新旧交代

 ウラシマツツジという植物は、紅葉期ともなると深紅に染まる葉によってその存在を強烈に主張するのですが、その花はというと、決してイワウメやミネズオウのように目立ちはせず、こそっと淡々と咲いているような印象を受けます。けれど、茶枯れに残った前年葉の中から、押し上げるようにして新しい葉っぱをきゅっと伸ばし、クリーム色の花を咲かせている姿はとてもたくましく愛しく、ついついしゃがみ込んで見入ってしまうのです。
 黒岳山頂から雲ノ平では、イワウメが花どきを迎えています。あさってはいよいよ黒岳の山開きです。

 *開花状況*
 (黒岳山頂~雲ノ平)イワウメ○、キバナシャクナゲ、ミネズオウ、ウラシマツツジ↑、メアカンキンバイ↑/(北海沢)ジムカデ↑、キバナシャクナゲ

 *北鎮岳分岐付近の雪渓は100m以上。急斜面、表面は締まり気味で上りも下りも滑りやすい状態です。赤石川は一部割れてきましたが、まだ雪渓上にコースをとります。北海沢周辺も雪が多く、視界不良時は注意。

 写真:ウラシマツツジ (6/22)
    旧葉と新葉と花

緑岳

(6月20日その2/コース緑岳)

 登山口から花畑までの樹林帯は、数mの雪渓が所々覆い、登山道→雪→登山道→雪・・という状態。雪渓が小さいので道を見失うということはありません。第一花畑から第二花畑の奥までは一面の雪渓ですが、第一花畑の淵に登山道が50mくらい現れ、そのわずかなスペースではキバナシャクナゲやエゾコザクラ、チングルマなどが早くも開花しておりました。これから日を重ねてゆく毎、とけていく雪渓を追いかけるようにして花々が咲く路へと、少しずつ少しずつ・・。
 山頂から小泉岳周辺はミヤマキンバイとミネズオウがやっと咲き始めたところで、イワウメはまだ蕾。開花まではあと数日くらいかかりそうです。
 稜線に小さなウルップソウがひとつだけ咲いていました。

 *白雲小屋、水場使えます。テント場は雪は消えましたが、雪解け後ぬかるんでいるので幕営は難しい状況。

 *開花状況*
(第一花畑)/ミネズオウ↑、キバナシャクナゲ↑、エゾコザクラ↑、ジムカデ↑、チングルマ蕾↑(ガレ場)/キバナシャクナゲ○、ミネズオウ○、ミヤマキンバイ○、イワウメ↑(山頂~小泉岳)/ミヤマキンバイ↑、ミネズオウ↑

 写真:第一花畑 6/19
    (キバナシャクナゲと緑岳)

赤岳

(6月20日その3/コース赤岳)

 銀泉台線道路19日午前11時からいよいよ開通です。約半年間「ウルサイニンゲン」が来なくて伸び伸びしていたのでしょうヒグマの糞がここそこに。スミマセン。またお邪魔します。
 赤岳登山コースは山頂までほぼ全面雪渓と言っても過言ではありません。雪がないのはコマクサ平と、雪渓と雪渓のあいだの平坦な部分くらい。第三、第四雪渓は斜面も急で、早朝は雪が締まって固くなることもあります。ストックは必携。第一花園は、24日の山開きまでには巡視の方が雪を切ってくれますが、長い斜めトラバースには気を使います。
 山頂でユキウサギ見つけ。冬毛から夏毛へと毛変り中で白と茶のまだら模様。長い耳を立てて、キョロキョロと様子を伺い隠れているつもりでも、所詮は中途半端なまだら模様の隠れ蓑。遠くからでも目立ってしまい、風上にいたキツネにまで見つかる始末。あ~あ。

 *開花状況*
(コマクサ平)キバナシャクナゲ○、イワウメ○、ミネズオウ○/(山頂)イワウメ↑、ミネズオウ↑、コメバツガザクラ○

 写真:第一花園(6/19)

五色ヶ原は

 6月も後半になり五色岳方面の問い合わせも徐々に多くなってきた今日この頃。
 沼ノ原湿原までは途中2、3mの小さな雪渓が何箇所かに残る程度ですが、登山道の侵食が年々すすみ地盤が脆くなっています。雪解け後の湿原はチングルマやヒメシャクナゲが開花。キャンプ指定地の大沼は現在満水の為、幕営不可です。湿原の先、五色の水場の急登を越えると、そこからは広大な雪渓の連続。やがてトムラウシ山が左手に見え始めハイマツ帯に入っていくと、雪渓は迷路のようにハイマツと低木類の袖に区切られて、登山道の入り口が見つけにくい事この上なし。ようやく五色岳の頭が見える所まで行くと木道の端が見え隠れしつつも、やはり山頂直下まではほぼ雪に覆われ。
 例年6月中は、視界が悪い日はもちろん、晴れていても迷いやすい(迷う)五色への道。足の裏に伝わってくるドゴンドゴンと流れる沢の音は、雪渓の下に潜む五色ヶ原の心臓の鼓動のようで、いま当分は春まち。

 写真:五色ヶ原中腹部(6/19)

イワウメ咲きました

 突き抜けるような青空が広がりました。今日は旭岳の山開きです。そして層雲峡地区大運動会の日。われらチーム・ビジターはメンバーが足りないので、小学校チームに混ざってリレーに出場したのですが、健闘むなしく予選落ち。景品におやつの袋を頂戴した次第。
 さて、黒岳でイワウメが開花しました。咲きそろうまであと1週間ほどでしょうか。花のほうは昨年と同じくらいのペースで開花しているようです。黒岳は7合目から9合目下まで雪が続きます。9合目はコースの半分ほどとけましたが、山頂直下にはまだ急な雪渓のトラバースがあります。

**開花状況**
 9合目/ショウジョウバカマ、ジンヨウキスミレ(↑)
 山頂周辺/イワウメ(開花↑)、キバナシャクナゲ(↑)、ミネズオウ(○)、ウラシマツツジ(↑)、ミヤマキンバイ(↑)

 写真:イワウメ(黒岳山頂周辺・6/17)