白雲岳

 白雲岳へ足を延ばしました。5月中旬頃になると白雲岳の旧火口底には「幻の湖」が現れます。春先の雪解け水が火口底に流れ込み出来るのですが、ポイントは地面の状態。その頃まだ地面は地中深くまで凍りついていて、この氷の器のおかげで水はしみ出しません。けれどさらに雪解けがすすむと氷の器もとけ始め、水はすべて地下に吸い込まれ、湖は跡形もなく。季節限定、それで「幻」です。(参考文献/氷河時代の置き手紙)
 今回はまだ湖には時期早く。黒岳石室周辺は、連休前のまとまった降雪が影響してか昨年の今頃と比べ、若干積雪が多くなっています。場所によって雪解けや積雪は一様ではなく、今後の気温次第といえます。登山道はまだ出ていません。天候、時間帯によって雪質の変化が激しい時期です。帰りの黒岳、グサグサの雪に膝で歩くような状態でした。

写真:白雲岳旧火口底・ここに湖が出来ます
 奥、トムラウシ山(白雲岳より・5/6)

春の女神のカンケイ

 雪が解けたばかりの森にひっそりと咲くカタクリに訪問客です。春のわずか10日間ほどしか出会えないこと、そしてその美しさゆえ、春の女神と例えられるヒメギフチョウです。
 興味深いのは、北海道では、ヒメギフチョウの幼虫はオクエゾサイシンという植物だけを食べて大きくなります。そしてオクエゾサイシンはアリにその種を運んでもらい分布を広げています。アリが運ぶ距離はせいぜい数m。たとえば1年で1m分布を広げることが出来たとして、1km分布を拡大させるまでにナント1000年かかるという計算になります!
 「ヒメギフチョウ→オクエゾサイシン→アリ」じつはここには深~い深~い関係があるのです。

 写真:ヒメギフチョウ(上川・5/4)

愛山渓へ

 道々愛山渓温泉線の冬期閉鎖が解除になり、通行できるようになりました。(*ただし夜間は凍結のおそれがあるため18:00~翌朝7:00までは現在通行止めです)
 愛山渓ヒュッテには早速たくさんの春スキーを楽しむ人が訪れています。沼ノ平の稜線にはいくつものシュプールが流れ、青空を突き抜けギュンとそびえる愛別岳の稜線は相変わらず格好いいのでアリマシタ。
 ヒグマも元気に歩き回っているようで、あちこちでベタベタと足跡が確認されています。永山岳の標高1700m付近では母グマと3匹の仔グマの姿も目撃されています。仔を連れた母グマは特に神経質です。近距離での遭遇を避けるために、鈴など鳴り物を携帯するなどしてください。また季節的に雪崩が起こりやすくなっています。入山する際は十分注意してください。

 写真:愛別岳(4/30)

4月の吹雪

 吹雪の中を泳ぐ鯉のぼり。果たしてこれをミスマッチと言うか勇壮と言うか?
 いよいよ連休というのに春の嵐に見舞われた昨日、層雲峡はひとたび猛吹雪になりました。今朝はママさんダンプ(除雪用具)が再び登場。事務所の窓から見える新築途中のカラスの巣。完成も間近なようで、毎日せっせと働くカラスの姿があったのですが、さすがに昨日は休業。
 ミズバショウもフキノトウもみんな雪帽子をかぶってしまいました。けれど春の雪はすぐに解けてしまいます。清川水芭蕉園も木道の除雪作業を終え、5月の連休はちょうど見頃になりそうです。

 写真:清川水芭蕉園そろそろ見頃
    (4/27)

エゾタヌキ

 ソレ近道だ~と林の中を突っきって行ったのがそもそもの始まりでした。大きなタワシのようなイキモノが笹藪の間を縫うように歩いています。タヌキです。人里近くに棲むタヌキ、でも実際北海道では、ウロウロ歩いているキツネは見かけてもウロウロ歩いているタヌキというのはめったに見かけません。さすが隠れ上手。
 この日のタヌキ、ぬかる雪に難儀な様子で体を左右に揺らしながら歩いています。足が短いタヌキは、沈む雪の上を歩くのは得意ではありません。完全な冬眠はしませんが、冬はあまり巣穴から出てこなくなるそうです。でも足が短いといいこともあります。地面に隠れている虫やミミズやカタツムリを上手に見つけることが出来るからです。
 雪がとけるまで、あともう少しの辛抱です。

 さてエゾタヌキから出題です。
  (1)タヌキ寝入り
  (2)タヌキのため糞
  (3)タヌキの木登り
 この中でエゾタヌキがしないことはどれでしょう?

 写真:エゾタヌキ (4/23)
  (答え・じつは全部デキマス)