迷いますよ!

「すみませ~ん!道が判らなくなっちゃったんですけど~」緑岳第二花畑上部を下降中、突然声をかけられました。声の方向を見ると、若い女性が一人こちらへ駆け寄ってきます。どうやら雪の上でルートを見失ったようです。緑岳は第一花畑から第二花畑~エイコの沢上部にかけて、まだ全面的に雪が残っています。しかもその残り具合が微妙で、写真のように茂みが出かかっているので、コンパスで方角を定めてまっすぐ進むこともできず、茂みを避けて雪原を縫うように進むしかありません。今日の時点では雪原にデポ旗(赤旗・マーカー)もないので、ルートを熟知していないと非常に迷いやすい状況です。本日のように晴れていて視界が良くても、雪原上ではルートが判りづらいのですから、ましてや視界の悪い日となると、コンパスやGPSを使いこなせるエキスパートでないと、正確にルートをたどるのは困難になります。ナビゲーション技術は一朝一夕に身に付くものではありませんので、講習などに参加した上で、日頃から地図読みを意識して歩くことが重要です。また、自身のない方は、ガイドや熟達者と一緒に歩くことをお勧めします。

写真:緑岳第二花畑 6/25

クラックやシュルンドに注意!

ことしは例年になく残雪が多いのですが、残雪上の、いままで見かけたことのない場所にクラック(亀裂)が入っているのが気になります。不用意にクラックの谷川に乗ると、雪面が崩壊する場合もありますので十分気をつけてください。また、地温が高くなってきていますので、地面と雪面との間にシュルンドができている場所もあります。左の写真は、エイコの沢ガレ場の取り付き点ですが、上から見ると、写真右のように、雪面の下に空間ができているのが見えます。ストックやピッケルを刺して雪の厚みを測るなどしてから通過してください。

写真:エイコの沢ガレ場取り付き点 6/25

大雪高原沼観察会

昨日は快晴の天気と良い条件の中、高原沼の観察会を行うことができました。左廻りは相変わらず一面雪でしたが、右廻りは随分と雪解けが進み歩きやすくなっていました。途中ヒグマの食痕や糞があり、参加者一同緊張しながらの観察会でしたが、怪我もなく何とか一周7キロ弱のコースを周ることができました。今後は、ヒグマの目撃が多くなってくると三笠新道同様、右廻りルートも通行止めとなりますので、沼コースを周る際は事前に情報確認を行うようにして下さい。

写真:空沼 6/23

赤石川方面

早朝から小雨・濃霧の層雲峡と黒岳・・・。只今ようやく青空がちらほらと見え始めてきました。そろそろ天候が回復傾向にあるようです。但し、明日は山では風が強い予報がでましたので、十分注意されて下さい。写真は黒岳石室から赤石川方面に向うものです。まだ一面の雪です。赤石川もまだまだ雪の中です。濃霧時は大変に迷いやすくなりますので、こちらも十分に気をつけてください。また、雲の平方面も場所によっては大きな雪渓がありますので、赤石川方面同様に注意が必要です。本日は悪天候と低温・・・。出る息も真っ白・・・。何と赤石川に向う途中に「みぞれ」が降ってきました。寒いはずです・・・。確認すると、石室で気温6℃とのこと・・・。既に6月後半ですが、山の中では珍しいことではありません。装備の充実は防寒対策もこの時期は必要となります。このような日は「手袋」があるとなお良いですね。天候に留意され、安全な山行を。

写真:赤石川へ 6/22

黒岳石室周辺

黒岳石室は全て露出しています。営業も15日から開始されています。また、そろそろ周辺ではお花が開花してきていました。部分的ではありますが、写真のコメバツガザクラ、キバナシャクナゲなどが開花しています。周りはまだ雪が多いですが、来週の天候状況でお花の開花が大きく左右されそうです。

写真:コメバツガザクラ 6/22