抜け殻



 真っ白い風がぐるぐると渦を巻きながら次々と通り過ぎて行きます。外に出るのも憚られるこんな日に、

   雨ニモマケズ
   風ニモマケズ
   雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
   丈夫ナ・・・蝉の抜け殻がありました。

        (「雨ニモマケズ」/宮沢賢治より)

「たまたま」が重なり・・

 黒岳がよく見えます。9合目マネキ岩の影までリアルに映り「おいで~おいで~」と手まねきしています。
 午前中はスノーシュートレッキングで大函へ行きました。そこで参加者のひとりが面白いものを見つけました。落ち葉が描いた円の軌跡です。たまたま落ちた枯葉の軸が、たまたま雪に刺さる格好になり、そこにたまたま風が吹いてたまたま葉っぱがクルクルと回転した。上手いなぁ。こういうのを‘自然のいたずら’というんですね。

 写真:「円」

ヤナギ

 いくら青空が力強く輝いても、冬の短い陽に凍った空気をとかしきるほどの威力はありません。桜の開花予想が発表されても春など先の先、まだまだ無縁だろうと背中を丸めていましたが、沢のほとりに銀色に膨らむヤナギの花穂を見つけました。
 春早くから開花を始めるヤナギはわずかな温度差にも敏感です。時期がきて、もういいかなと思えば大事に花芽をくるんでいた赤い芽鱗はするりとほどけ、柔らかな銀色の「猫」が現れます。

クモの巣

 


 
 寒さが続きます。
 軒下のクモの巣もパリパリと凍っていました。

アニマルトラッキング

 子供の頃、期待に胸を膨らませウサギの足跡を辿ってみたことがあります。家の畑から出発。長丁場に備えてお弁当も持ちました。結局一度も成功したことはなく、途中で遠出に不安になるか、疲れるかして戻ってくるのが常でしたが、雪の上の足跡はウサギの存在を現実のものとして見せてくれます。今でも生々しい足跡にはついつい釣られてしまいます。
 さて、来る2月3日(日)、センターでは観察講座「アニマルトラッキング」を行います。足跡や食事痕を探しながら動物の行動を探ります。今回は猟友会の方を講師に招き、動物たちの面白い習性などについても伺いたいと思います。ご参加お待ちしております。

 *募集受付 1月30日(水)から前日迄。先着順
 詳細についてはセンターまでお気軽にお問合せ下さい。

 写真:キツネの足跡