オオルリ

今朝は沢沿いの林道でオオルリを見つけました。寝ぼけた目に飛び込んでくる瑠璃色の美しい羽色は、衝撃的で思わず唸ってしまいそうになりました。この時期はオオルリを含めた多くの野鳥が層雲峡周辺で見ることができ、今朝はコマドリ、ルリビタキ、クマゲラ、アリスイ、トラツグミなどが観察できました。

写真:沢沿いの樹木に止まるオオルリ

黒岳石室

昨日は霧がかかる中、黒岳石室まで行ってきました。
 黒岳7合目までは3日前に降った雪が、まだうっすらと残っていましたが雪面はかたく歩きやすい状態でした。7合目~山頂までの雪質は湿ったザラメ状でしたので膝まで埋まる場所が何箇所もあり、足場が定まらない大変登りづらい状態が山頂まで続きました。(スノーシューは持参しましたが使用しませんでした)

 山頂~ポン黒周辺はまだ多くの雪が残っており、膝上まで埋まるほどの踏み抜き箇所がありました。石室周りの積雪状況は、例年とほぼ変わらないと思われましたが、周辺のハイマツ帯がまだ出ていないことから石室周辺も例年より雪が多いと思われます。その後は霧がいっそう濃くなり視界も利かないことから、全体の積雪状況は判断できず、今回は石室周辺のみとなりました。

写真:黒岳バイオトイレから撮影した石室 5/14

エゾシマリス

層雲峡は、昨日からの暖かさで森の林床の雪解けも進み、生き物たちの活動も随分と活発になっています。
 早朝の森歩きでは、毎日のように生き物の種類が増え、新しい発見があります。この日は森でエゾシマリスを見つけました。シマリスは木の根元や雪面の窪みに鼻をつけて嗅ぎまわり、何かを探しているようです。繁殖期を迎えたシマリスの雄は、早くから目覚めて雌がいる冬眠巣を見つけて出てくるまで周辺を訪ね歩きながら交尾の機会を待ちます。大雪山の麓に暮らす生き物たちは、これから日を増すごとに活動的となり、繁殖期を迎える準備に入ります。

写真:雪面上でにおいを嗅ぐシマリス 

水芭蕉

雪解けが進んだ国道39号線沿いでは、水芭蕉の花が次々と咲きはじめています。層雲峡周辺は3月の大雪の影響で水芭蕉の開花が少し遅れましたが、5月の連休中には見頃を迎えそうです。

写真:清川水芭蕉園 (4/29)

冬眠明け

ビジタセンター前の雪壁も昨日からの雨で随分と解けましたが、裏山にはまだ多くの雪が残っていました。この時期の雪面はかたくスノーシューがなくても気軽に雪の上を歩けるので、特に早朝の散策は疲れも忘れて何キロも歩いてしまうほどです。
 昨日も層雲峡周辺の沢沿いをいつものように歩いていると、遠くの斜面に黒々とした点が延々と続いているのが目についたので、確認のため近づいてみると、遠くから見えた黒い点は、みぞれ交じりの雪面に残された冬眠明けのヒグマの足跡でした。周囲を見渡しながらヒグマがいない事を確認して足幅を測ると15、4cmほどあり、大きさから見てオスの成獣と判断しました。ヒグマは数時間前にこの場所を通過したようで、雪面にはまだ爪痕もはっきりと残るほどの生々しさでした。今年初めてのヒグマの痕跡に多少の緊張感はあるものの、毎年ヒグマの足跡を春の指標のひとつとしていた事もあり、やっと出てきたかと実感しつつ、長居は無用とすぐさまその場を離れ、来た道を戻ることにしました。

*この時期、層雲峡周辺の国道沿いでは、放置されたエゾシカの死骸が多く残されていることから冬眠明けのヒグマが徘徊し、居着く可能性もあるので注意が必要です。

写真:針葉樹林に残されたヒグマの足跡 (4/20)