迷いザリガニ

 お馴染みさんの地元の子供たちが、何やら大事そうに帽子を抱えセンターにやって来ました。「道路にザリガニがいた~。」「え~!」と差し出された帽子の中を覗くと、立派なハサミのニホンザリガニが大人しく丸まっています。聞けば、黒岳神社の前の道路でジリジリ後ずさりしていたところを保護したのだと。「きっと近くの沢から迷い込んで来たんだねぇ。」沢を離れ、どれだけ歩いてきたのか、あまり元気がないようでしたが車に轢かれずなにより。図鑑でオスかメスかを確認し、すぐ沢に返しに行きました。水に放されたザリガニは、しばらくすると元気を取り戻しシュシュッと石の陰に潜っていきました。

 写真:「無事帰還」ニホンザリガニ
    (ちなみにオスでした)

両手にコウヨウ

 吹き荒れる風に逆らうこともなく、むしろ喜んで空へ舞い上がる木の葉はまるで一斉に飛び立とうとする鳥のよう。今日は青空と雨空がぐるぐる交互にやって来て、その度に大きな半円の虹を峡谷に架けていきました。
 9月上旬、大雪山から始まった紅葉もついに層雲峡到着です。石狩川と国道を挟んで対峙する絶壁を見上げれば、これがいわゆる「両手に紅葉」。
 
 16時現在、黒岳7合目の気温は0℃。すでに雪が降り始めています。
 紅葉を追いかけるようにして。層雲峡に雪の匂いが届くのもそう遠くはなさそうです。

 写真:層雲峡地獄谷(10/8)

甘~い紅葉谷

 層雲峡の数ある紅葉スポットの中でも紅葉谷を外すことは出来ません。「もみじ谷」というその名に違わず、周辺にはカエデ類も多く、紅葉を眺めながらゆっくりと山麓の森を散策することができます。
 出勤前、早朝の紅葉谷。真紅に色付いたハウチワカエデをくぐり抜けるとシジュウカラやコゲラがあわててパタパタ飛び回る。坂道を上がるとそこは少し開けていて、立派なカツラの古木が朝霧の中に黄色く浮かび上がる。辺りはカツラから発せられる甘く芳しい香りでいっぱい。
 嗚呼、なんとぜいたくな一日の始まり!
 
 【**紅葉谷をより楽しむために**】
 ビジターセンターではご希望の方に紅葉谷散策マップをご用意しています。また常時、職員による散策案内も行っていますので、どうぞお気軽にお問合せください。

 写真:紅葉谷(10/6)
    7割くらいの色付きです。見頃です!

秋は一日単位で

 「また赤くなってますねぇ~」最近ではこれが朝の挨拶代わり。事務所の窓からバッチリ見える層雲峡の紅葉、昨日より今日、今日より明日・・毎日見ていると、本当に一日単位で峡谷が赤く黄色く色付いていくのがわかります。じっと見ていても何も変わらないように見えるのに、一日経つとちゃんと赤くなっている。人目を忍び、密やかに進行するこのフシギ。
 ロープウェイ車窓からの眺めも、一昨日から比べるといっそう黄色くなり、層雲峡に向かって見下ろす景色がちょうど見頃となってきました。石狩川が削った深い谷間の天辺には、見渡す限りにダケカンバの黄土の森が広がり、突き抜けるような青空との境界を鮮やかに分けていました。

 写真:黒岳5合目展望台より(10/5)
    層雲峡周辺も紅葉が楽しめるように
    なって来ました(!)。

海のような森の上を

 宙を滑るように進むロープウェイ。吸い込まれそうな深い森の上、切り離されたその小さな四角い影がゆっくりとついて来る。ゴツゴツした尾根に囲まれた谷間には、日中もあまり日が射さないのかまだ雪もそのままに。それとは対照的に黄色味を増した日向の裾野はなんとも暖かそう。
 只今、紅葉前線は黒岳3合目付近を降下中。5~4合目付近が見頃です。ロープウェイ車窓からの眺めも、ナナカマドやシウリザクラの赤い斑点がポツポツ広がり始め、だんだん紅葉風景らしくなってきました。ここ数日は天気と冷え込みにも恵まれて、層雲峡温泉も一日ごとに色付きが増しています。見頃は来週後半からになりそうです。

 写真:黒岳ロープウェイ車窓より
     (3合目付近・10/3)
   「四角いゴンドラの影もくっきり」