ピウケナイ沢

(その2)

 ピウケナイ沢です。
 ドウドウと雪解け水が流れ込むその川底に、古の遺物のように沈む蛇カゴ・・・。雪渓もすでに落ちているので、通過するなら水の中を渡るしかありません。流れに勢いがあるので、ふくらはぎ位まで水がせり上がってきます。長靴でギリギリ。昨日は蛇カゴよりもやや上流の、いくらか浅そうな場所を選んで渡りましたが、それでもストックで支えないと足元を取られそうでした。
 
 【雪渓】ピウケナイ沢の両岸には急な雪渓が付いています。裾合分岐までは雪渓と歩道が交差するので歩道の入り口を確認しながら。分岐近くには150メートルくらいの雪渓があります。

 写真:ピウケナイ沢(6/18)

黒岳

 登山道でないところは雪渓がとけているけれど、登山道は雪。黒岳7合目から9合目下まではちょうどそんな状態で、まだ9合目下までは、途切れながらも大半が雪渓歩きになります。60メートルくらいの急な雪渓が2ヶ所。ほかは分断されてきましたが、小さくても急な箇所が数ヶ所あります。岩と岩の間は雪渓が薄くなっているので踏み抜きにも気を使います。足元がズルズル滑って歩きにくく、昨日は下山で結構くたびれました。足元の装備はしっかりと。
 9合目から山頂までは雪渓を2ヶ所残すのみです。うちひとつはマネキ岩付近の雪渓。今まではショートカットが可能でしたが、潅木類が出てきたので登山道に沿ってルートをとります。50~60メートルの斜めトラバースがあります。
 9合目ではジンヨウキスミレの開花が進んできました。エゾノイワハタザオも淵を飾っています。それから、日に日に膨らむクロユリの蕾チェックも欠かせません。

 写真:黒岳9合目マネキ岩付近 (6/17)
     登山道の淵が見え始めてきました。
     雪渓トラバースはこの下に。

お鉢平へ

 世の中にはどういうわけか、雨や雷にめぐり合わせが多いという人がいるけれど、Kさんもそんな一人。山に行くとなぜか雨が降るんだそうです。今日は石室の荷揚げに行くとのことで、「晴れないかもね~」と冗談半分。外は霧、山も全然見えないし、やっぱり?密かにKさんの背中を見つめるワタシ。でも上は青空で、お鉢周りにはまずまずでした。
 さて、黒岳周辺ではまだほんのいくつかですが、イワウメが咲き始めました。雲ノ平は入り口付近で少し開花しています。ただ、何となく蕾が少ないように感じるのは、まだ蕾が小さく未熟だから?それとも花芽自体が少ないのか?もう少し様子をみたいところです。お鉢周りのイワウメは固い蕾が多く、まだ咲いていませんでした。ミネズオウやコメバツガザクラなども全般に黒岳周辺よりは遅めです。

 【雪渓状況】
 北鎮岳肩の雪渓は直登で約130メートル。今日は表面は比較的ザクザクしていましたが、硬く氷状になっている所もあります。特に下りで通るときは斜度、距離ともにあるので要注意。この時期はまだ雪渓が盛り上がるように付いています。
 赤石川渡渉地点は、雪渓が窪んで丸く穴が開いていました。覗くと川の流れが見えます。今は下流の雪渓の上を歩きます。北海沢渡渉地点はまだ雪渓の下。周辺はまだ雪渓が多いので視界不良時は注意。
 
 写真:北鎮岳分岐下の雪渓(6/17)

まだらうさぎ

 

 
 今年も稜線に‘まだらうさぎ’が出没しています。
 正しくは換毛途中のエゾユキウサギ。真っ白な冬毛から、茶色の夏毛へと、ユキウサギも衣替えの季節です。
 

 
 写真:エゾユキウサギ(雲ノ平にて)

イワウメの蕾

 イワウメはだいたい例年並のようです。
 黒岳山頂から雲ノ平にかけて、イワウメの蕾がぷくっぷくっと膨らんできました。まだ固い蕾が大半ですが、丸まった白い花びらが、少~し覗いているものもありました。来週は、一番手の花がいくつか咲きそうです。でも全体が咲きそろうのはやはり6月下旬でしょうか。
 
 【登山道状況】
 展望台から見ると、黒岳斜面の雪はほとんどとけたように見えます。つづら折の登山道の道筋も見えるようになってきましたが、実際は8合目までは大半が雪渓歩きになります。足元を取られ歩きにくい状態。足元装備はしっかりと。9合目から山頂までは、ほぼ登山道が出ています。雪渓は2ヶ所のみ。マネキ岩付近の急斜面についたコワイ雪渓は、斜めトラバースが30~40m、直登部分は10mくらい。小さくなりましたが、油断は禁物。

 【開花状況】
 (9合目)ジンヨウキスミレ咲きました。山頂直下のハクサンイチゲも1株開花/(山頂~雲ノ平)ウラシマツツジ、コメバツガザクラ、ミネズオウ、ミヤマキンバイ、キバナシャクナゲ(キバナシャクナゲは山頂○、雲ノ平は開花数輪~蕾)

 *黒岳石室営業開始日変更のお知らせ*
 6月6日付けの掲載で、営業開始日を6月9日とご案内しましたが、6月15日(日)に変更になりました。なおトイレは使用できます。

 写真:イワウメの蕾と北鎮岳(雲ノ平・6/12)