ヒグマの・・

 今朝、山からの雪解け水が流れる小さな沢へ下りていくと、近くの雑木林でルリビタキが囀っていました。どこにいるのか姿は見えません。でもその景色全体を、まるごとぼ~っと眺めているのはちっとも飽きません。 
 そしてそんな「ぼ~~」の空気を打破したのは、沢沿いにビシッと残されていたヒグマの足跡。付近をうろうろ行ったり来たり。急な斜面をズルッと滑った跡もあります。クマだって滑るんです。探していたのはリュウキンカ?フキノトウ?
 同じ場所にエゾシカとキツネの足跡がありました。今日は+ニンゲンの足跡です。みんなの事情が足跡になって残っています。何だかスゴイと思いました。

 写真:ヒグマの足跡(上川・4/22) 

ウグイスと水芭蕉

 北上を始めた白鳥の群が、V字の編隊を組んで空を通り過ぎて行きます。代わりにその空にはウグイスが到着しました。慎重に節を確認しているのか(?)、フホ~~~ホ~~ホ~と出だしが長く、なかなか最後のホケキョのところまで来ないところも、また新鮮。
 国道沿いにある清川水芭蕉園では、ミズバショウの小さな白い頭が見えてきました。まだ雪が多く残っていますが、雪解けがすすめば5月の連休頃には見頃になりそうです。

 写真:清川水芭蕉園(4/18)

キトピロ

 南向きの日当りのいい斜面でギョウジャニンニク発見。落ち葉をプスリと突き破り、筆のような頭が伸びています。苗は、葉が1枚しかないもの、2枚のもの、3枚のものとそれぞれ違っています。3枚のものには、まだ小さいけれど花芽がついています。
 ギョウジャニンニクはユリ科の多年草で、普通2~3枚の葉をつけます。けれど最初の何年間かは1枚しか葉をつけません。光合成でつくった養分は毎年地下茎に蓄えられ、やがて地下茎が大きくなると、葉の枚数も2枚、3枚と増え、花芽をつけるようになります。じつは、想像以上に長い年月をかけて花を咲かせているものは他にもたくさんあります。同じユリ科のカタクリは花が咲くまでに7、8年かかるといいます。
 ところで、こんな風な生き物の世界の出来事は、しばしばニンゲン界についても重なり合うもの。
   ~一花咲カセル要点ヲ、
    今日ハ花ニ、明日ハ虫ニ教ワル

 写真:キトピロ(行者大蒜)の芽生え
           上川・4/16

ポン黒岳とキツネ

 今日の凌雲岳、北鎮岳のようすです。写真中央の豆つぶのような黒い点が黒岳石室(正確には隣接しているトイレの屋根。石室はほぼ埋まってます)です。石室周辺では、1ヶ月前より積雪量が30cmくらい増えていました。
 今日は黒岳の斜面もカリカリに固くなっているだろうなあと思っていたら、予想外にももっさりとした深雪でした。一昨日の降雪のためのようです。
 山頂からその先に続く稜線は、今日はまたいっそう真っ白です。ポン黒岳で雲が切れるのを待っていると、いつのまに現れたのか、隣でギャヒ~ンギャヒ~ンとキツネが騒いでいました。もう一匹いるのかと思いきや独りなのです。そしてギャヒ~ンギャヒ~ンと鳴き続けたまま、石室のほうにどんどん歩いて行きます。そのときは「ヘンなキツネ」と思ったのですが、もしかするとペアになってくれる相手を捜していたのかもしれません。北海道のキツネは1月頃から4月に発情期を迎えます。
 イイヒトミツカルトイイデスネ。

 写真:ポン黒岳より石室方面 (4/13)
   (右・凌雲岳、奥正面・北鎮岳)

エゾノリュウキンカ

 今朝は-9℃まで下がりました。まだまだ油断はデキマセン。できませんが、春はじわりじわりと確実にすすみ、「我が行く手遮るものナシ」だった白銀の世界も、今ではバッサバッサと笹が起き上がり、ハイ行き止まり~と立ちふさがるようになりました。そしてササといえばアノいきもの。そうダニです。のほほんと歩いていられた日々も、もはやこれまでか~とウラメシクもあり。
 今日、雪解けの湿地にリュウキンカの花を見つけました。昨年より5日ほど早く咲きました。眩しいくらいの黄色です。やっぱり春だなあと思いました。

 写真:エゾノリュウキンカ(上川4/12)