花の見頃

赤岳~小泉平では、チョウノスケソウ、イワウメ、エゾオヤマノエンドウなどは少し終わりかけになってきましたが、入れ替わるようにタカネスミレ、キバナシオガマ、チングルマなどが咲いてきました。こちらのコースは今週末までが見頃と思われます。

写真:小泉平のタカネスミレ 7/3

白雲岳で滑落事故

本日午前中に白雲岳で滑落事故が起き、千葉県の女性が亡くなりました。山頂直下の急な雪渓を下山中に足を滑らせたようです。今シーズンの大雪山は例年に比べて残雪が多く、すべてのコースに雪原や雪渓が大きく残っています。場所によってはクラックやシュルンドもあります。また、雪面の状況はその日の気温や天候によって、柔らかかったり、硬かったりと、変化します。その時々の状況に合わせて、雪面の状態を把握し、アイゼンやピッケル・ロープ、場合によっては撤退の判断も必要です。夏山登山だからと安心せず、情報収集や装備をしっかり準備するなど、万全な態勢で山に臨んでください。

写真:白雲岳 7/3

コマクサ平のコマクサ

コマクサ平では、昨年よりも10日ほど早くコマクサが満開となりました。イワウメ、ミヤマキンバイなどは咲き終わりましたがエゾツツジ、キバナシオガマ、イワブクロなどは咲き始めているので、天候さえ良ければ今週末から来週にかけて見頃を迎えそうです。

写真:コマクサ平のコマクサ 7/3

緑岳第一花畑上部のクラックにご注意を!

緑岳第一花畑上部にできているクラック(雪の割れ目)はさらに深さが増しています。とくに注意していただきたいのは、下りです。第一花畑と第二花畑の間は雪原が解けて茂みが露出し、回廊状(雪原のくびれ)になっています。第二花畑から下ってくると、この回廊を通り抜けた直後に、クラックが目の前に出現するので、視界不良時は落ちないように注意が必要です。今日(7月3日)現在では、下りの場合、クラックの手前から左側(北側)へ回避するようにベンガラ(赤色顔料)でルートが示されています。ただし、顔料は降雨によって流されやすく、視界不良時は、このクラックを回避した後に元のルートに戻るには、高度の読図能力またはGPSを使いこなす力量が必要です。

写真:緑岳第一花畑上部 7/3

緑岳はまだまだ道迷いにご注意を!

前回6月25日から一週間あまり経ちましたが、雪解けの足取りはまだまだ遅いなぁという印象です。下部の樹林帯ではすでにほとんど登山道は露出しており、とくに問題はないのですが、第一花畑に出たとたんに目の前に雪原が広がります。雪面には所々にベンガラ(赤色顔料)がまかれ、おおまかなルートが判るようにはなっていますが、顔料は雨が降ると流れてしまうこともあり、マーキングの間隔も長いので、視界不良時にはコンパスやGPSを使いこなせる力量がないと迷う可能性があります。この欄で再三指摘しているように、地理に不案内な方は、ガイドや熟練登山者などの、ルートを熟知したベテランと行動をともにしてください。

写真:緑岳第二花畑 7/3