アカゲラの合図

 午前6時45分。
 カラララン・・カラララン・・
 今朝も一羽のアカゲラが空高らかにドラミングしています。
 ここ数日、いつも決まった場所で出会うおなじみさんです。彼が選んだ所は、ミズナラの大木でも背の高いトドマツでもなく、道路脇の電灯です。そのてっぺんに陣取って、誇らしげにドラミングのうたを歌うのが朝の日課。
 カラララララン・・
 一条の金属音がシーンとした朝の空気を震わせます。今日も寒い一日になりそうです。雪も降り出してきそうです。それでも、冬の向こうからゆっくり近付いてくる北の春を、アカゲラが教えてくれました。
 カラララン・・カラララン・・

 写真:電柱の上で(2/21)

も・も・ももんがです

 森の中を歩いていると、たまにとびっきりの幸運にめぐり会うことがあります。一昨日その幸運はポトっと頭の上から落ちてきました。それは5cmほどのトドマツの枝先。風もないのにどうしたことかと見上げると、エゾモモンガがいました。夜行性で、ふつう昼間は巣穴で休んでいるのですが、そろそろ繁殖期が近いのか、はたまたお腹が空いていたからなのか、このときはお日様のしたでトドマツの葉を食べていました。モモンガのメニューはトドマツの葉や樹の芽など。モモンガが食事をした後には樹の下に食べ残しのトドマツの葉がたくさん落ちています。もしこんな痕跡を見つけたら、そっと見上げてみてください。たとえ姿はなくても、そこにちょこんと座っていたのだと想像するだけで、じゅうぶん嬉しくなってしまいます。

 写真:エゾモモンガ(層雲峡周辺2/14)

用心ウサギ

 来た道を
 ピョンピョンピョン
 3歩戻って
 左にジャンプ
  ~秘技エゾユキウサギのとめ足戦法

 この技は、休息場所に入る前の安全確認のための行動です。ただ、嗅覚たよりのキツネには効果があっても人間には効果ナシ。近くにいるよ(いたよ)とわざわざ教えているようなものですから。
 さて、今週土日の観察会では、足跡や食痕など動物たちのいろいろな痕跡を探す「アニマルトラッキング」を開催します。
 誰の足跡?誰が食べた?動物推理シテミマセンカ?

 写真:エゾユキウサギのとめ足
(進行方向は奥から手前に。正面で逆戻りした足跡3歩分が重なり、左に着地した足跡が続いています)

節分すぎて

 今日は朝方のほうが暖かく、層雲峡では午前8時に0℃を記録。国道の雪もとけ出し、車の往来にザザーっと水しぶきが上がっていました。
 節分が過ぎたとたん暦どおりに暖かくなり、モワ~っと変な感じです。寒気と暖気を繰り返しながら春に向かっていくのでしょうか。気象予報で今月も暖冬傾向が続くと発表していましたが、いちばん寒い季節に寒くないというのはやはり心配です。
 ところで、一年のうちでなぜ1月の終わりから2月にかけて、いちばん寒くなるのでしょうか?昼間の時間がいちばん短くなる冬至の頃ではなくて。それは、大気が冷えたり暖まったりと、熱が伝わるには時間がかかるから。そのため冬至から1ヶ月ほど後の今頃の季節が一年でいちばん寒くなるのです。そして、一年でいちばん気温が高くなるのも、同じ理由で夏至から一ヶ月ほど後になります。
 私事ながら「夏至といっても夏じゃないじゃないか」とか「冬至過ぎてもまだ寒い」と、若干不満にさえ感じていたこの疑問、解けたときは随分スッキリしました。

 参考図書/楽しい気象観察図鑑(草思社)

 写真:森の蒼(大学平)

こども探検隊~スノーシューデビューの巻

 「冬の自然を観察しよう」と、層雲峡小学校の総合授業で子供たちと銀河の滝・大函へ出かけました。子供たちは本日スノーシュー初体験。さてどんなことに・・。
 冷たい風にヒュンヒュン雪が舞う天気、カメラを向ける先生が「ハイ、笑って~」と声をかけても、動かざること柱状節理の絶壁の如し。寒さに顔がか、か、固まってる~!歩けばまるでロボット。と初めはそんな調子でしたが、青く凍った滝や、今なお侵食され谷を刻み続ける柱状節理を間近で観察し、元気も回復。フワフワ雪を一気に尻滑りしたり、凍った川の上を歩くこともとても新鮮だったようです。冬でも活動している鳥や昆虫を見つけ、氷を割って楽しむ、きっかけがあれば子供たちはどんどん楽しみを発見していきます。
 最後に質問。「今日いちばん心に残ったことは?」
 「尻滑り~!!!」
 ・・・やっぱりそうきたか・・。
 大人も子供もみんな大好き、天下無敵の尻滑りにて授業終了。

 写真:銀河の滝(上から下まで氷です)2/2