風の日

 午前中いっぱいは雨風ともに治まらず、グオ~ンと突風が吹くたび面白いように木の葉は空中へと投げ出され、着地も束の間にまた空へと舞い戻る。
 ロープウェイも強風のため一時運休。園地に行ってみると、さすがに鳥たちも木陰で雨風を凌いでいるのか鳴き声も聞こえず、見つけたものといえば、誰にも食べられずに横たわっていたトガリネズミの死骸とエゾハルゼミの抜け殻、それとネズミが齧って穴を開けたクルミくらい。春はエゾアカガエルの卵隗とオタマジャクシでいっぱいになる小さな池も、今は大量の落ち葉に占領されている。風が吹く毎に森の見通しは良くなり、パノラマ台の途中から白い黒岳を眺めていると、再開したロープウェイがゆっくり上がっていくのが枝越しに見えていた。

 写真:ダケカンバの森 
    (ロープウェイより 10/22)

スコップは高く

 半年以上。もう来年の春までこの雪がとけることはありません。一歩踏み外してズブブブブ・・よろけたところでズブブブブ・・。深雪に足をとられながら辿り着いた石室の姿に思わず一言「え。」1mを越す雪の壁は屋根とつながり、裏側の冬期出入り口もすでに半分くらいが埋没。
 石室の裏手には、ちょうど屋根上の高さの所にスコップがぶら下げてあります。雪に埋まった入り口を掘り出す為に備えてあるのですが、何故わざわざ高く?でもこの高さでないと意味がナイ。
 お察しのとおり、理由は積雪量。冬の石室は屋根まですっぽり雪の下。スコップが深く埋まっていたらちっとも役に立ちませんから。

 *黒岳積雪(10月18日付)
   5合目/10cm、
   7~8合目/20~30cm
   9合目~山頂直下/40~60cm
   山頂~石室/5~40cm
   (石室前の吹き溜まりでは1m以上)
 *黒岳リフトは切替作業の為11月8日まで運休中

 写真:黒岳石室(10/18)

エゾリス風キノコ御飯

 枯れ木も山の賑わいとはよく言ったもので、茶色くなっても不思議と葉が落ちずに持ちこたえ、またこれはこれで風情もあろうと。
 さて、紅葉見物の賑わいも納まり、ふたたび平穏を取り戻し始めた森では、樹々の間を軽々と跳ね回るエゾリスの姿をよく見かけるようになりました。今年はキノコが豊作?キノコをくわえている場面によく出くわします。ひょいっと見上げると、幹と枝の隙間にはちゃんとキノコが挟んで掛けてある!しっかり乾燥して干し椎茸のようにカラカラになったキノコから、まだ採ってきたばかりの肉厚なキノコまで。エゾリスの大切な保存食です。
 ハイ、そりゃもうなんと言っても天日干しに限りますよね~。ビタミンDは増えるしいいこと尽くめ。

 写真:キノコを食べるエゾリス
   (層雲峡園地 10/16)

冬スイッチ

 建物の陰にはまだ雪の固まりが残っていますが、温泉街の道路はすっかり乾き、カラ風に砂埃をあげています。それでもいったん冬スイッチが入ると、壊れた色素はもう元には戻らず、樹々の葉は随分と色褪せてしまいました。
 黒岳はといえば、益々厚く白を重ね、すっかり冬山の様相へと転身し、5合目から7合目を繋ぐペアリフトも明日からスキーリフトへの切り替え工事が始まります。そして来月9日、いよいよ黒岳スキー場オープンの運びとなります。
 (*切替工事の間はリフトは運休となります。
   運休期間/10月16日~11月8日
  スキー場オープンは積雪状況で変更となる場合あり)

 写真:「マタタビペアリフト」層雲峡10/15

カエルデ

2007年10月13日(その2)

 
 
 葉っぱの形がカエルの手、カエルデ、カエルデ・・カエデとなったとか。
 紅葉谷の入り口は上も下も赤い蛙手がいっぱい。

 写真:ハウチワカエデ/羽団扇楓(紅葉谷)