寒の戻りホオジロの戻り

 冬の間、南へ渡っていたホオジロが戻ってきました。懐かしい声が林縁に響きます。でも冷たい雪が吹き付けるこんな日は、やはり囀り日和ではないと思ったのか、ニ度三度囀るとすぐにパタパタと藪の中へ隠れてしまいました。
 一度緩んだ体に春の雪は堪えます。今朝は公園の福寿草もぴたっと花びらを閉じたままでした。

 写真:福寿草(上川 4/1)

冬眠開けて

 


  
  ヒグマも目を覚ましました。
  緊張の一瞬です。





写真:ヒグマ(雄)の足跡/手足横幅16.5cm
   
   縦長なのが後ろ足跡、横広なのが前足跡
   周りのハート型はエゾシカの足跡です

ネコヤナギは北を向く?

 猫柳の花が咲いていました。花びらこそありませんが、紅色の小さなひとつひとつが花です。この多数の花が集まって、あの繭玉のような銀色の花序をつくっています。
 ところで、花の咲き方で面白いことがわかります。春早くから開花するため、温度差にとても敏感で、ひとつの花序でも太陽の光をいちばん受ける部分から咲き始めます。つまり南側に面した花から。そして南側の部分だけが急に膨らむ結果、花序のかたちは丸まった毛虫のように反り返ります。しかもその先端は北を指して。このような植物は方向指示植物といわれ、他にはコブシなどもそうです。
 本当に北を向いているのか?審議のほどはコンパスで。

         参考/木の見かた、楽しみかた 
            ツリーウォッチング入門

 写真:ネコヤナギの雄花序 (3/24) 

舟掘る神様

 嘴一つ。
 さすが日本最大のキツツキともなるとダイナミックです。クマゲラが採餌したあとは、大胆に剥ぎ取られた木片が山のように積まれて、まるで大工仕事の後のようです。
 先日、上空からコロコロコロコロ・・とクマゲラの声が聞こえてきました。まだ冬から春への切り替わりができていない頭の中を、ほらほらと揺すられ、何となく気もそぞろになるのも毎年のことです。

 写真:クマゲラの食痕(3/21)
    アイヌ語名/チプタチカプカムイ 他
         (舟・掘る・鳥・神)

ヤドリギ計画

 よそ様の木の枝に根を下ろし、半分寄生しながら年中緑色の球体を茂らすヤドリギ。見た目もオモシロイし、その実を食べにヒヨドリやキレンジャクなど野鳥たちもやって来る。それで、庭にヤドリギがあったらいいのにねぇという話になりました。
 (←)鳥の糞です。中にヤドリギの種が入っています。ヤドリギの実はとてもねばねばしていて、鳥に食べられても消化しきれず、堅い種とネバネバは糞として排泄されます。鳥のお尻から落ちた種入りネバネバ糞は、納豆のように糸を引いてまた別の枝にペタっと張り付き、芽生えます。さらにネバネバは種を乾燥からも守ってくれます。
 けれど、それでもいつも上手くいくとは限りません。どこに種が落ちるかは鳥まかせ。そういうわけで「庭にヤドリギ計画」も長期化しそうです。

 写真:運悪く地面に落下してしまった種