くるみ

 

 こんなところに
 エゾリスのお弁当
 

クマゲラ鳴く頃

 朝、クルルルル・・と鳴きながら、クマゲラがスイーっと空を横切っていきました。ヤナギの芽は膨らみ、空に向かって銀色の綿毛をぽんぽんと広げています。そろそろクマゲラはオスメスのペアになって巣作りを始める季節です。新しく巣を彫ることもあれば、前に使った古巣でも環境が良ければ掃除やリフォームをしてまた使うこともあります。
 クマゲラは、巣穴、ねぐら、採餌木というようにいろんな樹を用途に応じて使い分けます。だからクマゲラが生きていくには、広葉樹、針葉樹いろんな樹がある森が必要です。
 現在は、国有林の整備をする際営巣木の周りに保護区域を設け、この区域では伐採しないほか、餌となる虫がいる倒木はできるだけ除去しないなど、クマゲラ保護への具体的な指針が策定されています。
(2006年4月/北海道森林管理局)

 写真:クマゲラの食痕(上川3/21)

黒岳石室

 久しぶりの黒岳石室です。奥の屋根はトイレ、手前がパトロール事務所。その間に埋もれて梁がかろうじて出ているのが石室です。この真っ白な雪の世界に、もう3ヶ月もすると最初の高山植物が咲き始めるのかと思うと信じられない気がします。
 ポン黒岳でホシガラスがコツコツと凍った地面をつついていました。賢いホシガラスは秋に埋めておいたハイマツの実をちゃんと覚えていて、食べ物の少ない時季に掘り返して食べるのです。近づいても逃げる様子もなくコツコツコツコツ。
 つかのま青空が見えたものの、すぐにまた雪が激しく吹きつけてきました。まだまだ山の春は遠く遠く・・。

 写真:黒岳石室3/17(後方は桂月岳)

大雪原生林

 今日は大雪原生林観察講座を行いました。石北峠、武華トンネル(現在新トンネルになりました)の周辺には、樹齢300年を越えるようなエゾマツや、直径1mを優に超すアカエゾマツの巨木など、原始に近い姿をとどめる針葉樹の森が広がっています。森林の国・北海道といえども、これまでの伐採や風害などにより今では原生林といわれるような森はほとんど見られなくなってしまいました。今日はその貴重な原始林の姿と、森が更新していく様子を観察することができました。
 途中、大きな切り株の上にクロエゾマツの稚樹が一斉に育っていました。しかもそれが尋常ではない混雑ぶりなのです!数えてみるとなんと35本もありました。
 森では倒木や切り株を苗床として、次世代を担う稚樹たちが育っていくのですが、このもじゃもじゃの切り株にはみんな合唱「エ~!ナニコレ!!!」 
 キニナル謎解き。エゾリスがタネを置き忘れていったのでしょうか?楽しい森の神秘です。

 写真:もじゃもじゃ!(根株更新3/11)

ダレだろう?

 先のカエデシロップの話しはまだ続きます。
では、誰がイタヤカエデの枝を折った(かじった)のか?
 鳥?エゾシカ?ん~・・
冬芽を食べ、甘い樹液が出てくることを知っていたのは、どうやらエゾリスのようです。
 ドングリ、クルミばかりじゃありません。樹液、キノコ、虫、鳥の卵、骨・・多彩なエゾリスのメニューは60種!
 そういえば確かにムチっと筋肉質な感じ。

 写真:エゾリス(冬毛3/6)