白雲小屋

コースその2:緑岳~白雲小屋(3)

 やっぱり出てた。
 白雲小屋のテント場がもう出ています。地面も落ち着き、湿っている程度でぬかるむことはありません。テントも張れます。正規の水場はまだ出ていませんでしたが、周辺に流れる水を利用できます(要煮沸)。
 板垣新道には例の如く平坦で大きな雪渓が横たわっています。まだ目印はなく、小屋へ向かう登山道の入り口が見つけづらい状態です。小屋はすぐソコといっても侮れません。要注意。

 *白雲小屋の有人管理は6月17日から。それまでは2階出入り口を利用してください。

 【開花状況】
 (緑岳山頂~板垣分岐周辺)ミヤマキンバイ・エゾコザクラぱらぱら開花。ミネズオウ蕾、ホソバウルップソウ蕾/(小屋周り)ウラシマツツジ○、コメバツガザクラ蕾~開花、ミネズオウ蕾~開花、キバナシャクナゲ蕾

 写真:白雲小屋テント場全景(6/10)

五色ヶ原

 今シーズン最初の五色ヶ原です。
 登山口から沼の原湿原までは、侵食のすすむ急登から先に、2~数メートルの小さな雪渓が何箇所か残っているくらいで、ほぼ道は出ています。湿原は、ワタスゲが黄色い花を咲かせ(気付かれないくらい地味だけど)、ヒメシャクナゲはピンクの蕾。この時期、大沼は満水のため幕営不可です。
 湿原を過ぎ、五色の水場への下りから雪が多くなります。水場先の急登上部の雪渓を登り、登山道→雪渓→登山道→雪渓ときて、平坦な‘五色ヶ原’看板地点に到着。沢に沿って進路を左に折れると、そこから先は、雪渓・雪渓・雪渓。ハイマツ帯まで延々と。雪渓と雪渓の間に登山道が一部出ている箇所もありますが、笹に覆われ近づかなければ入り口を見つけるのは困難。ハイマツ帯から木道が出てきますが、五色岳山頂直下にはまだ雪渓が大きく広がっています。
 雪がとけた所ではショウジョウバカマがぽつんぽつん咲き始め。ホソバウルップソウの蕾、ありました。

 写真:五色ヶ原とトムラウシ山(6/10)

山のスケジュール

 雨粒を飛ばしながら新緑がワサワサと揺れています。じり貧の林道の水溜りに棲まうオタマジャクシとエゾサンショウウオの幼生は、この天の計らいに明日へとまた命を繋ぎ、少し面積の増えた水溜りの中で尾をくねらせ泳いでいます。
 さて、大雪山は今月下旬に山開きを控え、いよいよシーズン到来となりました。山小屋と林道に関するスケジュールが決まりましたので、お知らせいたします。

【山】旭岳安全祈願祭 6月21日(土)
   黒岳安全祈願祭 6月28日(土)

【林道】高原温泉線  6月7日(土)午前9時半~
    赤岳銀泉台線 6月19日(木)午前11時~
 *なお沼の原方面林道は、高原温泉線開通に伴い通行できますが、ゲートは施錠されていますので、事前に鍵番号をお問合せ下さい。
       問合せ先:上川中部森林管理署
             01658-2-2001
            層雲峡ビジターセンター
             01658-9-4400

【山小屋・トイレ】
  黒岳石室営業    6月9日より*トイレ使用可
  白雲小屋有人管理  6月17日より*トイレ使用可
  沼の原登山口トイレ 6月10日より使用できます

 写真:黒岳石室(6/3)

雲ノ平

 雲ノ平も、雪解け間もない所はまだ地面がぐにゃぐにゃとしていて、敷布団の上を歩いているようで頼りありません。それに、足跡が残ってしまうのも、何となく申し訳ないような気持ちになります。
 今のところ、雲ノ平も開花が特に早いということはないようです。コメバツガザクラとガンコウランは開花していますが、蕾も多くまだ咲き始めです。ちょっとくらい咲いているかなと思ったウラシマツツジとミネズオウは、蕾しか探せませんでした。キバナシャクナゲも固い蕾をぎゅっと閉じています。
 一方、この雪解けの早さに、開花時期が早まる可能性があるものも・・。たとえば黒岳7合目から9合目の植物や、雪渓の下の植物たち。さてどう進むのか、これからも目が離せませぬ。
【開花状況】
(黒岳8~9合目)ショウジョウバカマ/(山頂~ポン黒岳)コメバツガザクラ・ウラシマツツジ・ミネズオウ・ガンコウラン蕾~開花、ミヤマキンバイ1株開花、キバナシャクナゲ蕾/(雲ノ平)コメバツガザクラ・ガンコウラン蕾~開花、ウラシマツツジ・ミネズオウ蕾

【登山道】
 黒岳斜面、表面はザクザクしていても雪は締まって固く、足元ズルっと滑りやすい。9合目マネキ岩周辺、特に下りは慎重に。転倒すると止まりません!

 写真:雲ノ平(6/3)
    ミネズオウ、蕾でした

バードウォッチング

 今日は愛山渓周辺で野鳥観察会を行いました。講師に鳥類研究者の方をお招きし、鳴き声も含めると23種ほどの野鳥を確認しました。
 今回観察を行った小屋の沢周辺は、ちょうど平地で見られる鳥と亜高山で見られる鳥の境界線になっているため、鳥の垂直分布を観察するにはとても良い場所なのだそうです。聞いているこっちが苦しくなるくらい囀り続けるウグイスに、複雑な節回しで歌うミソサザイ。とても口真似はデキマセン。
 「鳴いてるけどど~こ~?」。新緑に上手に隠れる鳥たち。けれどこちらには頼もしい先生がついています!センダイムシクイ、ウソ、アオバト、クロジなど姿も13種ほど観察できました。
 望遠鏡で見たウソの胸元、朱色の羽根のなんと美しいこと。今日はレンズの向こうの新しい世界を覗いてみました。

 写真:「ゲートの柱もテリトリー」
       ~クマゲラのシワザ (6/1)