(11:00の様子)

雪まち

 昨日までの黒岳7合目の積雪は20cm。本日オープンを予定していた黒岳スキー場も雪不足のため延期となりました。いつもの年より気温は高め。降った雪もとけてしまい、積雪も少ない状況です。とくに昨日の日中は気温が高く、5合目でも10℃もありました。5合目から7合目の登山道は、融雪水と雪が混ざってじゃぶじゃぶ。
 天気予報では、明日から雪だるまマークが出ています。スキーファンにとっては待ち遠しい天然雪です。

 写真:黒岳6合目(11/10)

風と虹

 朝からどうどうと木枯らしが吹き荒れています。黒岳ロープウェイも強風のため、一時運休です。空はこんなに荒れているというのに、向かいの峡谷には綺麗な虹がかかっています。虹は、太陽の光が空気中の水滴に屈折、反射して現れます。そうか、水滴の供給が常にあれば、虹は風に飛ばされないのだ。雲の隙間、光が差した束の間に、虹のたもとダケカンバの下と見破ったり。

 写真:峡谷の虹(11/8)