一辺の雲もなく……

あわてて駆け込んだロープウェイのなかで帽子を忘れてきたことに気づき、窓から外を見るも、一片の雲もなし。こんな日に手ぬぐいやタオルを帽子がわりにして歩くと、山から帰ってくる頃には、額の真んなかにクッキリと痕が……。顔が売りモノの職種の方は、イメージダウンにつながりかねないので、じゅうぶんご注意を!

[開花状況]
(黒岳登山道)
ダイセツトリカブト↑、エゾニュウ↑
(黒岳山頂)
イワギキョウ◯
(黒岳石室)
ミヤマリンドウ◯
(雲ノ平)
ミヤマリンドウ◯、チングルマ(綿毛↑)

写真:ポン黒岳の岩場で鳴き交わすナキウサギ。手前の岩の上と、ハイマツの奥にもう一個体。(8/5撮影)

ヒグマ出没注意

 今年は5月初旬から山麓部でもヒグマの目撃が多く、センターにも随分と「クマ、見ましたよ」という情報がありました。最近ではユニ石狩林道周辺に出没しているとの情報があるので、これから山などに登る予定でいる方は鈴などを持ち十分注意して入るようにしてください。

*大雪山周辺にはどこにでも羆が生息していることを忘れずに!

写真:ナナカマドの実とフキを食べた羆の糞(ユニ石狩林道8/1)

ナキウサギ

 4月初旬からナキウサギの声は、よく聞いていましたが「声は聞こえど姿は見えず」といった具合で、なかなか観察することはできませんでした。しかし8月に入り活動も少しずつ活発になってきたでしょうか足元近くの岩の間から毛並みの整ったナキウサギがひょっこり顔を出してくれました。見た目はのんきな顔をしていましたが、これから晩夏から晩秋にかけては厳しい冬に備え、いっそう活動的に動きまわることでしょう。

写真:岩の隙間から顔を出したナキウサギ(8/1)

緑岳のようす

 緑岳山頂から白雲岳避難小屋コース上では、チシマギキョウの大きな株が道沿いの至る所で見ることができ、花の少なくなったこの時期としては数少ないおすすめの花コースのひとつとなっています。

【開花状況】
(緑岳第1花畑)ミヤマリンドウ○、ヨツバシオガマ○、チングルマ(雪解けの遅いところでは一部群生)/(第2花畑)アオノツガザクラ↑、エゾコザクラ ○、ミヤマキンバイ○、チングルマ○/(緑岳山頂)タカネツメクサ↓、エゾツツジ↓、チシマギキョウ○、イワブクロ↓/(白雲小屋)ウサギギク○、ヨツバシオガマ↓、ダイセツトリカブト↑、チシマギキョウ○、クモイリンドウ蕾

【雪渓状況】
緑岳第1花畑に約20mほどが残るのみとなりました。

写真:緑岳山頂稜線に咲くチシマギキョウ(7/28)

“季節は””青””へ”

“ 黒岳へむかう途中のリフトから空一面に広がったウロコ雲が目に入りました。空気は爽やかで空は高く、山には一足先に秋が来ているようです。歩いていて目に留まるのはやはり青い花。ダイセツトリカブト・イワギキョウ・ミヤマリンドウはそろそろ見頃です。””青””が主役になるのは、季節が夏から秋へとむかっている証拠。空の青と花の青、空模様と花模様がみごとにシンクロしている今日の大雪山でした。

[開花状況]
(北海平)イワギキョウ↑、ミヤマリンドウ◯、ヒメイワタデ◯、エゾヒメクワガタ◯、イワブクロ↓、チシマツガザクラ↓、ハクサンボウフウ↓
(小泉平~赤岳)ヒメイワタデ◯、エゾツツジ◯、ミヤマリンドウ↑、リシリリンドウ↑、チシマギキョウ↑、イワギキョウ↑チシマツガザクラ◯
(第三・第四雪渓)ミヤマリンドウ↑、イワギキョウ↑、ヨツバシオガマ↓、エゾヒメクワガタ↓、ハクサンボウフウ↓

写真:早咲きの大スター・チョウノスケソウと遅咲きの貴婦人・リシリリンドウのツーショット。両方いっしょに見れるのはこの時期のみ(小泉平・7/29)。”