木喰虫

枯れた「ハルニレ」の木に何やら「気持ちの悪い」模様がついています・・・。皆さん、この跡何かわかりますか?これは、件名の通り虫が木を食べた跡なのです。成虫・幼虫とも1mm前後から大きくて数mm程度で、短い円筒形の微小な昆虫です。(色は真っ黒です)森林に多くの種が存在しており、日本産で少なくとも300種以上、多様性はかなり高いようです。木の中や樹皮の下に細い巣穴を掘って生活していますが、ほとんどの種が多かれ少なかれ菌類と共生して木の栄養摂取を行っています。幼虫・成虫とも、すべての種類が植物食で、食物とする部位はほとんどのものが木材で、一部のものがドングリなど樹木の種子を食しているようです。通常は衰弱した樹木に多いですが、そういう種でも大発生すると健康な樹木を激しく食害することが知られており、森林害虫として重要視されています。

写真:木喰虫の食痕跡 2/12

森の中を散策中、折れてしまったヤチダモの木に、薄緑色の「ウスタビガ」というヤママユガ科のまゆが下がっていました。さなぎを保護するため、絹糸でつくられたまゆは「やまかます」とも呼ばれています。ウスタビガは、漢字では「薄手火蛾」、とか「薄足袋蛾」と書きますが。「手火」とは、提灯の形を意味します。緑の葉が茂っている頃にはほとんど見つけることができませんが、落葉期が終わると遠くからでもすぐに見つけられます。細い木の枝に繭の糸を絡ませて、強風にも飛ばされないように付いています。枝から離そうとしても枝の方が折れてしまうほど強度があります。中を覗くと、底に小さな穴がありますが、雨水を抜くための穴のようです。幼虫や成虫の写真はありませんが、皆さんも一度は目にしたことがあるはず・・・あの、とてつもなく鮮やかな緑色の・・・です。

写真:ウスタビガの繭 2/12

ビジター講座:天幕・北海二見ヶ浦

本日、ビジターセンター主催:二見ヶ浦スノーシュー散策が行われました。あまり一般には知られていないこのコース・・・。概要をほんの少しだけお知らせします。層雲峡と言えば柱状節理群が有名ですが、これが知られる以前の景勝地といえば、国道273号線沿いにある天幕地区:二見ヶ浦でありました。留辺志部川から岩内川、ウエンナイ川を遡ること約2k周辺で見られる岩壁とされています。開拓当時は巨岩奇峰群で知られていましたが、大正15年に双雲別(国道39号線沿い:現・清川)~層雲峡間の道路が開通すると、北海・二見ヶ浦は訪れる方もなくなり、現在ではその存在すら知られていない状態となっているところです。往復約5kのこのコース、悪天の中でしたが総勢15名での講座でした。

写真:二見ヶ浦へ 2/12

株虹?

早朝、ほんの数分間でしたが「虹」のようなものが現れました。時間にして3分くらい、最初は非常に薄かったのですが、次第に濃い色へと変化していきました。さて、これは虹なのでしょうか???彩雲なのか???虹にも色々な名前がありますが、「主虹」「副虹」「過剰虹」「反射虹」「月虹」「逆さ虹」・・・。雲で全体が隠れているようには見えないのですが、似たようなもので、地面に近い部分だけが短い柱になって見える「株虹」というものあります。う~ん、なかなか難しいです。いずれにしましても、幸運をもたらすという「虹」。見えたことではよかったのですが・・・。 

写真:幻日か? 2/11

天然記念物の競演

ここ層雲峡では、2月に入っても雪が多く降る日が続いています。3日前には日中(14時)の最高気温がプラスに転じ、70日振りに真冬日を抜け出しましたが、あっという間にまた元の「層雲峡」です。体が中々ついていかず、とうとう風邪をこじらせてしまい、ホームページの更新も遅れてしまいました・・・体調がやや戻りましたので、早速スノーシュー片手に散策へ!!!途中、エゾシカの死骸に無数のカラスが・・・。よく辺りを見回すと、天然記念物の「オオワシ」と「オジロワシ」もいました。やはり、近くで見ると「もの凄い勇壮感」のある鳥です。しかし、この2羽・・・絶滅危惧種に指定されています。(オオワシ~絶滅危惧種2類:絶滅の危険が増大)(オジロワシ~絶滅危惧種IB類:近い将来における絶滅の危険性が高い種)地上からではなかなか見分けが難しいですが、この日は両者共に「幼鳥」の姿も見られました。

写真:オオワシ・オジロワシ 2/9