クマゲラ

 クマゲラの抱卵が始まっています。順調にいけばもう間もなく雛が孵る時期です。
 クマゲラの産卵は5月頃行われます。卵が産まれると、オスとメスは交代で約2週間卵を抱き続け、雛が孵ります。雛への給餌もオスとメスが交代で行います。雛は6月下旬頃に巣立ちますが、その後もしばらく親と一緒に過ごし、秋頃独り立ちします。
 さて、警戒しないように離れて観察を続けていると、オスが戻ってきました。「おーい、交代だよ~」。巣の入り口で中を覗くオス。てっきりオスは、メスが巣から出てくるのを待ってから、中に入るのだと思っていました。メスのときは、ちゃんとオスが出るまで外で待っていたからです。ところがオスは、それが待ちきれなかったのか、メスが出る前に強引に中に入ろうとします。メスはメスで外に出ようするけれど、入り口を塞ぐオスが邪魔。
 仕方がナイ。メスはオスの背中をむんずと踏み台にして、素っ飛ぶように行ってしまいました。

 写真:クマゲラ雌(5/24)

冬虫夏草?

 カッコウも鳴いたことだし、新しい緑でも植えようかと庭を穿り返していたら、土の中から思わぬものが転がり出てきました。萎びた幼虫からにゅ~っと伸びる怪しげな物体。こ、これはもしかして、あの有名な昆虫などから生えるというキノコ、冬虫夏草?
 この不思議なキノコは子嚢菌類に属する寄生菌で、種類によって寄生する昆虫などはそれぞれ違います。そういった虫に寄生する菌類をまとめて「冬虫夏草」というのかと思っていましたが、調べてみるとじつは狭義の冬虫夏草とは、チベットなどに生息するある種の蛾の幼虫に発生する一つの種を指すのだそうです。残念、ここはチベットじゃないし、そんな蛾もいません。
 さてさて、セミにカメムシ、アリにトンボ・・菌は生きた虫たちの体内に菌糸を伸ばし、やがて体中菌糸でいっぱいになった虫は死んでしまう。菌はさらに地上へ向かってキノコを伸ばし、胞子をばらまき、ここに目的を果たすのでございます。
     
           ~ホラーなキノコたち

           写真:虫草(5/23)

クマフン

 

 もうじきフキの美味しい季節です。
 伸び始めた道端のフキに目をやりながら、そんなことを考えていたら、間のいいことにフキの糞が落ちているではありませんか。正確には、フキを食べたヒグマの糞です。
 あれ失礼しました。ここはあなたの「畑」でしたか~。

 

 写真:ヒグマの糞(5/18)

ちょっと白くなりました

 このところ、麓でも雪が降ったり霜が降りたりと、肌寒い日が続いています。おかげで5月初めの時点では約1ヵ月早かった山の雪解けも、ここにきて失速。7合目、8合目、9合目、石室周辺は2週間前よりも約20センチ積雪が減っていましたが、山頂からポン黒岳までの登山道には、数日前の雪が新たに5~15センチ積もっていました。北鎮岳も真っ白にお化粧直しして、現時点では、昨年と比べて9合目で約2週間、山頂稜線で2~3週間の先行。開きが少しつまってきました。
 それからもうひとつ。今日はポン黒岳のガレ場から懐かしいナキウサギの鳴き声が聞こえてきました。
 
 【7合目の積雪】110センチ
 【今日の装備】9合目までは雪が締まっていたので、つぼ足で登りました。9合目から山頂までは相変わらずこわい急斜面です。上級者向け。*5合目リフトは夏期準備のため運休中(5/29まで)

 写真:黒岳山頂より北鎮岳方面(5/14)
    登山道に雪が積もりました

雲井ヶ原湿原

 今日は観察講座で雲井ヶ原湿原へ行きました。今回の主旨は、登山シーズンに向けての体力づくり。健康運動指導士の方を講師に招き、雲井ヶ原湿原までのトレッキングと、後半は室内で基本的な歩き方と健康についての座学を行いました。準備運動から、行動前行動中の水分補給の仕方、下山後のストレッチ法など、体に優しい様々なコツを学び、最後は愛山渓温泉で疲れをほぐして講座の結びとなりました。面倒だから準備運動はつい省略、山では水分は摂らないかも、登ったら即帰る、次の日(あるいはその次の日?)も何となく体がだるいんだよね~という経験はありませんか?疲れを残さぬ明日のために、来年も実施予定です!ご参加お待ちしております。

 写真:残雪の雲井ヶ原湿原(5/11)