紅葉谷へ

 胸元近くまで茂るレイジンソウの花、かがんで見なければ見落としてしまいそうに小さなタニギキョウ、カツラの老木もハート型の葉っぱを空間いっぱいに広げ、紅葉谷はもう初夏を迎えていることに気付きました。山の上で春を追いかけていると、こうして山麓の森で流れる季節の移りに、はっとさせられることがあります。
 センターでは、紅葉谷など周辺でのミニ散策会を常時行っています。ひっそりと山野草が咲く森の路を歩いてみませんか?
 
 *職員体制の都合上実施できない場合もありますので、まずはお気軽にお問合せください。(所要時間30分~1時間)

 写真:オククルマムグラ(紅葉谷6/27)

大雪山山開き

 山開き。山の安全と無事を祈願し、朝一番のロープウェイはこの日を待ち侘び嬉々とした登山者を乗せ。早朝から降っていた雨は山の上にのぼるにつれ回復し、山頂に着く頃には汗ばむほどの快晴となりました。眼下には真っ白に続く雲の海。
 黒岳斜面の雪渓もとけ進み、登山道は雪解け水の流路と化し。それでも8合目上部まではまだほとんど雪の上を歩きます。足元の装備は万全に。北鎮岳の白鳥と千鳥の雪形もそれらしく姿を見せてきましたが、昨年と比べるとまだ1週間ほど遅れているようです。例によって、遅いところもあれば逆に早いところもありということか。今日は登山者に混じって山スキーを楽しむ姿もありました。

 *開花状況*(周辺黒岳山頂)
 イワウメ盛期、メアカンキンバイ○、エゾノツガザクラ蕾↑、ジムカデ↑、エゾノハクサンイチゲ(山頂直下で開花)

 写真:黒岳9合目(6/24)

新旧交代

 ウラシマツツジという植物は、紅葉期ともなると深紅に染まる葉によってその存在を強烈に主張するのですが、その花はというと、決してイワウメやミネズオウのように目立ちはせず、こそっと淡々と咲いているような印象を受けます。けれど、茶枯れに残った前年葉の中から、押し上げるようにして新しい葉っぱをきゅっと伸ばし、クリーム色の花を咲かせている姿はとてもたくましく愛しく、ついついしゃがみ込んで見入ってしまうのです。
 黒岳山頂から雲ノ平では、イワウメが花どきを迎えています。あさってはいよいよ黒岳の山開きです。

 *開花状況*
 (黒岳山頂~雲ノ平)イワウメ○、キバナシャクナゲ、ミネズオウ、ウラシマツツジ↑、メアカンキンバイ↑/(北海沢)ジムカデ↑、キバナシャクナゲ

 *北鎮岳分岐付近の雪渓は100m以上。急斜面、表面は締まり気味で上りも下りも滑りやすい状態です。赤石川は一部割れてきましたが、まだ雪渓上にコースをとります。北海沢周辺も雪が多く、視界不良時は注意。

 写真:ウラシマツツジ (6/22)
    旧葉と新葉と花

緑岳

(6月20日その2/コース緑岳)

 登山口から花畑までの樹林帯は、数mの雪渓が所々覆い、登山道→雪→登山道→雪・・という状態。雪渓が小さいので道を見失うということはありません。第一花畑から第二花畑の奥までは一面の雪渓ですが、第一花畑の淵に登山道が50mくらい現れ、そのわずかなスペースではキバナシャクナゲやエゾコザクラ、チングルマなどが早くも開花しておりました。これから日を重ねてゆく毎、とけていく雪渓を追いかけるようにして花々が咲く路へと、少しずつ少しずつ・・。
 山頂から小泉岳周辺はミヤマキンバイとミネズオウがやっと咲き始めたところで、イワウメはまだ蕾。開花まではあと数日くらいかかりそうです。
 稜線に小さなウルップソウがひとつだけ咲いていました。

 *白雲小屋、水場使えます。テント場は雪は消えましたが、雪解け後ぬかるんでいるので幕営は難しい状況。

 *開花状況*
(第一花畑)/ミネズオウ↑、キバナシャクナゲ↑、エゾコザクラ↑、ジムカデ↑、チングルマ蕾↑(ガレ場)/キバナシャクナゲ○、ミネズオウ○、ミヤマキンバイ○、イワウメ↑(山頂~小泉岳)/ミヤマキンバイ↑、ミネズオウ↑

 写真:第一花畑 6/19
    (キバナシャクナゲと緑岳)

赤岳

(6月20日その3/コース赤岳)

 銀泉台線道路19日午前11時からいよいよ開通です。約半年間「ウルサイニンゲン」が来なくて伸び伸びしていたのでしょうヒグマの糞がここそこに。スミマセン。またお邪魔します。
 赤岳登山コースは山頂までほぼ全面雪渓と言っても過言ではありません。雪がないのはコマクサ平と、雪渓と雪渓のあいだの平坦な部分くらい。第三、第四雪渓は斜面も急で、早朝は雪が締まって固くなることもあります。ストックは必携。第一花園は、24日の山開きまでには巡視の方が雪を切ってくれますが、長い斜めトラバースには気を使います。
 山頂でユキウサギ見つけ。冬毛から夏毛へと毛変り中で白と茶のまだら模様。長い耳を立てて、キョロキョロと様子を伺い隠れているつもりでも、所詮は中途半端なまだら模様の隠れ蓑。遠くからでも目立ってしまい、風上にいたキツネにまで見つかる始末。あ~あ。

 *開花状況*
(コマクサ平)キバナシャクナゲ○、イワウメ○、ミネズオウ○/(山頂)イワウメ↑、ミネズオウ↑、コメバツガザクラ○

 写真:第一花園(6/19)