五色ヶ原は

 6月も後半になり五色岳方面の問い合わせも徐々に多くなってきた今日この頃。
 沼ノ原湿原までは途中2、3mの小さな雪渓が何箇所かに残る程度ですが、登山道の侵食が年々すすみ地盤が脆くなっています。雪解け後の湿原はチングルマやヒメシャクナゲが開花。キャンプ指定地の大沼は現在満水の為、幕営不可です。湿原の先、五色の水場の急登を越えると、そこからは広大な雪渓の連続。やがてトムラウシ山が左手に見え始めハイマツ帯に入っていくと、雪渓は迷路のようにハイマツと低木類の袖に区切られて、登山道の入り口が見つけにくい事この上なし。ようやく五色岳の頭が見える所まで行くと木道の端が見え隠れしつつも、やはり山頂直下まではほぼ雪に覆われ。
 例年6月中は、視界が悪い日はもちろん、晴れていても迷いやすい(迷う)五色への道。足の裏に伝わってくるドゴンドゴンと流れる沢の音は、雪渓の下に潜む五色ヶ原の心臓の鼓動のようで、いま当分は春まち。

 写真:五色ヶ原中腹部(6/19)

イワウメ咲きました

 突き抜けるような青空が広がりました。今日は旭岳の山開きです。そして層雲峡地区大運動会の日。われらチーム・ビジターはメンバーが足りないので、小学校チームに混ざってリレーに出場したのですが、健闘むなしく予選落ち。景品におやつの袋を頂戴した次第。
 さて、黒岳でイワウメが開花しました。咲きそろうまであと1週間ほどでしょうか。花のほうは昨年と同じくらいのペースで開花しているようです。黒岳は7合目から9合目下まで雪が続きます。9合目はコースの半分ほどとけましたが、山頂直下にはまだ急な雪渓のトラバースがあります。

**開花状況**
 9合目/ショウジョウバカマ、ジンヨウキスミレ(↑)
 山頂周辺/イワウメ(開花↑)、キバナシャクナゲ(↑)、ミネズオウ(○)、ウラシマツツジ(↑)、ミヤマキンバイ(↑)

 写真:イワウメ(黒岳山頂周辺・6/17)

こんなにスルノ!

 この量ちょっと凄いでしょう。
 これ全部、ナキウサギの糞なのです!
 一粒約3mmのミニサイズ。きちんきちんと排泄し、コツコツ築き上げた糞の山はなんと1メートルもの範囲に広がり、その整った丸い粒の連続と重なりは見ていて気持ち良いくらい。ため糞にはナキウサギ同士の縄張りを示す役割があり、何度か岩場に積まれた糞を見かけることはありましたが、これほどのものは見たことがありません。
 さてどのくらいの期間でできたのでしょう?通常は1回につき10~30粒の排泄量で、そこから推測を試みたもののこの膨大な量を前にして早々にそれは断念。
 
 写真:ナキウサギのため糞(6/12)

コケラオトシの花

 6月に入ってからは連日の気温高。蝉時雨にもいよいよ拍車がかかり、ウワ~ンと空気全体が共鳴しているような勢いです。
 昨日の黒岳山頂の気温は13℃。雪解けは着々と進行中で、9合目から山頂までの登山道は3分の1ほどが現れ、ショウジョウバカマが咲き始めていました。登山靴+スパッツでも歩きやすくなってはきましたが、滑りやすい箇所、踏み抜き跡もあるので油断は禁物。7合目から9合目まではまだ全斜面雪に覆われ登山道は出ていません。
 山頂から石室の間ではミネズオウやキバナシャクナゲが初々しくも開花し、いよいよ花シーズンのこけら落とし(?)となりました。いったん始まると、もうそのまま駆け抜けていってしまうような短くも凝縮されたエネルギーの季節です。

**開花状況(黒岳山頂)**
 コメバツガザクラ(↑)、ウラシマツツジ(↑)、ミネズオウ(↑)、キバナシャクナゲ(蕾↑)、ミヤマキンバイ(蕾)、ガンコウラン(↓)

 写真:ミネズオウ(黒岳山頂周辺・6/12)

浮島湿原の春

 昨日は浮島湿原で観察講座を行いました。湿原までの登山道は雪もすっかりとけ、新緑の木陰の中でムラサキヤシオやオオカメノキがこぼれるように咲いていました。標高870mの湿原からは大雪山やニセイカウシュッペも見えます。一見まだ殺風景に見える湿原にも、足元にはむくっと小さなチングルマやヒメシャクナゲの蕾が伸び、ミズバショウは今が見頃。そして、漆黒の沼に真っ白なヒツジグサが浮かぶ盛夏の頃もまたオススメです。
 
 *注意*木道の老朽化につき現在修復作業中
    (通行はできます)

 写真:ショウジョウバカマとミズバショウの
    ツーショット(6/10)