チビター新聞

【紅葉谷にニョロニョロ発生】
 1月に入ってから、紅葉谷を流れる赤石川ではニョロニョロが多数発生。昨年11月、黒岳沢に現れたニョロニョロ(11/24チビター新聞掲載)は、潅木に水しぶきが付着して凍りついたもので、正式には「飛沫着氷」と呼ぶのに対し、これは「飛沫氷柱」という。岩肌や雪の淵にぶつかった水しぶきが、重力に従い成長したツララで、中に潅木などの芯はありません。細かい区別はあるものの、どちらも水しぶきがつくった氷の芸術品です。
(参考資料・雪と氷の自然観察/日本自然保護協会)

 ニョロニョロの作り方
(用意するもの:紐、棒、水)
 紐や棒を組み、根気よく水をかけ続ける。しばれる日が続けばどんどん成長します。

写真:赤石川(1/27)

ギンザンマシコ

 大雪山を代表する、薔薇色をした美しい鳥といえばギンザンマシコ。この鳥に会いたくて山を訪れる人もいるほどの有名人です。北海道の高山で見られ、日本では大雪山で繁殖が初確認されました。なんだ高山でしか会えないのかというと、そうでもありません。冬は低山や平地、ときには都市部にも群で下りてきて、針葉樹やナナカマドの実などを食べています。
 先日、街路樹のナナカマドにギンザンマシコが数羽やって来たという話しを聞き、ソレ直行。けれど相手は翼のある鳥、そんなには待ってくれません。食べ尽くされた実とともに、群は何処の空へ。それでもと、通りを探すと一羽だけメスがいました。オスは紅く目立つ色ですが、メスは地味な黄褐色と灰色。でも眼の表情はオスよりかわいいんですよ。

 写真:ギンザンマシコ(雌)
     (上川町1/20)

天狗の引臼岩

 紅葉谷の絶壁の上に、まるで誰かが運んだようにポンと四角い大岩が乗っています。火山灰質の岩が風化していく過程で取り残されて出来たこの奇岩は、「天狗の引き臼岩」と呼ばれています。層雲峡にはこのような奇岩がたくさんあり、ダイナミックな峡谷美を造っています。
 今日は観察講座「大雪山麓を歩く」でこの天狗の引臼岩まで行きました。初め、参加者のみなさんも「えっ!あそこっ!」とちょっとびっくりのようす。夏は道がないので行けませんが、スノーシューならば道なき道も。絶壁の上は吹きさらしで、おしりがムズムズするような高さです。が、そんな厳しい岩場でも、アカエゾマツやトドマツは根を下ろし、ハクサンシャクナゲやムラサキツツジはたくさんの冬芽をつけていました。
 人知れず。春が来て、花が咲いても眺めることはかないませんが、それを想像する楽しみはひとつ増えました。

 写真:天狗の引臼岩へ(中央奥の四角い岩)

オオワシ

 このところ層雲峡の国道沿いの樹の上にオオワシがやって来ます。黒と純白の羽根は雪をのせた針葉樹のように美しく、圧倒的な存在感と品格があります。まさに空の王。そもそもオオワシは海ワシ類で主食は魚類。道東、知床が越冬地として有名ですが、依然とは餌事情が変わってきたこともあり、エゾシカなどの死骸を捕食しながら内陸にやって来る個体もいます。ここ数年間は毎年のように層雲峡でもオオワシを見かけるようになりました。オオワシが去った後、見に行くとやはり雪に埋もれたエゾシカの死骸がありました。
 翼を広げるとその大きさは2m以上。遮るもののない海原では翼を広げ悠々飛翔しているオオワシも、狭い谷間の森では少し窮屈そうにも見えました。

 写真:オオワシ(層雲峡1/13)

スノーシューの日

 今日のスノーシュートレッキングは・・。
 林道を離れ一歩森へ踏み入ると、木漏れ日は影絵のような樹形を雪原に映し、雑多な音は雪に吸い込まれたかのように静かです。周りの空気に同調するように心も凪いでくるのが不思議です。大函ではクロテンの深夜の大運動会。穏やかな夜は動物たちの動きも活発で、翌日は右へ左へ交差した足跡でいっぱいです。間近な柱状節理も大迫力です。凍った川のわずかな流れではカワガラスが水浴び中。見ているだけで寒そう~。でも大丈夫。カワガラスは天然ダウン100%ですから。

 写真:トドマツの森(1/13)