雲ノ平

 雲ノ平も、雪解け間もない所はまだ地面がぐにゃぐにゃとしていて、敷布団の上を歩いているようで頼りありません。それに、足跡が残ってしまうのも、何となく申し訳ないような気持ちになります。
 今のところ、雲ノ平も開花が特に早いということはないようです。コメバツガザクラとガンコウランは開花していますが、蕾も多くまだ咲き始めです。ちょっとくらい咲いているかなと思ったウラシマツツジとミネズオウは、蕾しか探せませんでした。キバナシャクナゲも固い蕾をぎゅっと閉じています。
 一方、この雪解けの早さに、開花時期が早まる可能性があるものも・・。たとえば黒岳7合目から9合目の植物や、雪渓の下の植物たち。さてどう進むのか、これからも目が離せませぬ。
【開花状況】
(黒岳8~9合目)ショウジョウバカマ/(山頂~ポン黒岳)コメバツガザクラ・ウラシマツツジ・ミネズオウ・ガンコウラン蕾~開花、ミヤマキンバイ1株開花、キバナシャクナゲ蕾/(雲ノ平)コメバツガザクラ・ガンコウラン蕾~開花、ウラシマツツジ・ミネズオウ蕾

【登山道】
 黒岳斜面、表面はザクザクしていても雪は締まって固く、足元ズルっと滑りやすい。9合目マネキ岩周辺、特に下りは慎重に。転倒すると止まりません!

 写真:雲ノ平(6/3)
    ミネズオウ、蕾でした

バードウォッチング

 今日は愛山渓周辺で野鳥観察会を行いました。講師に鳥類研究者の方をお招きし、鳴き声も含めると23種ほどの野鳥を確認しました。
 今回観察を行った小屋の沢周辺は、ちょうど平地で見られる鳥と亜高山で見られる鳥の境界線になっているため、鳥の垂直分布を観察するにはとても良い場所なのだそうです。聞いているこっちが苦しくなるくらい囀り続けるウグイスに、複雑な節回しで歌うミソサザイ。とても口真似はデキマセン。
 「鳴いてるけどど~こ~?」。新緑に上手に隠れる鳥たち。けれどこちらには頼もしい先生がついています!センダイムシクイ、ウソ、アオバト、クロジなど姿も13種ほど観察できました。
 望遠鏡で見たウソの胸元、朱色の羽根のなんと美しいこと。今日はレンズの向こうの新しい世界を覗いてみました。

 写真:「ゲートの柱もテリトリー」
       ~クマゲラのシワザ (6/1)

とけた!

 やや足踏みしたとはいえ、それでも雪解けはまだ早い。
 とくに、中腹部7合目8合目は見る見るとけて、7合目標柱は半分、8合目標柱は完全に現れました。去年と比べると2週間からそれ以上の進み方です。9合目も標柱とベンチが出て、やはり雪解けは早いのですが、7・8合目ほどの進み方ではありません。何だかいつもの年と逆転している感じ。
 9合目マネキ岩付近は例によって急斜面。雪が締まっているので登るにもキックしながら一歩一歩。上から見下ろすと深い谷に吸い込まれそう。山頂直下は登山道が出てきました。足元のショウジョウバカマが可憐です。ルリビタキやノゴマ、カッコウの声もあちこちから聞こえてきます。春ですね~。

 写真:「急っ!」
    (9合目マネキ岩付近 5/31)
     写真左下隅の小さな影は人物

コメバツガザクラやらウラシマツツジやら

2008年5月31日(その2)

 さて、今年は高山植物の開花も早いのか?とても気になるところです。目下、山頂稜線は去年と比べ2週間ほど早い雪解けですが、開花時期はどうでしょう。
 山頂からポン黒岳の間で、いちばん開花が進んでいたのはコメバツガザクラ。ウラシマツツジやガンコウランはまだほとんど蕾。ちゃんと咲いているのはごくわずかです。ミネズオウもピンクの蕾。花はないかと這い蹲って探したら、登山道沿いで2輪咲いていました。
 正直、幾分早いかなとも思いましたが、雪解けの早さのようにびっくりするほど開花が進んでいるという印象はあまりありませんでした。
 振り返れば、5月後半は気温が低い日が続き、山は何度か降雪がありました。黒岳山頂のように、冬でも雪があまり積もらない風衝地に生育する植物の開花には、温度条件が大きく関わってきます。そのため、これらの開花が思うほどには早まらなかったのでしょうか?

 写真:ウラシマツツジ蕾と花
   (後ろは北鎮岳 5/30)

黒岳のサクラ

 
 
 黒岳5合目高松台で、チシマザクラが咲き出しています。例年黒岳の桜が開花するのは6月上中旬頃。今年は先週22日に最初の蕾がほころび、約2週間も早い開花となりました。やっぱり暖かかったんですねぇ・・。
 今はまだ蕾も多いので、来週までゆっくりお花見ができそうです。

 
 写真:チシマザクラと黒岳(5/29)