ヘビノハナ

 つついたら蛇が出てきそうな草むらに奇妙な花発見。コウライテンナンショウといいます。茎にまだらの模様があり、すっと頭を持ち上げて立つ姿がヘビにそっくりなのでマムシグサとも呼ばれます。
 ユニークなのは、いでたちだけではありません。この植物には雄株と雌株があるのですが、栄養状態の良し悪しによって性転換をしているのです。
 種をつくる雌株はそれだけたくさんの養分を必要とします。雄株になるか雌株になるかは前年にどれだけエネルギーを蓄えられたかで決定。球根が太ると雌株になり、痩せると雄株になってしまいます。臨機応変に生きる植物です。

 写真:コウライテンナンショウ
   (雌株です)6/2

今日の黒岳

 9合目の標識の頭が出ました。石室周辺も前回25日よりも少し雪がとけていましたが、やはりまだ2週間ほどの遅れ(昨年比)。ガンコウランもまだ咲いていませんでした。
  
 **今日の装備**
 今日の雪質は湿っていてややザクザク。ただ9合目は固いところもあり、踏み込みが効くプラスチックブーツで登りました。登山靴の場合はアイゼンの準備を。
 黒岳側でヒグマの姿や足跡が頻繁に目撃されています。一昨日は7合目で。なんとダケカンバの樹に登っていたそうです。25日にも赤石川周辺で単独グマの足跡が、凌雲岳で親子グマの足跡がありました。視界不良時は注意してください。クマも登山道も見エマセン。

 写真:黒岳9合目(5/29)

白雲岳と湖

 今年の大雪山の雪解けは、昨年に比べると2週間ほど遅れています(24日現在)。この季節、白雲岳の旧火口底に一時的に現れる湖も、まだ雪解け水が少なく半分くらいの大きさで、周りの地面も大半が雪で覆われていました。昨年同日の白雲岳のようすが「山だよりバックナンバー」(2006年5月25日掲載)からご覧いただけますので、ぜひアクセスしてみてください。雪解けの違いがわかり面白いと思います。
 黒岳も昨年同日はもう9合目標識の頭が出ていたのに、今年はまだ出ていません。ただ、言葉を重ねるようですが、雪解けのスピードはこれからの気温に強く左右されます。遅いと思っていたのに後半一気にすすんだりと、じつに予測泣かせでもあります(じつは昨年の黒岳がそうでした)。
 
 **昨日の装備**
 黒岳9合目付近は、急斜面に加え、アイスバーンに新雪が乗っている状態で非常に滑りやすくなっていました。今回はプラスチックブーツで蹴りながら登る状態。ピッケル持参です。今後、解けて凍ってを繰り返しながら斜面はどんどん固くなっていきます。滑落注意です。

 写真:白雲岳火口底(5/24)
    湖半分できました

クマゲラとミヤマカケス

 話しは少し遡り、先日キョーン・キョーンと甘い声で鳥が鳴いていました。姿は見えませんが特徴のある鳴き方、間違えるはずがあろうかクマゲラだと自信満々のワタシ。ところが昨日その自信を揺るがす出来事があったのです。
 クマゲラが一羽、コツコツと樹を突いていたのですが、それとは別に上のほうからもクマゲラの声が。もう一羽いるのかと見上げるとそこに居るのはミヤマカケス。なんとミヤマカケスがクマゲラの鳴き真似をしていたのです。騙された~!
 じつはカケスは舌が柔らかくモノマネが上手なのです。クマゲラ以外にもトビやフクロウ、小鳥にネコ。図鑑にもちゃんと書いてありました。
「声マネをするので注意」

 写真:クマゲラ雌(層雲峡5/21)

今日の黒岳

 上川公園のエゾヤマザクラが満開です。16日に根室でチシマザクラが開花し、桜前線もついにゴールしたとのこと。とまあそれも水平方向でのことで、垂直方向的にはいまだゴールに非ず、層雲峡への前線到達まではあと一週間くらいでしょうか。
 大雪山となるとそれはさらに先のことで、昨日の雨が黒岳7合目では雪になり、5~10cmの降雪がありました。9合目のダケカンバやハイマツはすっかり樹氷に覆われ、少しずつ膨らんできた冬芽はまた氷に閉じ込められてしまいました。
 
 **今日の装備**
 今日はスノーシューは使わずに長靴で登りました。吹き溜まりの場所(降雪の為)、固く締まった場所と変化が多く、どんな状態でも対応できるよう冬山装備が必要です。

 写真:ダケカンバについた樹氷
   (黒岳9合目・5/19)