“最後の””春”””

“ ほとんどのコースで登山道上の残雪がなくなったこの時期、最後まで残っているのが赤岳第二雪渓。のこりわずか20メートル弱とはいえ、下りで疲れた足では踏ん張りも利かず、転倒することも……。気をつけるにこしたことはありません。雪解けの遅い雪渓周辺にはまだ春の花が咲いています。最後の””春””を楽しみたい方はお早めに。

[開花状況]
(コマクサ平)ウメバチソウ↑、イワブクロ↓、コマクサ↓、チシマツガザクラ◯
(第二雪渓)ウサギギク◯、ジムカデ◯、アオノツガザクラ↑、コガネギク↑、エゾコザクラ↓、エゾヒメクワガタ↓、チングルマ↓、ハクサンボウフウ↓
(第一花園)ウサギギク↑、コガネギク↑、アオノツガザクラ↓、エゾヒメクワガタ↓、カラマツソウ◯、チングルマ↓、ハクサンボウフウ↓

写真:赤岳第二雪渓(7/29)”

花もまばらに・・・

 下界はまだまだ夏景色ですが、山の上ではそろそろ秋の気配がしてきました。日差しは強くても吹く風はひんやりと乾き、足元の花もミヤマリンドウやイワギキョウなどが多くなり夏から秋の花への移行期となってきました。

【開花状況】
(黒岳9合目)ダイセツトリカブト↑、チシマノキンバイソウ↓/(黒岳山頂)イワギキョウ○、コマクサ↓、エゾツツジ↓、チシマツガザクラ↓、イワブクロ↓/(黒岳石室)ミヤマリンドウ○、コガネギク○

写真:羽毛状になったチングルマ(黒岳石室周辺・7/28)

エゾツツジ満開

 山の上で、今もっとも旬な花のひとつはエゾツツジです。黒岳山頂や小泉平の風衝地の斜面で群生して咲いています。特に黒岳周辺のエゾツツジは去年よりも数が多く、見ごたえがありますが、少し花の痛みが目立つようになってきています。

 写真:黒岳山頂(7/20)

黒岳は花のピーク

 20日は朝からどんよりと低い雲が空全体を覆い、今にも雨が降りそうな天気でした。しかしどんよりとした空模様とは対照的に山の上では高山植物の花々がピークを迎えています。黒岳周辺で特に大きな群落が見られたのは、黒岳山頂のエゾツツジ・チシマツガザクラ、石室周辺はエゾノツガザクラ、赤石川周辺はチングルマ・ミネズオウ・コザクラ、北海沢周辺はイワヒゲ、北海岳中腹はイワブクロなどが見られました。

【雪渓情報】
登山道上に残る雪渓は赤石川周辺で3m、北海沢周辺で8mです。北鎮岳分岐下の雪渓は解けてなくなりました。

 写真:黒岳石室周辺のエゾノツガザクラ群落(7/20)

コマクサ平のコマクサ

 ここ数日の雨でコマクサ平のコマクサも、そろそろ終わりかなと思いながら赤岳まで行ってみると、意外にまだまだ花に勢いがあって形も色合いもしっかりしているではありませんか。多少の花の痛みはあってもまだまだ見頃。だけど来週まで持つかな?

【雪渓状況】登山道上に残る雪渓は、残すところ第2花園の約40mのみになりました。第1花園の雪渓は20日午前中でなくなりました。

【開花状況】
(第1花園)ウサギギク○、チングルマ○、ウコンウツギ○(第2花園)エゾコザクラ○、チングルマ↓(奥の平)チングルマ○、アオノツガザクラ○、エゾノツガザクラ↓(コマクサ平)コマクサ○、チシマツガザクラ○、イワブクロ○(第3雪渓)エゾヒメクワガタ○、ミヤマリンドウ○、イワギキョウ○(第4雪渓上部)チングルマ○、エゾヒメクワガタ○、アオノツガザクラ○

写真:コマクサ平(7/20)