クマゲラとミヤマカケス

 話しは少し遡り、先日キョーン・キョーンと甘い声で鳥が鳴いていました。姿は見えませんが特徴のある鳴き方、間違えるはずがあろうかクマゲラだと自信満々のワタシ。ところが昨日その自信を揺るがす出来事があったのです。
 クマゲラが一羽、コツコツと樹を突いていたのですが、それとは別に上のほうからもクマゲラの声が。もう一羽いるのかと見上げるとそこに居るのはミヤマカケス。なんとミヤマカケスがクマゲラの鳴き真似をしていたのです。騙された~!
 じつはカケスは舌が柔らかくモノマネが上手なのです。クマゲラ以外にもトビやフクロウ、小鳥にネコ。図鑑にもちゃんと書いてありました。
「声マネをするので注意」

 写真:クマゲラ雌(層雲峡5/21)

今日の黒岳

 上川公園のエゾヤマザクラが満開です。16日に根室でチシマザクラが開花し、桜前線もついにゴールしたとのこと。とまあそれも水平方向でのことで、垂直方向的にはいまだゴールに非ず、層雲峡への前線到達まではあと一週間くらいでしょうか。
 大雪山となるとそれはさらに先のことで、昨日の雨が黒岳7合目では雪になり、5~10cmの降雪がありました。9合目のダケカンバやハイマツはすっかり樹氷に覆われ、少しずつ膨らんできた冬芽はまた氷に閉じ込められてしまいました。
 
 **今日の装備**
 今日はスノーシューは使わずに長靴で登りました。吹き溜まりの場所(降雪の為)、固く締まった場所と変化が多く、どんな状態でも対応できるよう冬山装備が必要です。

 写真:ダケカンバについた樹氷
   (黒岳9合目・5/19)

手袋の神様

 今日は水中からコンニチハ。ニホンザリガニです。北海道と東北北部の渓流や湖沼などの冷温な清流に生息しています。環境の変化に弱く、開発などによる生息地の減少さらには外来種問題に伴い、現在では生息数が減り「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されています。かつて北海道では身近な生き物で、「子供の頃よく捕まえて遊んだのにねぇ~」と懐かしそうに語る職員Mさん。今では羨ましいお話しです。
 春は産卵の季節です。ちょっと失礼してお腹を拝見。キャビアみたいな卵がたくさん付いていました。ニホンザリガニは産卵した後も卵が孵化するまで約3ヶ月間はお腹に抱えて守ります。
 健ヤカナルゴ成長オ祈り申シ上ゲマス。

写真:ニホンザリガニ(雌)(層雲峡5/16)
   アイヌ語名/テクンペコル・カムイ
  (手袋を持っている神様)といいます(他)

のぞいてみました

 雨空の下でも元気に囀っているウグイスに励まされての、今日の野鳥観察会。いつの間にか雨も止み、逆に曇っていたおかげで終始ゆっくりと観察することが出来ました(通常、野鳥を見やすいのは日の出から2時間ぐらい)。のっけからの「大物」は魚を掴んだミサゴ。その奥ではハシブトガラスが雛にせっせと給餌中。いつも人前にはあまり姿を見せないコマドリも出てきてくれました。橙色の胸を震わせて歌う姿は、さすが日本三大鳴鳥。虫だと思っていた声がじつはヤブサメという鳥だった!などなど収穫はたくさんです。他にも、鳥は何歳まで生きるのか?カッコウの托卵からみえる鳥の進化の話し、調査にまつわるエピソードなど講師の先生からわかりやすく面白く解説して頂きました。
 (おまけ)シメにシメシメで今日のシメ。

 写真:コマドリ発見!(江差牛山・5/13)

野鳥観察会

 紅葉谷はラブラブの季節です。シジュウカラにハシブトガラ、アオジにハクセキレイ・・どの鳥たちもペアになって、ついたり離れたりと仲睦まじく。ハクセキレイのオスなどは、もう自慢の羽を精一杯に広げて「見て見て見て!」とばかり。メスの周りをぐるぐるまわって朝からプロポーズ大作戦。
 層雲峡にも徐々に夏鳥が姿を見せるようになり、今日はオオルリを初確認しました。新緑前の今は見通しもよく、バードウォッチングには絶好の季節です。ということで、今度の日曜日に春の野鳥観察会を行います。大雪山の野鳥を専門に調べている方を講師に招き、いろいろな野鳥のお話を伺いたいと思います。まだ定員に余裕がありますので、興味のある方はぜひご参加下さい。

  【春の野鳥観察会】
  日時/5月13日(日)午前7時~10時
  場所/上川町江差牛山周辺
  持ち物/双眼鏡(貸出し用あり)、長靴
  *事前申し込みです。詳細お問合せ下さい。
  (電話 01658-9-4400)

 写真:オオルリ(紅葉谷・5/10)